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5月最終日。私たちは8月が決算なので、週明けから最後のクオーターに突入します。
ありがたいことに会社の業績も好調で、社内も良い雰囲気で私自身も気分がとてもあがります(アゲー)。
心配なことといえば、日本の行く末ですね。まあ、ここでささやかな発信をすることくらいしかできないのですが。
というわけでコロコロニュース。
本日は、日比谷公園で大規模なデモが行われています。WHOのパンデミック条約や憲法改悪に反対する人の集まりで、相当な数の人が集まる予定のようです。
しかし、これらは大手メディアは黙殺しているようですね。
Twitter(現X)では、「日比谷公園」がトレンド入りしています。こちらをご覧ください。
日本列島の真上だけを覆う怪しい雨雲による大雨もむなしく、雨は上がりました。天も味方しているのか。
ちなみに「気象操作」っていうのはすでに当たり前にあると言われています(察してください)。北京オリンピックの開会式でも使われたそうですし、ドバイでも使われているみたいですよ。
さて、本日はいつもとちょっと趣向を変えて、私が過去に読んでとても感銘を受けた本をご紹介したいと思います。
中には「私もこれ読んだ!」「おれも知ってるぜ!」というものもあるかと思いますが、ぜひお付き合いください。
では張り切ってまいりましょう。
●90日であなたの会社が儲かる!ー感情マーケティングでお客をつかむー 神田昌典著
この本は有名すぎて知っている方が多いと思いますが、もうかなり古い本になりました。私の人生を変えた本と言っても過言ではありません。
通称「ピンク本」と言われ、当時はこのようなショッキングピンクの表紙のビジネス書はほとんどなく、売り場で目立つことを戦略的に行った本でした。
昔話をしながら紹介しますと、私はマーケティングを勉強したいと思い、1社目のデザイン系の会社から転職をしました。
そのころからマーケティング本はいろいろ読んでいましたが、この本の存在は知らなかったです。
結局マーケティングの仕事では転職できず営業で転職したのですが、入った会社の取締役に気に入ってもらうことができ、入社1ヶ月ちょっとで直属の部下にしてもらうことができました。
その取締役が、マーケティングのプロでした。自分で会社をやっていた経験もあり、その会社を売却して入った会社で取締役をやっていた人です。
はからずも私はその会社で取締役からマーケティングのいろはを教わることができました。その際に、まずは課題図書としてこの本を教えてもらい、衝撃を受けたわけです。
マーケティングといっても世の中にはさまざまな手法があります。その中でも、ダイレクトレスポンスマーケティングという、主にアメリカで通販のために開発されたマーケティングを私は取締役から教わります。
で、この本はダイレクトレスポンスマーケティングを日本にはじめてもってきた神田昌典氏が書いた本です。
神田さんが活躍しはじめたのは1998年か1999年ころ(だったと思う)。私がこの本の存在を取締役から教えてもらって勉強しはじめたのが、2004年ごろでした。
取締役は神田さんが主催する「顧客獲得実践会」という伝説の会員組織(いっきに3000人くらいまでの組織となり、人気すぎてその後会員獲得を打ち切ったほど)の66番目の会員でした(たしか)。超早くに会員になったわけです。
ちなみに神田さんの別の本では、その取締役が売却したビジネスのことがチラッと載っていたりします。
ダイレクトレスポンスマーケティングは、テレビCMなどと違って広告効果を正確に計測することに特徴があるマーケティングです。
また、主に言葉(セールスコピー)を活用して見込み客を集めるという手法で(もちろんそれだけじゃないですけども)、現在のWEBマーケティングの考えの基礎となるようなものといっても過言ではありません。
私はこの本に出会わなければ起業できなかったと思います。それくらい人生に衝撃を与えた本でした。
ただ、マーケティングオタクになった私は、組織論の重要性をずっと認識できておらず(マーケティングができれば会社はうまくいくと思っていた)、その後組織づくりでかなり苦労をすることになります。何事もバランスが重要ですね。
なお、転職先の取締役はその後ビズアップに入社しました。2014年ころ。1年ちょっとで辞めてしまいましたが。。。
●ストーリーとしての競争戦略ー優れた戦略の条件ー 楠木建著
つづいてご紹介するのがこちら。「ストーリーとしての競争戦略」。この本も秀逸でした。
この本は「ぜんぜんストーリーの話じゃないじゃん!」みたいなクレームもあったそうですが、私から言わせるとなんだかお門違いなクレームです。
この本は、なぜスターバックスコーヒーが直営店しかやらないか(今はフランチャイズもあるんですかね?)や、受注生産をやめて大きく成長したモーターのメーカーの話などが出てきます。
この本の中でもっとも私が印象に残ったのは、「賢者の盲点」という考え方です。
頭の良い人は常に合理的に物事を考えます。その合理性が、逆に仇となっている可能性があるということを、「賢者の盲点」という言葉で説明しています。
先ほどのスターバックスコーヒーの直営店の話も同様で、早く効率的に出店するのであればフランチャイズ化したほうがよい、と考えるのが合理的な人の考え方です。
スターバックスはあえてそれをしなかった。そこにはどんな狙いがあったのか。こういったことが解説されています(まあ、私はスタバは行かないけど、豆が怪しいので)。
我々ビズアップも、なぜ社内にディレクターを置くのかなどはまさにこの「賢者の盲点」をついていると考えています。
合理的に考えれば、ディレクターの人件費を削って安くロゴを提供したほうがよいと考えられます。その究極の形が、クラウドソーシングという「頭の良い人たち」が考えたサービスです。
プラットフォームをつくってそこにクリエイターとお客さんを集めて、「あとは勝手にやって」というスタイルなわけです。頭いいですね(嫌味)。
ちなみに楠木建さんの話をリアルでお聞きしたことがありますが、めっちゃ面白かったです。天才と思う。
その時の写真がありますが、楠木さんと津久井、なんか似てません?(笑)
●破天荒フェニックス 田中修治著
これも面白かったなー。ノンフィクションのビジネス小説です。一気読みしましたし、当時の経営者仲間の間でかなり話題になりました。
話はOWNDAYS(オンデーズ)というメガネ屋さんの再生の軌跡を描いたものです。
OWNDAYSは今となってはZoffやJINSと並ぶメガネ屋さんブランドとなりました。しかし、この会社は過去に瀕死の状態を負っています。
負債20億の状態で売りに出ていたOWNDAYSでしたが、著者の田中さん(現OWNDAYS会長)ははじめはOWNDAYSを買うつもりはなく、どちらかというと仲介に入ってお小遣い稼ぎしようと思っていたそうです(ちなみに田中さんはそのときデザイン会社を経営していた)。
しかし、ひょんなことからいろいろとあとに引けなくなって、自身がOWNDAYSを買うことになります。
そこから資金繰りの問題やら組織の問題やらで地獄のような毎日がつづきます。それらをどのように乗り越えてきたのか。笑いあり、感動ありの名作です。マジで超面白いです。
●影響力の武器 実践編ー「イエス!」を引き出す50の秘訣ー ロバート・チャルディーニ著
言わずとしれた名著です。人が心を動かす条件、影響を受ける条件が書かれています。
理論編と実践編があり、理論編は超難解です。写真の実践編は、事例をふんだんに交えてわかりやすい解説になっています。こちらだけ読めば大丈夫。
以下の6つが影響力を与える武器として本書で紹介されています。これは暗記したほうがいいと昔教わりました。
- 社会的証明
- 好意
- 権威性
- 返報性の法則
- 一貫性
- 希少性
私のブランディングノウハウも、やはりこの本の影響を受けています。
たとえば、「社会的証明」は「みんな買ってますよ」「みんなもってますよ」などがその代表例です。「だから安心」と考えるわけです。
チェーン店のブランディングは、私の理論では「不安払拭型ブランディング」と名づけていますが、この根っこにあるのは「社会的証明」です。
「権威」なんかもわかりやすい。テレビで「自称専門家」として医者がお注射を推奨すると、「権威がある人が言っているんだから間違いないだろう」と影響を受けてしまう人がゴマンといるわけです。
ちなみに、なぜお注射を打った一部の人にしか副反応が出ないようにしているか。これはなるべく薬害問題にならないように(ごまかせるように)という意図がありますが、それだけではないと私は考えています。
それが「社会的証明」です。「おれは大丈夫だった」という人が周りにいればいるほど、自分も大丈夫だと錯覚し、お注射を打ってしまうわけです。
●人財革命 ークリエイティブ人間をどうつくるかー 伊吹卓著
私の師匠である伊吹先生の本も1冊ご紹介。それが「人財革命」です。
「人材」ではなく「人財」と表記したものは、今ではよく使われていますね。しかし、元をたどると、この言葉を生み出したのはどうやら伊吹先生のようです。
この本はたしか1980年代終わりころに初版が出ていますが、その中で「人材ではなくあえて人財といいたい」と言ったようなことが書かれています。
このコラムではよく伊吹先生のノウハウをお話しているので、伊吹先生はデザイン関係の人だと思われる方が多いかもしれません。
伊吹先生はデザイナーでもデザイン会社の人でもありません。しかし、「売れるデザイン」についてずっと研究をしている方でした。
先週のコラムでもご紹介しましたが、伊吹先生は「観察」によって独自の理論やノウハウを構築された真の研究者です。
何かの教科書や論文にあったことを偉そうに語る人ではなく、すべて自分で調べ、観察することで答えを導き出す方でした。なので私は師匠として心底お慕い申し上げています。
真の研究者である伊吹先生の研究は、結局は「デザイン」という枠に収まりきらず、商品開発や人財、経営者の研究へとその範囲を広めていかれました。
人財革命でもっとも印象的だったのが、次の言葉です。
- 「教えたら、人はバカになる」
本書にはその理由と、「教えない教え方を学べ」として、ではどうしたらよいかということが書かれています。
ちなみにこの本は絶版になっていると思います。Amazonで中古で買えるかなくらい。
●はじめの一歩を踏み出そうー成功する人たちの起業術ー マイケル・E・ガーバー著
この本も名著です。小さくはじめて大きく育てるという、ビジネスの王道について解説された1冊。
私はこれを起業してから読みました(3年後くらい?)。起業前に読んでおけばよかったと思いましたが、概ねこの本のセオリーに近いことができていたのでよかったです。
本書で印象に残った一節がこちら。
- 「マクドナルドよりもおいしいハンバーガーを売っている店はゴマンとあるが、マクドナルドほどたくさんのハンバーガーを売っている店はない」
たしかこんな感じの一節でした。
私はこの言葉にかなり勇気をもらったことを覚えています。1件数千万円もするようなロゴの案件を請けている人もいますが、ビズアップよりもロゴの案件を請けている会社は日本にはないはずです。
そして、だからこそ見えてきたロゴに関するさまざまな理論やノウハウが今ではかなりの強みになっています。
まあ、私はマクドナルドも行かないですけど(汗)。子どもにも食べさせないですけど。
ちなみに本書には、「ロゴ、大事だよ」という話も証拠となる調査の結果とともにチラっと出てきます。
●社長!儲かりたいならモテ経営をやりなさい! 早水彰著
こちら、私が所属する経営者団体の先輩が書かれた本です。
ロペライオという高級外車の販売会社を経営されている早水さんが書かれた本で、ロペライオはたまにバラエティ番組にも出てきたりする有名な車屋さんです。
帯にあるとおり、18期連続増収で業界No1。その秘密は「モテ経営」にあるわけです。
本書では、「モテ経営とはなにか」ということからその重要性、事例などをふんだんに知ることができます。
読むとわかりますが、社員を大切にするその徹底ぶりは本当にすごいです。感服します。
とにかく、企業、特に中小零細企業にとって、「人が辞める」というのはびっくりするくらい利益を喪失することなんです。
我々であれば、誰かが辞めるとなれば新しい人を採用し、トレーニングを行い、業務につかせてもまだ結果を出すまでに時間がかかります。また、辞める人間との引き継ぎなどを考えれば、給与が2倍かかっている時期もあります。
そういった時間的コスト、金銭的コストを金額に換算したら、我々であれば1人辞めると150万〜200万の損失があることがわかりました。
社員がいつまでも働きたいと思ってくれる会社づくりは、経営者が思っている以上に重要だということです。「舐めんなよ」ということです。だからマーケティングの勉強ばっかりやっていちゃダメなんです(汗)。
ちなみに先輩である早水さん(1回しか会ったことないですけど)は、見た目や雰囲気、考え方もやっぱりかっこいいんですよね。そりゃモテるわ、という感じ。
●革命のファンファーレー現代のお金と広告ー 西野亮廣著
お笑い芸人キングコングの西野さんの書いたビジネス書です。お笑い芸人だからと侮るなかれ。この人、本当に頭いい。それだけじゃなく努力もできる。
この方、非常に嫌われてましたよね。私も彼がテレビにではじめて「笑っていいとも!」みたいな番組にも出られるようになって、「調子乗ってんな」と思ったことがあります。
それこそおそらく「笑っていいとも!」の本番終了後なんだと思いますが、新宿駅でウンコ座りしながら大声で電話をしていて、「有名人、ここにいまっせ!」的な雰囲気を出しているところを目撃してしまったんですよね。
でもそこからどん底を経験して、めちゃくちゃすごい人になったなと、今では尊敬しております。
本書は、彼を一躍成功者に押し上げた「えんとつ町のプペル」の成功要因について語っています(それだけじゃないですけど)。
本書を読んで感じたのは、この人の頭の良さ。中でも私は「再定義力」みたいなところにすごさを感じました。
たとえば「クラウドファンディング」の再定義は、「信用をお金化する装置」だそうです。まさに。
人が時間やお金を割いて、その場に足を運ぶ動機は、いつだって『確認作業』で、つまりネタバレしているモノにしか反応していない。(革命のファンファーレより引用)
という気付づきと言語化とか、本当にすごいと思います。モナ・リザもグランドキャニオンも、写真や映像で見たことがあるはずなのに、みんな見に行ってしまう。それは「確認作業」なんだと本書で語られています。
ちなみに、「えんとつ町のプペル」は無料で公開したのに、その後大きな利益を生みます。
ネットでは無料公開当初に批難が集中したそうですが、そういった批判者を尻目に結果は大成功となったわけです。
●成功者の告白ー5年間の起業ノウハウを3時間で学べる物語ー 神田昌典著
2回目の登場。神田昌典氏。この本、すごいですよ。
これも「破天荒フェニックス」と同様、ビジネス小説ですが、こちらはフィクション。でも、ただのフィクションはありません。
神田さんが多くの経営者にインタビューを行い、経営人生で起こるさまざまなトラブルや問題に共通点があることを見出し、小説化したのがこの一冊。
私のコラムでは、毎年恒例として年に1回、私の両親の会社経営者時代のお話をストーリー仕立てでお話させていただいています。かなりの人気回となっております(手前味噌)。
で、ベースとなるのがこの「成功者の告白」です。この本では、経営者にいつ、どんな問題が降りかかるかということが書かれていますが、特筆すべきは、トラブルの内容だけではなくタイミングまで言い当てていることです。
つまり、私の両親の経営人生も、この本にかなり即していたということです。私が死にかけたり、No2が大問題を起こしたりなど、両親の会社で起こったことはこの小説に書かれていることと大きく合致します。
ちなみになんならビズアップとも合致しています(汗)。
ここに紹介している本はすべて超おすすめですが、その中でも絶対に読んでほしい1冊かもしれません。
●女子大生、オナホを売る 神山理子(リコピン)著
すみません、突然とんでもないタイトルの本を紹介しまして。。。
しかし、この本めっちゃすごいです。というか、これは最近読み終わった本でして、なんならこの本を紹介したいと思ったがために今回のテーマでコラムを書いたと言っても過言ではありません。
とんでもないタイトルですが、れっきとしたビジネス書です。しかもめちゃくちゃおもしろい。
著者のリコピンさんは、おそらく相当に頭が良いです。本の内容は、めちゃくちゃわかりやすいのにめちゃくちゃクリティカルで、本当に頭が良い人はシンプルなのに強烈なメッセージを見つけることができる人なんだなと感じます。
また、個人的にはコラムで話しているブランディング理論と近しいことが本書に書かれていてうれしかった。
タイトルにあるとおり、ひょんなことからアダルトグッズを開発して販売することになった著者が、どんな視点で市場を選択し、商品を選び、開発し、販売したか、その戦略や考え方や実行したことがつぶさに書かれています。
帯で北の達人コーポレーションの木下社長が書いていますが、まさに「この本の通りにやったら誰でも成功できるやん!」という感じ。
著者のリコピンさんを「天才」といいましたが、体を壊して気絶するまで働きすぎだと気づかないことや、マグロ漁船に乗って漁を体験するとか、ひよこのオスメスを仕分けるバイトをしてみるとか、やはり行動そのものもある種イカれているというか、奇抜な方のようです。
あと、こんなにたくさん「チ◯チン」という単語が出てくるビジネス書、はじめてです(爆)。
さて、10冊ほど紹介させていただきましたがいかがでしたでしょうか。
私自身、スマホばかり見て本離れしていましたが、また最近本をたくさん読むようになってきました。本はいいですよやはり。ビジネスアイデアなども頭が活性化されてたくさん思いつきます。
また良い本があったら紹介いたします。
今回はここまでです!
津久井
投稿者プロフィール
-
ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。
かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。
2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。
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