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2025年01月20日 お客さま事例 時代のニーズに応え続けるためにブランドイメージ戦略で業態・社名・ロゴを一新

株式会社アライプロバンス 代表取締役社長 新井 太郎さま

100年以上の歴史を持つ企業が、業態・社名・ロゴを一新する。一大変革といえる挑戦に、株式会社アライプロバンスさまは挑まれました。新たなアライプロバンスさまは、鉄工業から完全撤退し、総合不動産会社として物流倉庫・マンション・オフィスビルの開発運営などを手がけています。

新たな歴史の幕開けを迎えるうえで、大切にしたかった想いとは何だったのでしょうか。代表取締役社長の新井太郎さまに、お話を伺いしました。

目  次
      1. 歴史と伝統を土台に、躍進する企業であり続けたい
      2. 業態・社名・ロゴを一新して力強く生まれ変わるために
      3. コンペ形式で時間をかけて「理想のロゴ」の完成を目指した
      4. 各事業ごとのロゴも想いを込めて制作
      5. ロゴは会社のメッセージを社内外に力強く伝える存在
      6. アライプロバンスが抱く未来への展望
      7. ロゴ制作を検討している企業へのアドバイス

歴史と伝統を土台に、躍進する企業であり続けたい

――アライプロバンスさまとは、どのような企業ですか?

弊社の起源は明治時代までさかのぼります。1903年に新井鉄工所を創業して以来、日本の産業の成長とともに歩み、戦後石油掘削機器のメーカーとして一時代を築きましたが、産業構造の大きな変化により事業の継続が困難となりました。

鉄工業から、よりこれからの日本に求められる産業へと考えた末に、2016年に製造事業を撤退し、事業転換に踏み切ることを決断。そして、社名変更とともに総合不動産事業を発足しました。

――アライプロバンスさまの事業内容を教えてください。

2020年に新たなスタートを切った弊社の、核となる事業は物流倉庫開発運用事業です。加えて、マンション「Cuore PROVANCE(クオーレ プロバンス)シリーズ」の開発運用、オフィスビル「BIZA PROVANCE(ビザ プロバンス)シリーズ」の開発運用など、総合不動産会社として事業を行っています。

物流倉庫開発運営事業では、旧江戸川工場が保有していた約1万5000坪の広大な敷地を活用した、マルチテナント型の大型物流施設「アライプロバンス葛西」を竣工いたしました。首都高速湾岸線、東京メトロ東西線なども近く、交通アクセスは抜群です。施設は物流倉庫としてだけでなく、事務所やアトリエなどフレキシブルな用途に対応しています。

業態・社名・ロゴを一新して力強く生まれ変わるために

――業態の変化に伴い、社名から変えることにしたのですね。

すべてを作り直す、第二創業ともいえる再スタートを切りました。新しい社名に含まれる「プロバンス」とは、造語です。不動産や資産を表す「プロパティ」と、前進を表す「アドバンス」を融合させ、前衛的な取り組みにチャレンジし続ける姿勢を表しています。

――社名の変更があったからこそ、ロゴも作り変える必要があったのですね。

確かに社名変更が、制作の大きな理由です。しかし、せっかく作るのであれば、弊社の歴史の中に受け継がれている「DNA」のような会社独特の気質を、より体現するロゴを作りたいと考えていました。以前の弊社のロゴは簡素なもので、社内でもあまり思い入れがなかったように感じます。しかし、この度のロゴ制作は、会社が新たなスタートを切るうえで、会社の想いを強く表すロゴを作りたいと考えていました。

――制作前から、「こんなロゴにしたい!」というイメージはもっていましたか?

新しいロゴには、シンプルでわかりやすく、力強さを求めました。全体的に、骨太で力強く、パキッとした色合いをイメージしていましたね。新たな事業に対するエネルギーや、どっしりとした安定感、弊社が受け継いできたチャレンジ精神を表現したいと考えていました。

コンペ形式で時間をかけて「理想のロゴ」の完成を目指した

――ロゴはどのように制作していったのでしょうか?

知人からビズアップさんを紹介してもらい、ロゴ制作の依頼をしました。ビズアップさんは会社の再スタートに込める想いから丁寧にヒアリングをしてくれて、コンペ形式での制作を提案してもらいました。

制作にかかった期間は、3~4か月ほどです。デザインコンペには総勢36名のデザイナーさんが、2~3案ずつ提案してくれていましたね。その中から、フィーリングが合うデザイナーさんを選びました。そしてより良くするために、デザイナーさんと直接やり取りして、調整を重ねてもらい、完成を目指した流れです。

――完成したロゴは、どのようなものを表現していますか?

まず弊社のロゴデザインは、建物をモチーフにしています。弊社の扱う建物は、物流倉庫やマンション、オフィスビルなどの大きな建築物です。そこで、角ばった形状で安定感や力強さを表しつつ、面を4色に塗り分けて立体感も表しています。面の切り出した部分が三角形になっているのは、さり気なくアライの「A」の形を示唆しています。

そして社名部分にもこだわりがあって、赤字の「A」の文字が少し変形されているのは、弊社の企業理念でもうたっている「スピード感」を表すためです。

――制作における、ビズアップの対応はいかがでしたか?

話を丁寧に聞いてくれる傾聴力の高さが、素晴らしかったと感じています。ロゴが完成するまでに徹底的に意見を出し、納得がいくまで議論をすることができて、仕上がりに対する満足度もより上がりました。

各事業ごとのロゴも想いを込めて制作

――アライプロバンスさまのロゴに加え、各事業ごとのロゴも制作させていただきました。マンションシリーズ「クオーレ プロバンス」のロゴはどのようなコンセプトがあるのでしょうか?

シリーズ名に使った「クオーレ」とは、イタリア語で「心」という意味です。マンションは人が住むものですから、住む人に安らぎを感じてもらいたいというホスピタリティを元に名付けました。

ロゴの字体もポップにして、わくわくとはずむようなイメージを演出しています。丸みを帯びてやわらかな印象でありつつも、線には太さがあり、決して弱々しくない点が気に入っています。あえてモノクロにしたのは、対比をはっきりとさせ、クールで目を引くデザインにするためです。

――オフィスビルシリーズ「BIZA PROVANCE(ビザ プロバンス」のロゴについてもお伺いさせてください。

シリーズ名の「ビザ」は、「ビジネス」と「アライ」の造語です。声に出して呼んだ時に、重量感のある印象になるよう、考えて名付けました。

仕事場となるオフィスは、フォーマルで力強い雰囲気が合うと考え、安定感のある直線的なフォントを選びました。ところどころに尖った部分をつけたのは、スピード感や瞬発力、ビジネスの攻める姿勢を表現するためです。

――マルチテナント型物流施設「アライプロバンス葛西」のロゴは、どのように制作されたのですか?

アライプロバンス葛西の特徴を表現したものに、「HYPERSPACE/LOGISTICS」があります。こちらを決める際は、社員も議論に参加し、積極的に意見を出し合いました。自分たちの会社のことは、自分たちの頭で考えて、自分たちで決めていく。生まれ変わったアライプロバンスらしく、一人ひとりの主体性を重んじて決めたのが、「HYPERSPACE/LOGISTICS」のロゴです。

文字の周りに配置された線は、スピード感やつながりを表しています。物流を扱うため、人や物がつながっていくイメージで作成しました。

――2023年に「創業120周年」を迎えられた際には、記念ロゴも制作させていただきましたね。

こちらのロゴは、120年という数字をシンプルにわかりやすく伝え、かつゴージャスな雰囲気に制作してもらいました。単純すぎるデザインではつまらないので、少しデザイン性もプラスしてもらっています。斜めに伸びる線が表しているのは、スピード感や今後も右肩上がりで成長していくイメージです。

この頃にはロゴ制作も何度目かになり、カラーやデザインの好みも理解していただけていたので、最初の提案からほぼ好みのイメージに仕上がっていて、少し調整するだけで完成となりました。

――併せて、新井さまが歴史的建造物や街並みの保全を目指すために設立した「公益財団法人新井財団」のロゴもご依頼いただきました。

当財団は歴史的建造物の保存・修復・再生に対する助成事業を行うものなので、ロゴには格調高さを表現してほしいと伝えました。多角形のデザインは、歴史的建造物をモチーフにしています。

また、アライプロバンスとのつながりを感じてもらうために、弊社ロゴのデザインと類似性をもたせています。ブラウンやベージュといった黄色系のグラデーションカラーでまとめたのは、ゴールドの色味を表現するためです。ゴールドを使わなくてもゴールドらしく、かつ上品に見えるように工夫しました。

ロゴは会社のメッセージを社内外に力強く伝える存在

――ロゴを制作したことで、何か変化したことはありますか?

2つありますよ。まず1つ目は、社外へのPRに力を入れられるようになったことです。
現在、ビズアップさんに制作してもらったロゴは、さまざまなアイテムやデザインに使われています。名刺やパンフレットだけでなく、バスのラッピング等、広報・広告媒体全般に使用しています。錦糸町の街頭にも弊社ロゴの看板を掲げておりますので、今後は街のランドマークの1つとなれることを願っています。

社名もリセットし、新たなスタートを切った弊社は、まだまだ物流業界・不動産業界では知名度が低い状態であり、PRは大きな課題です。昨今の国際物流展に出店した際も、社名とロゴを目につくように掲示し、積極的なアピールにつとめました。今後はほかの有名企業にも負けないよう、より力を入れて社名とロゴを広めていきたいです。

――もう1つの変化についても教えてください。

もう1つは、社内の帰属意識を向上させるためにロゴを使えるようになったことです。
辞令などを伝えるときも、ロゴマークの社旗を背景に掲げます。ロゴは社員一人ひとりがアライプロバンスの一員であることを伝えています。ロゴがアライプロバンスの団結の証であることは今後も長く変わらないでしょう。社員には、ロゴを大切に扱い、受け継いでいくように伝えています。

アライプロバンスが抱く未来への展望

出典:株式会社アライプロバンス 公式サイト

――これからアライプロバンスさまが挑戦したいことはありますか?

総合不動産業として、あらゆるアセットに挑戦したいです。時代のニーズに応え、高度な社会貢献ができる不動産事業を目指します。

また、新しいものをつくるだけでなく、古いものを残していく考えも大切でしょう。海外では古い建物の方が価値が上がるケースもあります。スクラップアンドビルドではなく、リノベーション事業を本格化するなど、新旧共存の価値を提案していきます。社会的な意義のあることを、ビジネスとして取り組めるのであれば、こんなに素敵な企業活動はありません。

ロゴ制作を検討している企業へのアドバイス

――ビズアップに依頼して良かったと思う点を教えてください。

ビズアップさんは、ビジネスにおいて非常に重要な傾聴力を、十分にもっていらっしゃる会社だと思います。良いデザイン・良いロゴを押し売りするのではなく、弊社の想いをしっかりと汲み取り、デザインに反映してくれるのですよ。何度お仕事をご依頼しても、毎回食い違いがないように丁寧な姿勢で臨んでくれます。

だからこそ、完成した際の満足度が高く、大事に使っていきたいと思えるのではないでしょうか。社員からも、企業と社員が掲げる大切な理念を汲み取ったロゴは、地に足がついたような安定感を感じていると聞いています。

――新井さまにとって、ビズアップとはどんな会社でしょうか?

アライプロバンスにとってビズアップさんは、ブランディングのプロデューサーです。弊社の再スタートにおいては、ブランディングイメージ戦略を重視し、ロゴは肝にあたるものでした。ロゴを起点として、アイテムやWebサイトにもアドバイスをいただいた際、ブランディング全体にお付き合いをいただきたいと思える信頼感がありました。

ビズアップさんに作成いただいた数々のロゴは、これからもアライプロバンスを社会に広めるために役立てていこうと思います。地に足がついたようなどっしりと構えた「私たちのロゴ」を制作してもらえて、感謝しています。

今日はありがとうございました!

100年以上続いた鉄工業を完全撤退し、業種・社名・ロゴすべてを一新する第2創業に挑んだ、アライプロバンスさま。新しいビジネスが素晴らしいスタートを切れるように、ビズアップがお手伝いをさせていただきました。

新井さまと社員のみなさま、そしてビズアップとで数々のロゴを考える際には、長い歴史の中で育んできた企業理念「アライズム」を反映いたしました。ただのデザインではなく、アライズムを具現化したロゴは、次の100年もアライプロバンスさまに寄り添い続けていくことでしょう。アライプロバンスさまの時代に挑戦し続ける姿勢を、ビズアップ一同、心より応援しております。

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