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30 points of Logo Design -Chapter3-

第3章 ロゴの作成の費用や相場とその考え方

【Point17】ロゴ作成はいくらくらいが相場か?

ロゴマークの制作料金は、非常にあやふやです。

たとえば、一昔前のインターネットもまだない時代は、ロゴマークは大手企業のものでした。当然作成する会社も大手を相手にしている広告代理店などでした。

そうしたことから、当時よりロゴ作成の価格は1000万円やそれ以上の価格が相場でした。

また、私がサラリーマン時代のころのクライアントである食品メーカーは、著作権の永代使用料を含めて3億円で制作したロゴマークを使用していました。今でもそれほどの価格でロゴを制作する大企業はあります。

たとえば、ソフトバンクのロゴマークは一説によると2億円と言われています。ツタヤのTポイントカードのロゴは4000万円と言われています。

集客にインターネットを利用していないデザイン会社は、相場で30〜50万円程度が多いようです。場合によっては100万円前後の制作料を取っている会社もあります。

【Point18】ネット集客をしているロゴ作成会社はなぜ低価格か?

インターネットで集客している会社のロゴ作成料金は、平均して3万円前後というおそろしく安い相場になっています。

これは安すぎます。

この価格で商売をするには、おそろしく安い報酬しかデザイナーに支払っていない可能性が高いです。

つまり、実績がない素人デザイナーや学生、デザインソフトが使用できるだけの人など、安い報酬でも仕事をさせてもらえるなら良しとする人を利用している可能性が高いのです。

当然ながらクオリティはおそろしく低くなります。

また、Point11でも書いたように、ディレクターなどを置けず、お客さまの求めているものに応えられない、応えようとしていない会社がほとんどです。

こういった安い料金で制作する会社は、デザイン業界のことを知らない人(当然ロゴの専門科でもない人)が「儲かりそう」という理由で参入してきているケースが多いです。

ビズアップは2006年に創業しましたが、その間にこのような会社が少なく見積もっても30社ほど現れては消え、を繰り返しました。

インターネットを利用すれば、広告費はかかりますが営業の人件費はかかりません。その分安くできることは確かです。

しかしながら、ネットを使っていない会社が30万〜50万円でロゴ制作を請けているのに対し、ネットとはいえ3万円前後という金額は、まっとうなデザイナーが対応する会社においてはあり得ません。企業努力の域を超えています。

あなたなら素人や学生が建てた家に住みたいですか?

素人や学生に手術をされたいでしょうか?

それと同じことです。

会社の顔であるロゴを、今後10年、20年、そして30年と御社のビジネスがうまくいく限り使い続けるロゴを、このような人たちに作ってほしいでしょうか?

【Point19】キャンセル料金がかかる会社、かからない会社

ロゴの無料提案=キャンセル料金0円はビズアップ代表津久井が考え、業界で初めて打ち出した方法です。

デザイナーは、ロゴに限らず作成したデザインをお客さまが気に入らなくても、キャンセル料金や作業代金を当然のように欲しがる傾向にあります。

この「業界の慣例」はお客さまのためにならない、自分だったらイヤだとずっと感じていました。

創業当初のビズアップ代表津久井は、同じデザイン業界から多くの批判が来るであろうことを予想しつつも、業界の悪習慣を変えたいという想いからこの無料提案をはじめました。

はじめは予想通り多くの批判来ましたが、その中でも協力して構わないという理念の共有ができたデザイナーを数人集めることに成功し、事業を軌道に乗せることができました。

今では、業界のスタンダードになっているこの無料提案ですが、無料提案を行っていない制作会社もあります。

ひとつは、ネットを使用していないリアルのデザイン会社やデザイナーがそれです。ネットの業界をあまり知らないだけに古い習慣から抜けだしていません。

もうひとつは、大量のデザイナー(学生や素人含む)を集めてプラットフォームを用意し、ほぼ自動で安価に数十案のロゴの提案を行っている「コンペ形式」と呼ばれるサイト運営をしている会社です。

このような会社は、お客さまのロゴがどういうものになるか、デザイナーのモチベーションやクオリティがどういうものかに全く興味がなく、とにかく大量に客やデザイナーを集めて、最低でも一定のキャンセル料金を取ることができれば、自分たちは利益が出るという仕組みで展開しています。

お客さまから見たら、安価に数十案見れるので良いかもしれませんが、これはお客さまのことばかり考えすぎて業界をダメにしてしまう構造です。

生態系で言えば、ある種だけ一人勝ちした結果、その種も滅びてしまうようなものです。

これを行うとデザイナーという商売では誰も生活できなくなり、結果として日本のクリエイティブは死にます。

「そんなことはどうでもいい」と考える方は、このようなサイトに頼んでいただくと良いと思いますが、容れもの(プラットフォーム)だけ用意して「あとはご自由にどうぞ」というスタイルは、少なくとも御社の大切なロゴをつくる上では適さないと考えています。

【Point20】無料提案が優れている理由

ロゴの無料提案が優れている理由のひとつは、先ほどお伝えしたとおり「気に入らないロゴ、使いたいと思えないロゴにお金を払う必要がない」ということですが、実はもうひとつあります。

クオリティやお客さまへの対応が良くなる、という点です。

「無料で提案するっていうことは、たいしたクオリティではないだろう。」

こう考える方がいらっしゃいますが、これは半分当たって半分間違っています。

固定のお給料が出るサラリーマンデザイナーの場合、デザインしたロゴにお客さまが満足してもしなくても、自分の報酬は変わりません。

この場合、無料で提案するということは作り手であるデザイナーのモチベーションを下げ、結果クオリティを下げる可能性があります。(どうせ無料なら適当でいいや、と考えるのです。)

しかし、ビズアップはすべて歴戦のフリーランスデザイナーと契約しています。

もしお客さまが満足するロゴをデザインできなかった場合、1円も手にすることはできません。デザイナーも生活がかかってますから、必然的にデザインスキルをはじめお客さまへの対応やヒアリングの能力を高め、デザインも人間性もご満足いただけるように真剣に取り組みます。

また、無料提案ではなくキャンセル料金を請求できるシステムの場合も考えてみます。

これは、キャンセルとなっても、つまりお客さまにご満足いただかなくても、ある一定のお金を手に入れることができるということです。

すると、デザインのスキルやお客さまの満足度を上げるよりも「多くの依頼を取り付けてくる技術を上げる」ことに力が注がれてしまいます。

先ほど述べたコンペサイトなどがこれに該当します。

第1章 良いロゴマークとは?
第2章 ロゴを依頼するときのポイント
第3章 ロゴの作成の費用や相場とその考え方
第4章 ロゴの決定、採用、デザイン修正について
第5章 著作権や商標権など、権利関係のこと 

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