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2024年10月25日 メールマガジン 心理学 本の紹介 法則・ノウハウ 【第741回】仕事で使える心理効果13選

1週間が早いですね。というか1ヶ月が早い。いやいや、1年が早いですわ。

ていうか、この歳になると5年があっという間なんですよ。

私は30歳で起業しました。あれから18年。そう考えると、今ではこのコラムも私なんかよりもはるかに若い方々に読んでいただいているのでしょう。

ひとつ忠告するならば、人生は本当にあっという間です。経営者になることができたあなたの才能を社会に存分に活かすための時間は、思っている以上に過ぎるのが早いです。

それにしてもなんで歳をとると時間の感覚が早くなるのでしょう。それはどうやら、以下の計算式が成り立つかららしいです。

  • 3歳の子の1年間の感覚=1÷3=0.333333
  • 50歳の人の1年間の感覚=1÷50=0.02

と考えると、50歳の人は3歳の子どもの実に16倍のスピード感で生きているわけです。そりゃ5年が早いわけだわ。これ、有名な「ジャネーの法則」というやつですね。よくできてますよね。

というわけでコロコロニュース。

「人体実験」と公言、専門家内田氏は推したクセに打たないらしい

控えめに言って殺人教唆の犯罪者が政治家?? 

マジでどうやって儲けんだよw教えてくれよ

デマたろー!うしろ!うしろ!

森永卓郎さん、残りの命を文字通り賭けています

2つ言っちゃった!

というわけで選挙戦も大詰めですね。もう政党で選ぶのはやめたほうがいい。ひとりひとりが候補者の人間性を見極めようと努力しないと。世襲なんてもってのほか。ましてやテレビが言っていることなんて1ミリも信用しないほうがいい。

自民にもまだまともなのもいるだろうし、まともそうな他の党のにも悪質なのはいるだろうし。とにかく「人を見る努力」をしないとですね。

とはいえですね。政治家が悪質なのは否定しませんが、それよりも悪質なのが官僚とメディアです。国が滅ぶときに悪さするのは、決まって表に出てこない人間です。歴史モノとか読むとよくわかります。なので政治家や政権が変わっても日本はすぐにはかわらない。それでも声をあげつづけるしかないですね。

ちなみに会社も同じだっていいますよね。おかしくなるときは競合や景気のせいではなく内部からだって。

では本日のお話。

私、なんだかよくわからないのですが心理学などが好きなんです。本格的に勉強したわけではないのですが、好きです。

私が心理学を好きになったのは、マーケティングを勉強しはじめてから。20代終わりくらいでしたかね。

当時私が勉強していたダイレクトレスポンスマーケティングというマーケティング手法は、消費者の感情や心理に訴えかけるメッセージを使って集客するというものでした。

なので、この関連の書籍を読むとだいたい心理学や心理効果の話が出てきて、それにより自然とこのあたりのことを学ぶようになったんですね。

心理学は最近だと「認知科学」とも言ったりします。正確には棲み分けがあるようでして、心理学との違いとしては脳や心の働きを数値化、数式化して表せるようにしているようです。これらがAIの技術などにも使われてきています。

そしてこれと比較的セットで語られているのが「行動経済学」。

これはとは何かというと、従来の経済学と違って人間の心理が消費活動や経済活動に大きく影響しているという前提を持って理論を構築している経済学です。

「人間の心理が消費活動や経済活動に大きく影響している」、アタリマエのようですが従来の経済学はそうではなく、「完全情報」と「合理性」という2つがポイントだったそうです。

「完全情報」とは売り手も買い手も商品や価格について十分な情報を持っている上で売買を行っているということ、そして「合理性」とは超ざっくりいえば安いものから売れていくということです。

もちろんこの2つに当てはまらないことがあることは我々は体験的に知っているでしょう。たとえば「ちょっと高いけど友達から買う」とか。今までの経済学ではそれはイレギュラーの扱いだったそうなんです。

しかし、行動経済学ではむしろそっちのほうが大事だろうということで、認知科学(心理学)が経済の面においてもより一層重要視されるようになったというわけです。

    私もブランディングにおいてはまさに人の心理を汲み取ることが非常に重要だと考えています。なので本格的に勉強したわけではないのですが心理学が好きです。

    「心理学」と聞くと、「人を都合の良いようにコントロールする」というイメージを持つ人がいますが、そうではないと私は考えます。

    もちろん大前提として相手を想ったり敬ったりという「やさしさ」や「モラル」を持ちあわせていない人が使うのはとても危険です。

    相手をコントロールするのではなく、

    • 相手とより一層仲良くなる
    • 悪い人(コントロールしようとする人)に騙されない

    という目的こそが心理学を学んで使うべき理由なのではないかと考えています。

    まさにメディアや官僚、政治家など、民衆を悪い方向へコントロールしようとしている人から身を守るのにも役に立ちます。

    今日は私の知っているさまざまな心理学の法則、心理効果などをカンタンに説明してみたいと思います。お仕事や人間関係に使える(=より仲良くハッピーになれる)と感じていただければうれしいです。

    ●返報性
    ●一貫性
    ●希少性
    ●社会性的証明
    ●好意
    ●権威
    ●ザイオン効果
    ●認知不協和
    ●ピグマリオン効果
    ●ゴーレム効果
    ●作業興奮
    ●ハロー効果
    ●補完の原理

    いっぱいありますのでひとつずつを軽くお話してみたいと思います。

    ここに紹介しているのはもちろん心理学のすべてではないです。私が知っているというだけです。詳しい方がいれば逆に教えてもらって勉強させてもらいたいくらいです。

     

    ●返報性

    人は良いことをされると、お礼をしたくなります。これが返報性です。「相手に与えることが大事」というのはここから来ています。

    というと見返りを求めているようですが、とにかく人は良いことをされたときに動く、ということです。

    見返りを求めるべきか、という議論はこういった話には常につきまといます。私は見返りを求めてもいいと思います。お互いが与えあい、そしてお礼をしあえばポジティブなスパイラルが働きますので決して悪いことではないと思います。

    問題は見返りが返ってこなかったときに自分がどうあるべきかということだと思います。見返りがなかったときの在り方が人間の器を決めます。

    1点注意が必要で、この返報性は何も良いことだけに働くわけではありません。

    逆に、人は嫌なことをされると復讐したくなります。

    良いことをされれば良いことを返し、悪いことをされれば悪いことを返す、これが返報性のルールです。

    見返りがなかったときに復讐したくなるような在り方では器が小さすぎますね。大きい器でいたい。そして見返りを得られなかったときに復讐したくなるような人とはお付き合いしたくないですね。

     

    ●一貫性

    人は、ひとたび決定を下したりある立場をとると、そのコミットメントと一貫した行動をとるように個人的にも対人的にも圧力がかかります。

    一貫していたい、一貫性のある人と見られたい、相手にも一貫性を求めたいという欲求が働くようにできているのです。平たく言えば、一度言ったりやったりしたことを変えたくないし、相手にも変えてほしくないということです。

    たとえば、普段は電車にのって座席に座っているときに老人がきても席を譲らないような人でも、誰かと「今の日本があるのは老人のおかげだ!大切にしないと!」なんていう話をした直後には席を譲る可能性が格段に高くなります。

    ウソをつきたくない心理はこの一貫性によるものですね。

    よくよく考えたら良い結果を生まないとわかっていながらそれをやめられないのも、一度宣言してしまったので後には引けないという一貫性によるものです。

     

    ●希少性

    人は限りあるものに反応します。これが希少性のルールです。

    簡単にいえば限定商品。「先着◯名様分だけしかありません」というのはベタですがものすごい効果があります。時間を限定する場合もありますよね。「あと◯日」とか。それ以降は二度と手に入らないと感じると欲しくなってしまうのです。

    「タイムセール」なんかはもちろんセールで安くなっているから、という側面もありますが、「今だけ」という希少性が働くので効果が高いわけですね。

    子どもたちの遊びを見ていてもわかります。ポケモンカードなどをみると強そうなデザインのポケモンでカードもキラキラいしているものは、子どもたちも直感的に「少ない」「大切」「強い」という希少性を誰から習ったわけでもないのに感じています。

    希少性はブランディングでもよく活用されています。高級車や高級ホテルなど、お客さんを選ぶ商品やサービスなどに使われます。そうすることで自分にも希少性を感じることができますからね。

     

    ●社会性的証明

    「楽天ランキング売上げNo1」
    「ユーザー純増1位」
    「青汁3億杯突破!」

    これらはすべて社会的証明です。人は社会的証明があるものにも弱いのです。「みんなが認めています」、「みんな使っています」ということで「安心だ」「安全だ」と感じるのです。

    これも、ブランディングの手法のひとつです。「みんなおんなじ」です。そこに安心、安全を感じさせ、「失敗しませんよ」というメッセージを発信します。

    100点とか120点はないけど、合格点は確実に提供できる。これによって、「失敗したくない」という心理をうまくついてブランディングしているのが、チェーン展開しているようなショップです。

    何も高級なものだけがブランディングされている、というわけではないのです。

    ちなみにわくわくする注射の大半が偽薬と言われているのも、この社会的証明をうまく利用するためですね。「まわりの多くの人が大丈夫、だから大丈夫だろう」です。

    そうして一部の被害者は「不幸なイレギュラー」扱いされるわけです。「たまたまだ」と。私が悪い人だったら絶対に同じ戦術を取りますもの(苦笑)

     

    ●好意

    これは当たり前ですが、人は好意のある相手の言うこと、やることであれば前向きに捉えます。

    嫌われているよりは好かれているほうが良いということは人を動かす上で重要ということです。当たり前っちゃ当たり前ですが、めちゃめちゃ重要。

    好意によって人は間違ったこともしますし、悪い人間を応援してしまうこともあります。

    結局、正しいか正しくないかなんてきちんと判断できる人間のほうが圧倒的に少なく、好きか嫌いかで判断してしまうのが人間なんです。

    問題は、この「好き嫌い」の話を「善悪」にすげ替えて考えてしまう人が多かったり、メディアがすげ替えて報道していることです。

    ウクライナ情勢なんかまさにそうですよね。(ソ連時代から)ロシアが悪いと「感じる」ような報道を受け取りまくってしまった結果「ロシア嫌い=ウクライナがんばれ」になる思考が、申し訳ないけど頭悪いとしかいいようがない(毒)。メディアに騙されすぎ。どっちの肩も持たなければいいだけの話では?

    ちなみにネット上で「ウクがんば!!」って言ってた右寄りな方々が、ゼレンスキーがアメリカの議会でのスピーチで「真珠湾攻撃を思い出せ!」という話を持ち出した途端、「ゼレンスキームカつく!キライ!」ってなったのは笑ってしまいました。ほら、結局「好き嫌い」。どこに正しさがあるのか。一貫性はどこに行った?(笑)

    「好意」は思っている以上に人間の判断にポジティブにもネガティブにも作用しているわけです。

     

    ●権威

    人は権威のある人の言うことを聞こうとします。

    ということはこのコ□ナ禍の数年間でよくわかったのではないでしょうか。私はイヤというほど感じました。

    「政治家」「専門家」「大学病院の先生」「大学の教授」という人がテレビでまったく科学的ではないことを言っています。もはや「ウソをついている」と言ってもよい。

    それを見るたびに、「あーあ、また騙される人がいるんだろうな」と感じるのは、この「権威」の力を知っているからです。権威があるだけで、言っていることが合っているか間違っているかを確認し考えるというモチベーションが弱まってしまいます。

    心理学を学ぶ理由のひとつ、「悪い人(コントロールしようとする人)に騙されない」を思い出しましょう。私がこれだけ発信しているのは、権威を使った騙し方のロジックを知っているからです。

    ちなみに、テレビなどで弁護士や何かの専門家が話すときに本棚の前が多用されます。これは、より直感的に「権威を感じさせることができる」からです。医者や研究者が白衣を来てメディアに出がちなのも同じ理由。

     

    さて、今見てきた6つは、ロバート・チャルディーニさんという人が書いた著書、「影響力の武器」からの引用です。この本は名著です。

    「理論編」と「実践編」があり、「理論編」はさっぱりわかりません。難しすぎます。「実践編」は読みやすく面白い。ビジネスにも役立ちますのでぜひ読んでみてくださいね。

     

    ●ザイオン効果

    ザイオン効果は「ザイオンス効果」とか「単純接触効果」とも言います。

    人は、何度も同じものを見ていると、それに違和感を感じなくなったり好感をいだいたりするようになる、という心理効果です。

    大手企業が何度もテレビCMを打つのはこのためです。やかましいだけのあの選挙カー、使っている候補者のほうが得票率が高いという統計結果もあるそうです。

    どちらもその時に何か影響を受けたとは感じていません。テレビCMを見ても大半がそのときにほしいとは感じないし、選挙カーで名前を聞いても投票所に行けば忘れています。しかし結果は。。。無意識ってある意味恐ろしいですよね。

    テレビに出はじめたタレントやお笑い芸人で、はじめのうちはいけ好かないと感じても、何度も見ているうちに違和感がなくなったり好感を持つようになるのもこの効果の賜物です。

    ちなみに私にとっては高校生のころに見たダチョウ倶楽部がそうでした。「予定調和」という種類のお笑いが新しすぎたこともあり、何が面白いのか、つまらないのにテレビに出すぎだとよく友人と話していました。

    しかし程なくして、「こういう種類に笑いもあるんだ」という感覚とともにダチョウ倶楽部に何も違和感を持たなくなりました(むしろ好感を持ちはじめた)。

    営業マンであればお客さまと接触する頻度が大切だというのは、この「ザイオン効果」からもよくわかりますね。

     

    ●認知不協和(認知的不協和)

    人は2つの矛盾する認知をすると確認して矛盾を解消したくなってしまう、というものです。

    たとえば「投資経験ゼロの人がひと月で1,000万円稼いだ」と聞いたらどう思いますか?

    「んなことあるわけない!でも。。。」ってなりませんか?そして本当にそうなのか、そうだとしたらどんな仕掛けや理由があるのか知りたくなりませんか?

    昔、マーケッターの神田昌典さんが「あなたの会社が90日で儲かる!」という本を出したときにはこの認知不協和がふんだんに盛り込まれていました。

    まずタイトル。「んなことあるかい!」と思いつつも「本当だとしたら。。。」と思ってしまいます。そしてこの本の装丁のカラーはショッキングピンク。当時のビジネス書ではほとんど見かけることはありませんでした。「ビジネス書なのにショッキングピンク?」という不協和が生まれます。

    結果、手にとって中身を確認して不協和を解消したくなってしまうのです。この本は大ベストセラーとなり、神田昌典の名を一躍世に知らしめました。

     

    ●ピグマリオン効果

    何かを期待した結果、認識や行動に変化が起きる現象を「期待効果」といいます。

    具体的には、生徒の成績は教師が示す期待に応じて上がったり下がったりするそうです。患者への治療効果も、その患者が治療法を信じるか信じないかで変わってくるとのこと。

    「期待効果」の中でも「ピグマリオン効果」は相手に良い印象や良い期待をもつと、相手がそうなる、ということでポジティブな意味合いで使われます。

    「生徒会長」や「先生がかわいがっている子」が「優秀」なのもピグマリオン効果です。「いい子だね〜」といって育てつづけると、その子は「いい子」になります。

    変わった例だと他にこんなのも。デザインのお話。

    同じワインをパッケージだけ変えて飲み比べした時の印象がどうなるか。簡易な紙ボトルに入ったワインと高級感漂う瓶のボトルに入ったワイン。中身はまったく同じ。

    答えはおわかりと思いますが当然後者のほうが美味しいと評価されるそうです(やっぱりデザインは大切!)。

     

    ●ゴーレム効果

    「期待効果」の中でも「ピグマリオン効果」とは真逆で悪い印象を持って相手に接すると、相手が実際に悪い人になってしまう、というのが「ゴーレム効果」です。

    ネットの引用ではこうあります。

    例えば教師が生徒と接する際に、この生徒は成績の良くない生徒だと思いながら、この生徒に対して成績の上がる見込みがない期待度の低い状態で接すると、その期待通りに生徒の成績が下がることがある(コトバンクより引用)。

    ゴーレムという名前の由来はユダヤの伝説にある意思のない泥人形(ゴイム)のことだそうです。

    これは子育てや社員教育の面でも重要な示唆を含んでいますね。「お前はなんでいつもそうなんだ!」という怒り方をすると、相手はずっとそうでありつづけるわけです。無意識的に「いつもそう」であるべきと受け取ってしまうんですね。

    厳しい父親のもとで育った子どもがグレてどうしようもなくなる、なんていうのはまさにゴーレム効果。「もっとこうしなさい!」「なんでそうなんだ!」と言われつづけるわけですから。

    このあたりの話はこちらの本が秀逸です。

     

    ●作業興奮

    仕事でも勉強でも家事でも「やる気がでない」「モチベーションが上がらない」「集中できない」みたいなことってありますよね。これらを老若男女問わずどんな人でも、超カンタンに解消する方法があるそうです。

    聞きたいですか?(認知不協和を使っています 笑)

    それは、「(それを)とりあえずはじめる」だそうです(苦笑)

    「作業興奮」は、イヤイヤながらでもやっていることで、そのうち集中力が出たりモチベーションがあがってくる心理状態のことを指します。

    脳が嫌がっても体を動かすことが重要で、逆に言えば人は行動しなければやる気は出ないということでもあるそうです。

    私は、休日に仕事をしなければいけないときは、前日夕方のメールチェックをあえてゆるくします。そうすることで、休日の仕事ではまずメールチェックからはじめることとなります。たんたんと返信が必要かそうではないかを判断してアーカイブしていく作業。モチベーションが低くてもできます。

    そして、だんだんと他の仕事へスライドしていくことができます。

    「作業興奮」をもう少し拡大解釈するなら、今の環境や仕事のせいでとあれこれ理由をつけてやる気やモチベーションが出ないという人がいますが、それは「何も行動していません」と公言しているのと同じということ。

    結局は、「今いる場所で咲きなさい」ということで、行動しない人にその先の理想の世界はないということですね。

     

    ●ハロー効果

    人でもサービスでも商品でも特徴的な部分に印象が引っ張られてしまい、他の部分の評価まで変わってしまうことを言います。

    たとえば学歴。超名門大学を卒業していると、実際はどうかわからなくても優れたビジネスパーソンだという評価を得やすくなります。なので学歴詐称してしまうわけですね(どっかの都知事みたいに 笑)。

    大企業がテレビCMに好感度の高いタレントを使うのもこのためなんだそうです。そして逆もまた然りで、タレントが不祥事を起こすとその人が出ているCMの商品を使ったことがなくても悪い商品だと感じたりするそうです。

    私自身は不祥事を起こしたタレントだからその商品がどうこう、という感情になったことはありませんが、実際に購買意欲は削られるらしいですね。

    デザインなんかはもろこれです。見た目の印象を良くすることで商品やサービスがしっかりしている、という印象を持ってもらえます。しかし、いつも言っていることですが商品力がないと大クレームになります。

    見た目さえ整えればよい、ということではなく両方大切なんですね。

     

    ●補完の原理

    人間は勝手にさまざまな空白を補完しようとしてしまいます。

    占い師が使うテクニックはこれを応用しています。たとえば占い師に「あなた最近、ちょっと悲しくなることがあったでしょ?」と言われたとします。

    すると、素直な人(素直すぎる人)は「もしかして、あのことかな?」、「そういえばこないだあんなことがあった!」と勝手に足りない部分を補完し出し、「きっとそのことに違いない!」と感じてしまいます。そして、「ひ〜〜、当たっている〜〜〜」となってしまうわけです。

    誰にでも当てはまりそうなことを言われているのに、その人のことを信用していしまうのは、この補完の原理の作用によるものというわけです。

    いつもこのコラムでお話している「コンセプト」について。「コンセプトは人々の頭のなかにすでにあるイメージを利用する」とお話しましたが、それはこの補完の原理を応用しています。

    もう少し広義の話では、「人は持っているものよりも足りないものに目がいってしまう」と言えます。

    自分の良いところよりも悪いところに意識がいってしまったり、自分が持っていない「人のもの」を欲しがったりするのもこれですね。「他人の芝生」というやつです。

     

    さて、いかがでしょうか。これとは別に、「デザインと心理の関係」における心理効果の話をこのコラムでもしたことがありますが、今回はデザインとはなるべく切り離したお話を心がけてみました。

    また勉強してお伝えしますね。「デザインと心理の関係」についてはまた折を見てお話します!

     

    今回はここまでです!

    津久井

    投稿者プロフィール

    津久井 将信
    津久井 将信
    ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。

    かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。

    2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。

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