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2024年06月28日 デザイン メールマガジン 法則・ノウハウ 【第725回】「パンフレットに何を載せればいいかわからない!」という方へ

6月最終営業日。2024年も半年が終わろうとしています。

このコラムではしつこいくらい言っていますが、早い。光陰ロケットの如し。「やばいやばい」と陰謀論界隈で言われている2025年もあっという間に突入することでしょう。

というわけでコロコロニュース。

これはさすがにヤバい

自白(動画)

日本を取り戻したければメディアを解体するしかない

どんどん出てくるけどメディアではやらない

この工作員組織、知ってます?

だ、だいたいあってるじゃねーか!(爆)

最後の「ボッチだった」はだいたいあってますよ。まあボッチの定義にもよるけど。でも友だちは多かったけどな。それも勘違いかもだけど(笑)。

ちなみに記事の内容はひどい印象操作です。「中学時代ボッチ=陰謀論者」という等式は成り立つとしても、「陰謀論=デマ」という等式は成り立ちません。

なのに、「陰謀論者=デマを信じる人」という印象を操作したいのが見え見え。本文には直接的には書かれていませんが、なぜか何の脈絡もなく「FAKE」と書かれた画像を使ったり。GIGAZINE、見損なった。。。

言葉と画(え)の専門家として、記事の内容やそこで使われている画像を見ると、作成者がどういう意図をもってどんな印象を与えたいかわかっちゃうんですよね。

というわけで、本日のお話。今週は言葉と画(え)の専門家としてデザインのお話をしようと思います。

よく、「パンフレットに何を載せればいいかわからない!」という声をお聞きします。「どんなデザインが良いかもわからない!」という声も同様に。

本日はこの課題に答えるために、だいぶ「大きな話」をします。

「デザインとは?」みたいなお話から、「ツールミッション」という考え方まで。「戦略」とか「戦術」とかのお話まで出るので、少し好き嫌いが別れる話かもしれません。あと毎度のことながら長い。

で、以下の4つについてお話しますね。

●デザインの目的とは?
●デザインにできること
●デザインにできないこと
●「ツールミッション」でデザインの効果を高める

 

●デザインの目的とは?

この世にはさまざまなデザインがあります。

それらをひとくくりにしてデザインの目的を語ろうとすると、どうしても抽象的になってしまいます。そんな抽象的なお話を少しでもわかりやすくお伝えしてみたいと思います。

なお、ここでは「商業デザイン」と言われるビジネスに必要なデザインの話を中心にしたいと思います。

さて、「デザイン」は辞書ではどのように定義されているのでしょう?

Wikipediaで調べてみましたが、読んだだけで具合が悪くなりそうな表現だったのでここには書きません(汗)

デザインは、多くの人に「図案」「意匠」だと思われていると思います。もちろん間違いではありませんが、そのままの解釈だと誤解を生むことがあります。

たとえば、「図案」「意匠」だと捉えてしまうと、アートとデザインの区別がつかなくなります。

「デザイン=アート」という誤解をしているのは、デザインを使う人(お客さま)よりもデザインをつくる人(デザイナー)のほうが多いかもしれません。

どういうことかというと、自分のデザインをアートのように「作品化」してしまうということです。

私の中ではデザイン(特に商業デザイン)とアートには明確な区別があります。

それは言葉で表現すると、

  • アートは自分(つくり手/アーティスト)に向き合う
  • デザインはお客さまに向き合う

となります。

この場合の「お客さま」はクライアント本人である場合もあれば、クライアントにとってのお客さんの場合もあり、ケースは分かれます。

たとえば、パッケージデザインであれば、クライアント本人よりもその商品のターゲット、つまりクライアントのお客さんに向き合ってデザインするということです。

では、なぜデザインはお客さまに向き合うのか。

それはデザインの目的が、

  • 見た人に狙ったとおりの行動を取ってもらう

というものだからです。

アートはそれを見て何かを感じてもらうことがゴールです。たとえば絵画であれば、その絵を買ってもらわなくてもいいわけです。また、感じ方も人それぞれ自由でいい。

名画を見られる美術館は、絵を買ってもらう場ではなく何かを感じてもらう場所です。もっと端的に言えば見ることそのものが目的です。画風や絵の精密さなどから、その作家がどれくらい自分に向き合いその作品をつくったかなどを感じ、感動する人もいればしない人もいます。

また、小さな子供が描いた絵ですら、広い意味ではアートです。子供が描いた絵を見た人が急にうどんを食べたくなったりゲームをしたくなったりしたら、特定の感情や行動を促していますから、それはデザインと言えるかもしれません(ほとんどないケースでしょうけど)。

デザインの目的は「見た人に狙ったとおりの行動を取ってもらう」という点について、もう少し掘り下げて解説します。

たとえば、パッケージデザインであれば、「狙った行動」とはその商品の購入です。スーパーのチラシであれば、「狙った行動」は来店になるでしょう。我々のホームページであれば、ロゴマークの無料提案を申し込んでいただく、というのが「狙った行動」です。

さて、大手企業がよくやるイメージ広告の「狙った行動」は果たしてなんでしょうか?

たとえば、キレイな女優さんとかイケメン俳優さんが出てきて、意味があるのかないのかよくわからないセリフを言ったりする広告のことです(毒がありますかね?笑)

これは、すべてではないですが多くの場合が

  • 持ってほしい印象を植えつける

ということになります。「印象を持つ」というのも行動のひとつですし、「持ってほしい印象」という狙いがありますから、これらもデザインと呼べると思います。

余談ですが、先ほどのGIGAZINEの例で言えば、文章と写真から「陰謀論=デマ」という感情を生み出したかったわけです。なので、これも広い意味で「デザイン」です。

話をもとに戻して、こういうミッションを持たせることは悪いことではないのですが、とてもむずかしいのは、「印象を持つ」は定量化(数値化)しづらいということです。

パッケージデザインならば何個売れたか計測することができますし、チラシであれば何人来店したか数えられます。ロゴの依頼もカウントできるものです。

しかし、「印象を持つ」はカウントしづらい。できたとしても調査にまたお金がかかる。効果検証がしづらいわけですね。

そうするとどうなるか。

  • デザインには効果を求めなくていい
  • デザインの効果は見えなくていい

というナゾの論調が出てきてしまいます。

そして、アートとデザインの区別ができないデザイナーやディレクターが、効果に責任を追わなくて良いことによりアーティスト気質になってしまいます。

結果、デザインの目的を考えていない「作品」がたくさん生まれます。デザイナーは「作者」として持ち上げられて「先生」なんて呼ばれてしまいます。

まあ、今ですとこういったイメージ広告がある種エンターテインメント化しているので、これはもはやひとつのアートのジャンルだと言っても過言ではないかもしれません。個人的にはテレビCMとか見るの好きですし、アートという解釈なら許せます。

それに、大きな市場で勝負している企業にとってイメージ広告が効果がないかというと、すんごいざっくり、大雑把な計算ではやはりあるようですね。ただし、これは大手だから可能という話で、中小企業がこれをやっても費用に合う効果はほとんど得られないと言っても過言ではないでしょう。

 

●デザインにできること

さて、デザインの役割は

  • 見た人に狙ったとおりの行動を取ってもらう

でした。世の中にはそうなっているデザインもあればそうなっていないデザインもあります。

狙った行動をとってもらうという役割をさらに分解してみると、どんなデザインが役割を果たしていてどんなデザインが果たしていないかがわかるのではないかなと思います。

狙った行動を取ってもらうために、どんな機能がデザインにはあるのか、これが「デザインにできること」です。

【1】
ひとつ目は、

  • 存在を知らせる

ということです。

  • たしかにここに存在します
  • ◯◯という商品はここです
  • △△というサービスをご存知?

などなどです。

たとえばスーパーの棚に並ぶ商品などを考えてみましょう。パッケージデザインが目立てば、来店者の目を引きますよね。そして、「こんな商品があるんだ」ということを知ることができます。

駅のポスター広告でもその広告が目を引くものであれば、そこに書いてあること=告知を知ることができます。

つまり、デザインのひとつめの機能(できること)は

  • 認知させる

ということになります。

【2】
ふたつ目は、

  • それをよく知ってもらう、理解してもらう

です。

デザインに書いてあること(描いてあること)を通して、見た人はそれが何かを理解します。

「あ、これはお醤油なのね」
「これはチーズなんだ」

という「そもそもその商品が何か?」の理解から、

「国産大豆100%なんだ〜」
「イタリアから直輸入のチーズか!」

などの付随情報、付加価値情報までデザインをとおして理解します。

駅の案内板などもデザインであり、優秀な案内板はこの「それをよく知ってもらう、理解してもらう」が優れています。

案内板を見ながら歩いているのにいつの間にか迷っているという場合は、この駅の案内板が「よく知ってもらう、理解してもらう」という機能の面で劣っている可能性があります。

デザインにできることの2つめはこの正確に伝える、理解してもらう、ということです。

【3】
デザインにできることのみっつ目が

  • 良い印象を持ってもらう

ということです。

見た人に好感を持ってもらうことは、狙った行動を起こしてもらう上でとても重要なのは間違いありません。

人間に例えるとすぐにわかります。好感がもてる人と持てない人、同じ内容のことを言われても受け取り方は変わってきます(残念ながらそれが現実です)。

人間はきれいなものや美しいもの、自分が好きだと思うものに対し、

「優れている」
「信頼できる」

と感じるバイアスが働くという心理効果が確認されています(人に対しても同じです)。なので、好感を持たれることはとても大切です。

しかし多くの場合が、この3番の「好感」に偏りすぎてしまいます。

デザイナーがつくるデザインはきれいで美しくさえあればいい、デザインとはきれいで美しい図案のことだ、という誤解が生まれてしまうのは、この3番に偏りすぎていると言えます。大手のイメージ広告もこの3番しか考えていないものがほとんどです。

どんなに美しいデザインでも、目立たなければ見てもらえません。誰も踏み入れることのできない無人島にもしイケメン(または美女)が独りだけいてもその能力はなんの役にもたちません。

また、どんなに美しいデザインでも、それが何か、何を主張したいかわからなければ人は何もできません。何が言いたいか理解できない広告ってたまにありますよね。

チョコレートだと思って買ったら石鹸だった、みたいな誤解を生むデザインであれば確実にクレームの嵐でしょう。これも「理解できない」ということのひとつです。こんな極端な商品はないでしょうが、近いレベルでみなさん意外とやりがちです。

好感を持たれるだけでなく、きちんと存在を知らせるデザインになっているか、それが何か、どう理解ほしいかを正しく伝えられているか、3つのバランスをターゲットや売り方に合わせて最適なバランスを見つけることで、

  • 見た人に狙ったとおりの行動を取ってもらう

という目的を果たすデザインになります。

さて、私のコラムをよく読んでくださる方だと、もしかしたらあることにお気づきかもしれません。

この3つの「できること」、実は以下のようになっています。

  • 目立つ
  • 理解する
  • 好感を持つ

はい、頭文字を取ると、「メリコの法則」が出てきます。良いデザインの条件は「メリコ性」が高いこと。

メリコの法則は、私のデザインの師匠の伊吹卓先生が考案したものです。残念ながら90歳で一昨年亡くなられましたが、本も100冊くらい出版されています。アサヒスーパードライのパッケージデザインをコンサルティングされた方です。

 

●デザインにできないこと

デザインにできないことももちろんあります(たくさんあります)。

その代表的なところが、

  • 商品をリピート購入させる

ということです。ただし、例外もありますので順を追って説明してみます。

まず、はじめて買った商品があるとします。なぜ購入に至ったか。それはデザインの力によるところが大きいです。

もちろん、価格設定や商品品質などがまったく関係ないとはいいませんが、実はそういった品質的な条件が満たされて購入に至るわけではありません。

だって、その商品をまだ体験したことがないから。価格に見合う価値かどうかの判断ができないから。

実際は、その商品の存在を知ってもらい、その商品の特性や良さを知ってもらい、整ったデザインで好感を与え、「一度試してみようかな」となり、購入に至ります。

体験したことのないものは、そのほとんどが目から入るものしか判断基準がないのです。

最近は口コミなどの情報(耳から入る)もありますが、それでも目から入る情報の影響がないわけではありません。良い情報でも、目から入る情報が悪い印象や内容なら、「この口コミは本当だろうか?」と疑われてしまいます。

要するに、「一度体験してみよう」が

  • 見た人に狙ったとおりの行動を取ってもらう

の「狙った行動」であることが商業デザインの場合ものすごく多いわけです。

しかし、リピートするかどうかとなると、商品力がなくてはなりません。

どんなに目立って美しくて特徴がわかるパッケージデザインのチョコレートだとしても、食べたらどうやってもまずかった、なんていう商品力だとしたら2回目の購入は期待できませんし、1度は買えたとしても何度も買えるような価格設定でなければそれもやはりリピートしないでしょう。

「1回目はデザイン、リピートするかは商品力」、これが基本的な考え方です。

なので「デザインを変えて売上をUPしたい!」という場合に、なぜ売上が低いかを分解しないとデザインを変えて本当に売上が上がるのかどうかはわかりません。

「調べたら実はリピート率がものすごく低かった」

という場合はデザインを変えて瞬間風速的に売上が上がることはあるかもしれませんが、それは一時的なものでしかなくなるでしょう。体験した人のリピート率はほぼ商品力を表していると言えるからです。

逆に、一度買ってくれるとリピーターさんになる人がとてもたくさんいるような場合、デザインにより「一度体験してみよう(=新規)」を増やすことができればその後も安定的に利益を上げられる可能性が高いわけです。

デザインを良くしても中身の商品力が良くなるわけではありません。そこはデザインにはできません。

※余談
実は商品力を高く感じさせることはちょっとだけデザインにもできます。「期待効果」という心理効果です。たとえば、牛乳パックのような紙パックに入ったワイン、高級ボトルに入ったワイン、どちらも中身は同じだとしても、後者のほうが美味しいと人は感じます。

 

●「ツールミッション」でデザインの効果を高める

さて、デザインの力では商品をリピート購入させることは原則できない、と前述しました。

しかし、この原則が当てはまらないものあります。それを知るためには「デザイン」というものをさらに少し分解して考えてみる必要があります。

商業デザインは次の2つに大別できます。

売るためのツールとしてのデザイン

商品そのものに施されるデザイン
  • パッケージデザイン
  • チラシやパンフレット
  • 広告
  • その他
  • 家具
  • インテリア雑貨
  • 洋服
  • その他

この右側、【商品そのものに施されるデザイン】の場合、原則である「デザインでリピートさせることはできない」は当てはまりません。

【商品そのものに施されるデザイン】について、もう少し説明しましょう。

家具はその機能(タンスなら洋服をしまう、椅子なら座るなど)のみが備わっていれば売れるわけではなく、デザインが好みかどうかなども購入において重要な要素になります。購入後もそのデザインを体験している状態がつづくためです。

このように、【商品そのものに施されるデザイン】の場合、「デザイン」は「商品力そのもの」になる場合がほとんどです。

たとえば、トイレやお部屋の芳香剤などは部屋にマッチするデザインかどうかを気にしますし、消耗品なのでリピート購入されます。つまり、「そのデザインだからまた買う」ということが起こり、デザインによりリピートするかどうかが決まる可能性が高いわけです。

なので、【商品そのものに施されるデザイン】の場合、「デザインでリピートさせることはできない」という原則はほとんど当てはまりません。

対して、左側の【売るためのツールとしてのデザイン】の場合について考えます。

パッケージやチラシはほとんどの場合、購入時にしかそのデザインを体験しませんし、何度もいいますが、パッケージデザインがよくてもまずければ、その食品はリピートされません。

なので、この原則(デザインでリピートさせることはできない)が当てはまります。

しかし、こちらにも一部例外があります。たとえばタバコなどは「パッケージが好きだから」という理由でリピートする人もいます。

さて、ここからやっと本題である「パンフレットに何を載せればいいかわからない!」問題について触れていきます。

ツールミッション©

という言葉を聞いたことはありますか?ないですよね。だって、「©」とつけているとおり、私が考えた言葉なので(汗)。

パンフレットにしろ、名刺にしろ、ホームページにしろ、広告にしろ、パッケージにしろ、販促のためにつくるツール(つまり表の左側)にはミッションを持たせるべきです。

これを「ツールミッション」と呼びます。

たとえば、パッケージデザインであればミッションは「売れる」ということになります。

名刺だったらどうでしょうか?

  • 名前を確実に覚えてもらう
  • 顔を覚えてもらう
  • パーソナリティを理解してもらう
  • 社名を覚えてもらう

などなどいろいろと考えられます。

大切なのは、どういうデザインにすべきかや何を載せるかはツールミッションによって変化する、ということです。

先の名刺の例で言えば、

  • 名前を確実に覚えてもらう

であれば名前は大きく目立つようにデザインするのはもとより、「お願い!!名前だけでも覚えてください!!」というキャッチコピーがあっても良いかもしれません。

  • 顔を覚えてもらう

であれば顔写真は必須ですし、

  • パーソナリティを理解してもらう

であればプロフィールを盛り込む必要があります。

そして社名を覚えてもらうならばロゴの配置の仕方がとても大切ですし、何よりロゴデザインそのもの、さらには社名(ネーミング)も大切になってきます。

つまり、本日の主題である「何を載せたらいいかわからない」「どういうデザインにしたらいいかわからない」の答えは、「まずはツールミッションを明確にしましょう」ということになります。

では、ツールミッションはどう決めればいいのでしょうか?

それは、「戦略や戦術」によって決まります。私が描いた、デザイン会社の社長とは思えないクオリティの画(え)を使って解説しましょう。

マーケティングが好きな方ならよく見る画(え)だと思いますが、これは何を表しているかというと、お客さんが商品を購入するまでのステップを表しています。

左のように、「購入」というGoalに対してハードルが高すぎると、お客さんはここを登ることが難しく、結果、購入に至りません。

しかし、右のように階段状になっていると、お客さんは1段ずつ登ることができ、Goalに行きやすくなります。

かつてはこの階段を2つ用意することを「2ステップマーケティング」と呼んでいました。「資料請求」や「無料小冊子プレゼント」などのハードルの低い1段目を用意し、そこを登ってきた方に購入を促す(営業をかける)という方法です。

今はそれが多様化、複雑化し、2ステップではまかないきれないケースが増えています。これを今っぽくいうと「カスタマージャーニー」と言ったりします(正確ではないですがだいたいこの認識でOK)。

「戦略」とか「戦術」とは、超ざっくりいうと、この画(え)のようにどんなステップを何段用意するか、ということになります。

で、以下の画(え)もご覧ください。

はい、用意した各ステップにはそれぞれツールが必要になります。したがって、どんな内容のステップを用意するかによってツールミッションは変わります。

多くの人が、「パンフレットをつくったら商品が売れるようにしたい」と考えますが、それは画(え)の左側をやろうとしていることとなり、これはとても難しいのです。

なので、用意したステップごとにツールをつくり、それぞれにミッションを持たせる、これが正解です。

これを、

  • 1ツール1ミッション©

と名づけています。1つのツールには1つのミッションしか与えない、ということです。

こうすることで、そのツールの持つメッセージがとがり強くなります。メッセージがとがって強くなれば、相手に届く、響く確率は高くなります。

1つのツールに欲張ってあれもこれもとミッションを与えるのはあまり好ましくありません。メッセージがボケてしまうからです。画(え)でいうと、1段1段が高すぎて登りづらいということになります。

ただし、現実的には1ツール1ミッションを実現するのはなかなか難しいです。

これらを踏まえて、ビズアップのホームページを例に挙げてみましょう。

ビズアップのホームページのツールミッションは、

  • とにかくロゴの無料提案に申し込んでもらう

となります。「ロゴデザインをビズアップで購入してもらう」ではないということです。とても微妙な違いですが、これがまさに「ステップの高さ」であり、とても重要です。

なので、そのキーメッセージがわかるようにTOPページのファーストビューにデカデカと載せています。しかしながら、無料提案に申し込んでもらうには

  • 信頼できる会社かどうか?

も伝わらなくてはなりません。そうするとホームページには副次的なミッションが発生します。それは

  • 見た人に信頼感を感じてもらう

となります。自ずと会社概要ページなどをしっかりとつくり込む必要が出てくるわけです。デザイン的な好感ももちろん重要。

このように、副次的なミッションが発生するので、1ツール1ミッションは現実的にはちょっと難しい。それでも「キーメッセージ」は絶対にぶらさないようにしなければなりません。

なお、「ツール」とはデザイン制作物のみを指すわけではありません。そこで話されている営業トークなども含みます。

ビズアップであれば、「ロゴ」と検索したときに出る「広告文」もツールです。「広告文」のツールミッションは、「クリックしてサイトを見てみたいと思ってもらう」です。

ロゴの無料提案を申し込んでくださったお客さまには、まずお電話でお礼とともに制作の流れなどを説明しますが、ここで使用するトークスクリプトも「ツール」です。

ツールミッションは、お客さまにきちんとした会社だという安心感を感じてもらうことと、僭越ながら無料提案をさせていただいて問題ないお客さまかを見極める、となります。

まとめると、

  • 戦略、戦術によりそもそもどんなツールをつくるべきかが決まり
  • それによりツールミッションが決まり
  • ツールミッションによりデザインや盛り込む内容が決まる

となります。

  • 戦略/戦術 → ツール(ツールミッション) → デザイン

になっているわけですね。ここまで理解できているデザイナーはほとんどいません。なので、好き勝手なものをつくってしまうデザイナーが多いわけです。

ちなみに、ステップの最初に来るツールがデザイン制作物の場合(トークスクリプトなどではない場合)、このツールを「入口デザイン©」と呼んでいます。

「そもそも何からつくればいいかわからない!」という場合は、この「入口デザイン©」から制作を開始することをおすすめします。

さて、いかがでしたでしょうか?

デザインという感覚的、抽象的でフワフワしたものをいちいち理屈っぽく言葉に置き換えていくのは、もはや私の趣味というかライフワークかもしれません。

御社の戦略にデザインをどのように活かせそうでしょうか?ぜひ一度考えてみていただければ。。。

とはいえ、かなり大きな話で抽象的ですし、今回のコラムもかなりアカデミックになってしまいました。

ですので、

「デザイン制作物が必要になった、けどどんな内容でどんなデザインにしたらいいかわからない!」

という場合は、相談ベースで構いませんのでご連絡ください。相談だけであれば、私が動いても今のところは無料です(今後はわかりません)。

ちなみにこれもステップのひとつになっています(爆)

 

今回はここまでです!

津久井

投稿者プロフィール

津久井 将信
津久井 将信
ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。

かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。

2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。

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