失敗しないロゴ作成30のポイント【第5章】30 points of Logo Design -Chapter5-
- トップページ
- >
- 失敗しないロゴ作成30のポイント【第5章】
第5章 著作権や商標権など、権利関係のこと
【Point26】そもそも著作権とは?
著作権とは、簡単に言えば
「作った人がそれを自由にする権利がある」
「作っていない人はそれを勝手に利用してはいけない」
というものです。
ここでいう「それ」とは言語・音楽・絵画・建築・図形・映像・写真・コンピューターのプログラムなど、多岐にわたります。
著作権は日本の法律上、「自然発生」するということになっています。つまり、作ったその場で権利が発生する、ということです。しかしながら、「確かにその人がその時に作った」ということが証明できなくてはなりません。
ここに日本の著作権法の弱さ、課題があります。
著作権保護については、ここでは書ききれませんがさまざまな対策があります。たとえば、お客さまの著作権を守る、お客さまが使用するロゴを他社や他人に真似させない、などです。
必要であれば個別にご相談ください。
【Point27】ロゴの著作権を放棄する会社、しない会社
ロゴマーク制作会社の中には「納品したロゴの著作権を放棄します」ということをウリにしている会社があります。
対してビズアップでは、納品したロゴの著作権もデザイナーに残しています。
ビズアップではなくデザイナーに、です。
なぜこのようにするか、理由は明白です。
このような権利的内容を軽視すると、良いデザイナーが集まらないからです。
腕もよく、コミニュケーション能力の高い歴戦のデザイナーは、このような話を重視します。
もちろん、著作権で儲けようという意味ではありません。きちんとした明確な線引きや正当性を求める、ということです。
また創業当初から、ビズアップのホームページの内容やビジネスモデル、キャッチコピーなどをさんざん盗用され、ショックを受けてきました。
誠実なお客さまや誠実なデザイナーと仕事がしたい、だから自分たちも誠実なルールを設けるというのがビズアップのスタンスです。
なお「著作権を放棄します」と謳いつつも、きちんとした線引きをデザイナーとの間にしっかりと設けていない制作会社があるので注意が必要です。
著作権を譲り受けたつもりでいながら、数年してデザイナーが自分の権利を主張してきたにも関わらず、当の制作会社は我関せず、またはすでに廃業していることもケースとして十分考えられます。
著作権譲渡はきちんとした書面を交わすことをおすすめします。書面を出せない会社は信用してはいけません。
【Point28】商標登録とは?-するメリット、しないメリット-
商標登録は、お客さまの商材の名称や、デザインの権利を法的に守るものです。
商標登録をすることで、同じ名前の商材、同じデザインのロゴマークなどを他社(他者)が使用することはできなくなります。
商標登録には、商標(名前)だけ登録する場合と、商標と図形(名前とロゴ)を登録する場合の2通りがあります。
商標と図形を合わせて登録することで、権利がより強固になるとされています。
また、商標だけでは通りづらいものも、ロゴとあわせて申請することで通りやすくなる傾向があると言われています(あくまで傾向です)。
商標登録するメリットは、このように自社の商品の名称に対して法的にガードできることです。
しかしながら、ビズアップでは商標登録をするメリットよりも、しないデメリットの方が大きいと考えています。
たとえば、商標の調査を行わないことで、知らず知らずのうちに他社の商標権に抵触してしまう場合があります。
またせっかくお作りしたロゴを、盗用者が先に商標登録してしまうと、お客さまは二度とその商標を使用できなくなってしまいます。
商標登録しておけば、そのような心配は一切必要ありません。保険のようなものですね。
【Point29】弊社で作成したロゴを盗用してしまったラーメン店の事例
ビズアップでデザインさせていただいたお客さまのロゴと、まったく同じロゴを盗用しているラーメン店を発見した事例があります。
この際はお客さまでなく私たちが間に入り、ラーメン店へ連絡を入れ状況を説明し、事情を聞きました。
ラーメン店の主人は盗用したロゴだとはまったく知らず、知り合いのデザイン会社が勝手にやったことだということが判明しました。
ラーメン店の主人はとても誠実な方で、状況を把握した後に素直に非を認め、そのロゴを取り下げてもらうということでお客さまには矛をおさめていただきました。
このようなデザイナーの勝手な行動は、誰にとってもデメリットでしかありません。
ビズアップのお客さまはこの一件で非常に不快な思いをされました。
そしてなにより、知り合いのデザイン会社が勝手にやってしまったことで、ラーメン店は実害を被っています。
ラーメン店側はオープンしたばかりにも関わらず、せっかく作った看板やのれん、メニューや箸袋といった店内のツール類を、すべて作りなおさなければいけないという事態になってしまったのです。
このようなことから、製作会社選びはしっかりとした見極めが必要です。
「デザイナーが勝手にやってしまった」という場合でも、当然ながらデザイナーの管理は製作会社の責任です。
ビズアップはこのような誰も喜ばない事態を起こさないよう、システムを利用しても管理しきれないほどの不特定多数のデザイナーと契約する、というビジネスモデルを採用していません。
また、もしもビズアップのお客さまのロゴマークを他社(他者)が盗用している事態が発見された場合は、お客さまとデザイナーの双方を守るため、提携の弁護士や弁理士とともに戦ってまいります。
【Point30】真剣さは伝わる
Point1や2で、そもそもロゴマークとは何か?そしてロゴの歴史について書きました。
これはあくまで客観的な説明です。
主観的な想いを書かせていただくなら、ロゴを作るということは、お客さまの会社の存在を確かに示すためのシンボルを作ることだと考えています。
デザインのことに詳しい必要はありません。
ディレクターに説明するのが苦手でも全く問題ありません。
お客さまのご商売に対する情熱は、必ずディレクターに伝わります。
まっとうなディレクターやデザイナーであれば、ご自身の商売に真剣な方のロゴを作りたいと心から思っています。
ただその一点さえあれば、きっと良いロゴができあがると私たちは信じています。
ビズアップでなくてもかまいません。自分の商売に対する真剣さ、これを受け止めてくれる制作者を選んでください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
2012年8月17日 株式会社ビズアップ 代表取締役 津久井 将信
第1章 良いロゴマークとは?
第2章 ロゴを依頼するときのポイント
第3章 ロゴの作成の費用や相場とその考え方
第4章 ロゴの決定、採用、デザイン修正について
第5章 著作権や商標権など、権利関係のこと