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2025年02月07日 ブランディング メールマガジン 法則・ノウハウ 【第754回】頭のいいやつは金持ちに使われ、金持ちは夢のあるやつに使われる

長い出張に出ております。先週の木曜日から。本日帰京。

ルートは出雲→松江→大阪→奈良→大阪→博多→嬉野→博多です。

まあ、途中で帰ろうと思えば帰れないこともなかったのですが、我が家は長男と次男がともに受験本番を控えており、へんな菌を持って帰ってきそうだから帰って来るなとヨメに言われておりました(汗)。

本当だったらこの週末も帰ってこなくてもよろしいと言われていたのですが、「さすがに帰らしてください」と伝え、本日帰ります。

その中でも、佐賀県の嬉野温泉にある和多屋別荘にお客さま4名さま(とうちのスタッフ1名)でお伺いすることができたのがとてもよかったです。

和多屋別荘への訪問は昨年末のコラム、

  • 【第749回】2024年最後に、どうしてもお誘いしたいことがあります(限定7〜8名)

で告知させていただいた企画です。本当は5名のお客さまの予定でしたが、日本海側の大雪で富山県のお客さまが飛行機欠航にて断念。

2度の倒産危機を乗り越えた和多屋別荘の小原社長のお話を聞き経営を学びつつ、小原社長が仕掛けるさまざまなブランディングを体感、体験する、というツアー。

参加いただいたみなさまからも高評価をいただき、実施して本当によかったなと思いました。このあたりは来週のコラムで詳しくお伝えしたいなと思っております。

また、この企画は半年に1度くらいは行いたいと考えております。今回は年末のお誘いで2月の頭に実施という、かなりタイトなスケジュールで実施に踏み切りました。

次回は秋くらいにやりたいなと考えており、余裕を持って今のうちから参加希望の方を募りはじめたいと考えています。

ではコロコロニュース。

どうせテレビでは報道しないんだろうなぁ

日本人の敵だということだけははっきりしております

来るぞ言論統制

そろそろ立ち上がりましょうか

およそ半年間タダ働きということです

さて、本日のお話です。

ここ数回、youtube番組「Nontitle」について触れさせていただくことがありました。知っていますでしょうか、「Nontitle」。

これは「起業版テラスハウス」のような番組で、数名の起業家志望の男女がひとつ屋根の下で3ヶ月暮らし、2チームに分かれて事業プランを構想したりさまざまなミッションをこなします。両チーム、3ヶ月後に投資家の前で事業プレゼンを行い資金提供を目指します。

司会は格闘家の朝倉未来とYouTuberのヒカル。シーズン4まで出ており、他にもスピンオフ企画があります。今は「シーズンZ」をやっていて、これが通常のシーズンのものなのかスピンオフ企画なのかイマイチわかりません(汗)。

本日はその中でもシーズン4に出ていた出演者のひとり、為国辰弥さん(以降:為国)のお話に絡めて、「why」や「ファウンダーズマーケットフィット」、「ゴールデンサークル理論」などについてお話してみたいと思います。

見てない人にとってはちょっとだけネタバレ感があるかもしれませんのでご注意ください。

 

●頭のいいやつは金持ちに使われ、金持ちは夢のあるやつに使われる

為国はもともとマイナビで若くして営業部長をやったり、年収チャンネルという有名なyoutube番組に出ていたりと、その道では比較的知られた人だったようです(私は知りませんでした)。

シーズン4はオーディションから放映されたのですが、為国はオーディションでかなり異彩を放ちます。

というのも、彼はその頭の良さと性格の悪さ(?)を武器に、参加者同士のディベートでモラハラのように相手を論破していきます。視聴者からしたら非常に映りが悪い人、というか嫌われ者。

為国氏のX(旧Twitter)より

ただ、これはそのほうが「目立つ(メリコ性がある)」ということで戦略としてやっている面もあるだろうと思っていました。番組としても口コミが広まりやすいですし。

そんな戦略が功を奏したのか、彼はオーディションに合格し、シーズン4への出演権を獲得します。

チームメンバーも決まり3ヶ月の生活がはじまると、実力不足なチームメイトに対するマウントを取るような彼の言動が目立ちはじめます。

そんな中、「事業プランを考える」というミッションの段階で投資家の前でプレゼンをしたのですが(これは最終プレゼンではなく3ヶ月の中でのミッションのひとつ)、為国が自信満々でプレゼンした内容は、投資家からボロクソに駄目だしされます。

彼の事業プランは非常に現実的で実現可能性が高そうなものでした。それが投資家からは「お前の小銭稼ぎになんでオレたちの金を使われなきゃいけないんだ」と酷評されるのです。

起業において有名な言葉があります。

  • 頭のいいやつは金持ちに使われる。金持ちは夢のあるやつに使われる。

まさにこの言葉を象徴したような投資家の言葉でした。彼の事業プランには「夢」が感じられなかったのです。

また、本来頭のいいやつは金持ちに使われるのに、頭のいいやつが金持ちを使おうとした形になっていて、金持ちも不快感をあらわにしていました。

この「夢」という単語、「大志」でも「野望」でも「原動力」でもなんでも構わないのですが、ひとつの言葉にすると「why」だといえます。

「why」とは何か?

直訳すれば「なぜ?」となるわけですが、これは私の「心の師匠」であるサイモン・シネックという人が提唱する「ゴールデンサークル理論」に出てくるものです(前回のコラム「このコラムを楽しむための用語集」でも出てきました)。

「ゴールデンサークル」は3つの同心円からできており、外側から「what」「how」「why」の順番になっています。

サイモン・シネックの著書「WHYからはじめよ」より

「what」の例としては、

  • コーヒー
  • たこ焼き
  • ロゴ
  • 御社の商品

だったりします。つまり、「モノ」そのものなら何でも「what」です。

多くの企業は、新商品が出ると「what」の説明に終始します。せいぜい「how」くらい。これでは売れないとサイモン・シネックはいいます。

たしかに営業が下手な人って、本当にただの「物売り」というか。。。「what」の説明ばかりして、「お客さまが何を求めているか」やその商品が「お客さまのどんな課題を解決したくて生まれたか」などに目を向けることができない人ばかりです。

サイモン・シネックは「whyからはじめなければいけない」と言っています。たとえばどういうことか?以下の動画の中にはAppleの例えが出てきます。

youtubeに飛びます(動画は18分くらい)

Appleは、

  • わたしたちのやることは、世界を変えられると信じている(why)
  • 世界を変える方法は、美しいデザインで、かつ直感的に使える、今までにないデバイスだ(how)
  • その結果、このような製品ができあがった(what)

このような順番でメッセージを発信しつづけているからこそ、Appleにはコアなファンがいて、多くのユーザーがいる、とサイモンは主張しています。

 

●津久井の「why」

為国はプレゼンで「what」から「how」までは説明できていたと思いますが、「なぜそれをやりたいのか」「なぜそれをやるのが為国でなければならないのか」という「why」が欠落した事業プランでした。

したがって、ゴールデンサークルの中心から話すプレゼンではありませんでした。それどころか、「確実に儲かるのに投資をしないのはバカだ」と言わんばかりに投資家に噛みつこうとします。

この「why」は、最近の言葉では「ファウンダーズマーケットフィット(FMF)」と言ったりします。

私の中で「why」と「FMF」はほとんど同じ意味合いです。

ただ、正確を期すならば、FMFは起業家が持ち合わせているスキルやビジネスネットワークなども含んできます。その中で「想い」「情熱」のような要素だけを抜き取ったのが「why」と言えるかもしれません。

ここで急ですが、私の昔話をさせてください。少年期、青年期の話です。

実はビズアップの「why」は、私の少年期、青年期の経験が大きく影響しています。いまだに私の行動の源泉は「普通コンプレックス」というものです。どういうことか。

小中学生のころ、私は自分が友人や先輩後輩、先生や親などから「重要な存在ではない」と思われていると感じていました。

人によってはくだらないと感じることかもしれませんが、

  • 普通
  • どこにでもいる
  • 取替がきく

こう思われることがすごくイヤだったわけです。周りの人が実際にそう思っていたかは知りませんが、自分はそう思われていると感じていました。自分を重要な人だと思ってほしい、承認してほしい、という思いが人一倍強かったわけです。

自己愛性人格障害みたいな話ですが、「普通の人」だと思われるくらいなら「変人」だと思われたほうがマシ。「変わっている」はほめ言葉だと本気で思っていたくらいです。

その結果、今はへんな髪型になってしまいました(笑。お会いしたことがある方はわかるかと思います)。

自分の中には常に、「オレにだって価値がある!」「なんでみんなオレの価値に気づいてくれないんだ!」という思いがありました。

ところが、それを表現できていたかというとそうではありませんでした。

実際の言動は至って普通(汗)。そりゃ、あると思っている自分の価値が伝わるわけがありません。こういった一連の葛藤が「普通コンプレックス」です。

ところが、中学終わりころから高校生くらいになってくると、だんだんと自分の表現ができるようになってきました。

一番のきっかけは高校受験です。好きな子を追いかけて、自分の偏差値より15ほど低いおバカ高校に入学しました。

直接的な理由は「好きな子を追いかけて」ですが、「好きな子を追いかけて偏差値を15下げるやつなんて俺くらいしかいないだろう」と心のどこかで思っていました。今思うと、「人とは違う選択をする自分」になりたかったのだと思います。

これにより、自分の環境が変わりはじめます。

高校では勉強が学年で1番になり、中学時代補欠にすらなれずコンプレックスを感じていたサッカー部では1年生でいきなりベンチ入り、クラスでも人気者になり(自分で言っちゃいますが笑)、バンドでラジオに出演、バカ高校なのに推薦で国立大学に現役合格し、高校の朝礼で「数十年ぶりの快挙」と発表されるなど。

これらの経験を通してどうすれば目立てるのか、どうすれば価値があると思われるのか、ということをつかみはじめました。これは当然、こんなに概念的に気づいたのではなく、体験を通して無意識的に気づいたことです。

そしてビズアップを起業して気づいたのが、少年期を通して自分は「表現」という力を手に入れていた、ということでした。

自分がやってきた活動は、すべて自分の価値を知ってもらい価値が高いと思ってもらうための表現活動だったわけです。「好きな子を追いかけておバカ高校に行く」という「選択」すらも表現活動のひとつでした。

文章を書くのが好きなのも、バンドでデビューしかけたのも、バカ高校から現役で国立大学に受かったのも、新卒社員のときにいきなり社長の直部下に大抜擢されたのも、ディレクションのスキルを身につけられたのも、そして何より起業したのも、すべて自分にとって必要な表現活動がもたらした結果だったわけです。

この表現活動は「how」です。自分の価値を知ってほしいと願ってやまない少年が身につけた能力(how)であり、これを「コアスキル(人生を生きしのいできた力)」といいます。

そして、その結果手に入れた、

  • 勉強学年1位
  • サッカー部1年生ベンチ入り
  • 現役でバカ高校から国立大学合格
  • バンドで大手レコード会社からアルバムリリース
  • 新卒社員で社長の仕事を引き継いで営業成績が(半自動的に)全社1位
  • ロゴデザイン専門会社として受注件数日本一

など、これらのものはすべて「what」だというわけです。

あ、ちなみに追いかけて同じ高校にいった「好きな子」は手に入りませんでした(爆)。

 

●為国の「why」

では、私のこの「why」はビジネスに関係しているのか?

はい、関係しています。

前述のように、私の「why(またはその源泉)」は「普通コンプレックス」です。それにより手に入れた「how」=能力(コアスキル)が、「表現力」です。

そのお客さまの会社を、商品を誰にどういう言葉と画(え)で届けるのか、これを考え形にする力が「表現力」というわけです。

その結果、さまざまな「what」が生まれます。ロゴを皮切りに、パンフレットやWebサイトもさることながら、ネーミングや経営理念やミッション・ビジョン・バリューの言語化などの各商品が「what」となるわけです。

そして、これらの商品をひとことで表現するならば、「ブランディング」となるわけです。

  • 「普通コンプレックス(why)」だった男が、
  • 「表現力(how)」を手に入れたことで、
  • いい商品やサービスなのに価値を伝えきれていない会社のブランディング(what)を使命としている

これがビズアップということなんです。

「why」はひとそれぞれ、さまざまあります。そしてその「why」を手に入れる時期も人によってバラバラですが、比較的幼少期、少年期、青年期のできごとや人間関係にヒントがあるというのが私の体感です。

今回、研修ツアーで宿泊させてもらった、嬉野温泉の和多屋別荘の社長である小原さんも、強い「why」を持たれています。

これは研修ツアーのネタバレになってしまいそうであまり言いたくはないのですが、今や嬉野温泉一の旅館といってもよい和多屋別荘をブランディングして再建した小原社長は、元々「超絶ドラ息子」でした。

当然ながら経営能力などなく、実家を追い出された経験をお持ちです。そこからなぜ今のようになれたのか?

小原社長の「why」からくる最終アプトプットである「what」を「旅館」だと見ると、本質は見えません。小原社長の「what」は嬉野温泉全体であり、自社の旅館だけではないのです。いや、もっといえば嬉野温泉にもとどまらないかもしれません。

家を追い出され、「嬉野ごと燃えればいい」とまで思ったという小原社長が、どのようにして「why」を手に入れたのでしょうか。これは研修ツアーでのお楽しみということで(笑)。

さて、その後為国くんはどうなったか。

番組が進んでいくに連れ、為国はあるビジネスを思いつきます。それは、「学校をつくる」でした。

なぜそう思ったのか?(「why」)

ここからは番組中に語られた内容なので、若干うろ覚え&ネタバレ注意ではありますが、彼は中学生くらいまでは「陰キャ」であり、友だちも多くなかったようです。

それが高校に進学してバスケ部で大活躍をするとともにモテ期にも入り、学校でも男女どちらからも人気者になったようなんですね。

ところが、バスケで致命的な怪我をしてしまうことになり、部活を離れることに。

部活を離れて暗くなってしまった為国は自分に無価値感を持ち、周りの人も離れ、またひとりぼっちのようになります。学校に居場所がないと感じてしまうようになったのです。

なので、同じように学校に居場所がないと感じる子どもたちに、学校を提供したいと。ただの不登校児受け入れのフリースクールとは違うコンセプトの学校をつくろう、これを事業プランにしたわけです。

これを視たとき、為国の「why」を感じ、非常に納得感があるアイデアだと感じました。スタジオのコメンテーターも同様のリアクションでした。

小生意気で性格が悪くて、投資家にも歯向かい、「儲かればいいんでしょ」的な仕事の仕方をしてきた彼が(本当にそうだったかはわからないけど番組的にはそう感じる)、「why」に気づき事業プランを手に入れる。それにより、仲間への接し方も変わっていきます。

「天命の暗号」という少しスピっぽいタイトルの本(実際はそんなにスピな本ではない)にも、「いやだいやだ」と思っているのにつづけてしまうことややってしまうことの中に天命や天職がある、と書かれています。

為国が最終的にどうなったかは「大ネタバレ」になってしまいますのでここでは語りませんが、彼の成長ストーリーとしてゴールデンサークルを思い描きながら見ると、面白い気づきが得られると思います。

ちなみに、この「why」は創業者か二代目や三代目かはあまり関係ないと思っています。和多屋別荘の小原社長も三代目ですが強い「why」をお持ちなのは前述したとおりです。

御社は、御社の社長はどんな「why」をお持ちですか?

 

今回はここまでです!

津久井

投稿者プロフィール

津久井 将信
津久井 将信
ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。

かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。

2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。

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