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2024年03月29日 ブランディング メールマガジン 法則・ノウハウ 【第713回】「専門特化」で自社をブランディングする方法

東京は嵐の様相。すごい風と雨。台風よりひどいのではないでしょうか。春にこんな天候になること、自分が子どものころにあったかな?

さて、本日は1点ご報告があります。

長年弊社のNo2として活躍してくれた芳村が本日を持ってビズアップを卒業し、独立することとなりました。

多くのお客さまにかわいがっていただきました。また、私自身も彼に大いに助けられました。

すべてのお客さまにご挨拶することができず、コラムでのご報告となってしまいましたがご容赦ください。

恥ずかしながら、芳村が最後の出社となる今日の朝礼でちょっと泣いてしまいました。

私が人前で泣いたのは人生で3回しかありません。

1回は高校3年生の部活の試合で。地区大会決勝戦、引退か都大会出場かという大一番にPK戦のすえ負け、青春の1ページが確実に終わったと実感したとき(ちなみにその日の夜に付き合っていた子に振られまた号泣しましたが、これは人前ではありませんでした。高校生にもなって1日2回泣きました笑)。

次がビズアップをはじめてだいぶ経ってから。会社が苦しい状況で、組織もメチャメチャな状況の中、全体MTGの締めの挨拶で泣いてしまいました。

このときの苦労は、年に1回(秋ごろ)にお話している「ビズアップの歴史」の回の中でもまだお話したことがありません。

ちょっと強烈な内容も含むので、もう少し時を経てからお話したいと思っています。

実はこの直後にビズアップにジョインし、会社を一緒に立て直してくれたのが芳村でした。

そして3回目が今日(照)。まあ、そのくらい芳村には感謝をしておりました。

改めて、みなさま、芳村がたいへんお世話になりました。芳村に代わってお礼申し上げます。

このテンションでコロコロニュースにいくのもちょっとどうかと思いますが、お伝えしたいこともありますのでちょっとだけ。

有名ユーチューバーが、「お注射推進の動画をつくったら報酬数百万円払います」という依頼を、国から指示を受けた広告代理店から持ちかけられていたことを暴露してしまいました。

こちら

なお、このユーチューバー(私も昔からよく見てました)は請けなかったそうです(すばらしい!!)

これにより、お注射しないやつは「バカだ」とか「IQ低い」とか「死んだほうがいい」とか言っていたホリ◯モン、ひ◯ゆき、DAIG◯などの著名人(他にもたくさん)は、お金もらってたんじゃねーか疑惑が出ています。そりゃそうだ。

で、その証拠となると思われる厚労省の発注書類がこちら。個人的にはこれがそれだというのは書面からはわかりきらないところもあったので、デマの可能性もまだ否定できません。

また、これと先のユーチューバーとの関係はわかりません。ただ、ユーチューバーのほうがリクスを背負ってまでウソをついているとは思えないので、この書類の存在如何にかかわらず、「そういう依頼」はあったと推測しています。

こちら

で、最後がこちら。ここに書かれていることには、私個人としては120%同意できるというか、私も2020年4月から気づいていた人間としてまったく同じ解釈です。

全文はこちら

では本題にいきましょう。本日は「専門特化」について。

 

●専門特化というブランディング

「専門特化」。

これ、みなさんご存知のことと思います。「食パン専門店」とか「ロゴ専門デザイン会社」とか、商材などを限定する戦略のことですね。

「専門特化する」というのはそもそもどういうことなのでしょうか。もう少し掘り下げて考えてみたいと思います。

「専門特化」は、私はブランディングの手法のひとつだと考えています。

一般的な人の「ブランディング」のイメージは「見栄えを良くする」だと思います。もちろんこれも重要な一つではありますが、ブランディングのいち側面に過ぎません。

本来なら、見栄えを良くするだけでなく、「では、どんな見栄えならターゲットにとって良いと感じる見栄えなのか?そもそもターゲットは誰なのか?」といった、もう少し深いところから考える必要だってあります。

その証拠に、「見栄えの良さ」だけを「ブランディング」とするなら、「驚安の殿堂ドン・キホーテ」はブランディングができていないことになってしまいますよね。

なので、「見栄えだけがブランディングではない」ということが言えるわけです。

そうなってくると「ブランディング」とは一体何を指すのか?ブランディングの定義は何なのか?という疑問が出てくると思います。その答えは、

  • 選ばれるため、選ばれつづけるための施策全般

です。

さて、話を「専門特化」に戻します。そうです、専門特化すると「選ばれやすくなる」ということから、「専門特化」もブランディングの1手法なわけです。

ここで、「何を専門特化するか」が重要になってきます。たとえば、

  • ロゴマーク専門デザイン会社

は専門性を感じますよね。しかし、

  • ラーメン専門店

といったらどうでしょう?あまり専門性を感じないと思います。これが、

  • とんこつラーメン専門店

だと、ちょっと専門性を感じるようになってきます。

  • うどん専門店
  • カレーうどん専門店

の2つの比較だったらどうでしょう?「うどん専門店」のほうは「ただのうどん屋さんちゃうんか」とツッコミが入ること請け合いですね。

なので、「どの範囲に限定すれば、人は専門性を感じるのか?」という判断が重要になってきます。

で、ラーメン屋さんがなかった時代というのもたぶんあったと思うんです。つまり「中華料理店」しかなかった。

その中で「ラーメンだけの店」としてラーメン専門店が生まれ、そこに専門性を人々が感じた時代、というのもおそらくあったはずなんですね。

つまり、どの範囲を「専門特化」と呼ぶかはその商材の種類や市場の状況、時代によって選び直していく必要があるということです。

ちょっとまとめると、

  • 専門特化は「どの範囲に限定すれば人々が専門性を感じるのか?」という判断が重要
  • 人々が「専門性を感じるかどうか?」は、その商材の種類や市場の状況、時代によってかわる

以前テレビ番組で「潰れそうな店を凄腕社長が立て直す」という企画をやっていました。

「きむらさん家」という千葉県の住宅街にあるイタリアンレストラン。ご夫婦2名(木村さん)が経営しているお店で、まあ番組で取り上げられるほどなのでうまくいっているお店ではありませんでした。

2人の子どもがいる木村夫妻。お客さんは1日に1組とか、日によってはゼロなんていう日もある中、それまでも木村さんご夫妻はいろいろと試行錯誤をしてきたようです。

たとえば、生ハムをフロントエンド商品としてものすごい安い価格で提供し集客しようとしたり、お酒の種類をかなり増やしたりなど。しかし、一向に売上が改善する気配はありませんでした。

そこに番組から送られた凄腕社長が。

その社長は現地調査を入念に行いました。中でもその社長の「きむらさん家」の料理の評価は悪いものではありませんでした。特にパスタ(ボロネーゼだったかな?)の味は「うまい!」と太鼓判を押されていました。

さて、凄腕社長の取った戦略は、もうおわかりかと思いますが「専門特化」です。しかもオリジナルのメニューでの専門特化。

イタリアンの味付けをしたラーメンを「伊太そば」と命名し、シェフである木村さん(旦那さん)と開発し、それに特化した店舗へと変革を遂げる作戦です。

伊太そばのメニューも、カルボナーラ、ジェノベーゼ、アラビアータ、ボロネーゼの4種類に絞りました。

まあ、こういったテレビ番組ですので、生まれ変わった「きむらさん家」が今も繁盛しているかまではわかりませんが、とにかく専門特化という戦略を凄腕社長が取ったということです。

その凄腕社長とは、東証一部(プライム)上場企業株式会社ホットランドの佐瀬社長です。「銀だこ」といえばわかりますかね。銀だこもたこ焼きに専門特化して一部上場した会社でしたね。

一部上場企業の社長でも使う戦略、それが専門特化です。

 

●専門特化の事例

ここでいくつかの「専門特化」の事例をご紹介しましょう。

またまたテレビの話ですが、以前「水曜日のダウンタウン」で珍しい専門店を紹介するコーナーがありました。

水曜日のダウンタウンではどんな専門店が紹介されていたかというと、

  • カレー専門店
  • ミートソースパスタ専門店
  • かき揚げうどん専門店
  • 食パン専門店
  • コーヒー専門店
  • バナナ専門店
  • きんぴら専門店

「カレー専門店」「コーヒー専門店」は、今ではたくさんあるというか、あまり専門性を感じないですね。

そのカレー専門店では、まずカレーに具が入っていないし、水も出してくれないそうで、そういった珍しさからピックアップされていました。

コーヒー専門店も同じで、水もださないどころか、ミルクと砂糖も出してくれない店でした。

たとえば、「ミートソースパスタ専門店」と聞くと、

  • ミートソースに合うパスタなのかな?
  • ふつうのひき肉と違うのかな?
  • ソースとパスタのバランスに秘密があるのかな?
  • その他

などなど、よくわかりませんが素人が想像しただけでも、こういったさまざまなこだわりのポイントが出ますよね。

これが専門家としてのノウハウとなり、サービスの強みとらしさを生みます。食パン専門店も同じです。

以前NHKでも紹介されていた「靴磨き世界チャンピオン」の長谷川さんという方は、文字どおり「靴磨き」に専門特化されて店舗展開されています。

長谷川さんの店では、おしゃれな空間でバーのようにお酒を呑みながら靴が磨き上がるのを待てたりと、「靴磨きの進化系」といえます(「進化系」のお話はまた別の回で)。

画像はBRUTUSよりお借りしました

こちらの記事、ぜひ読んでみてくださいね。面白いです。

「1冊の本だけ売る本屋さん」なんてのもあります。店主や編集者のおすすめ本を1冊だけ販売、1週間単位でラインナップを変更するそうです。

「そんなんで商売成り立つの?」と思うかもしれませんが、営業をはじめて3年毎年黒字だそう。

「1冊だけの本屋さん 森岡書店」を紹介したサイト

「縄ばしご専門店」というのもあるようです。

もともとは軍手やロープを売っているお店だったようですが、ホームセンターなどの出現で業績不振に。それがきっかけでいっそのこと縄ばしごに特化しようということになったようです。

縄ばしごをチョイスしたセンスもすごいですが、業績は上向いたそうです(水曜日のダウンタウンの情報だと)。しかもホームページを見ると結構メディアに取り上げられています。

→ 縄ばしご専門店のサイト

他にもいろいろな専門特化があるので見てみましょう。

  • 塩専門店
  • 白いTシャツ専門店
  • ミニカー専門店
  • 地球儀専門店
  • 万華鏡専門店
  • 左利き専門店

などなど、思いついたりネットで調べる限りでもいろいろな専門特化型のビジネスがこの世には存在します。

で、これらは「商材」を専門特化したケースです。同じように「商材特化」なのですが、

  • 喜多方ラーメン専門店

と言われるとどうでしょう?「とんこつ」とか「みそ」とかフレーバーではない表現だと、ただの商材特化とは違うイメージがつくから不思議ですね。

ちなみにまだまだありますよ。上記の「商材」を専門特化したパターン以外にも、

  • エリアを限定する・・・〇〇市専門の税理士(〇〇市の助成金や補助金にも精通)
  • 年齢を限定する・・・40代以上専門のネイルサロン(美魔女ネイル)

などなど、専門特化の切り口にはまだまだあります。

 

●「専門特化」するとなんで「選ばれやすくなる」のか?

ちなみにネットで「珍しい専門店」と検索するといくつかでてくるのですが、その中で

  • 大人の紅茶専門店

というものが出てきました。

これは専門特化なのでしょうか?少なくとも専門特化感をあまり感じない気がしませんか?「大人の紅茶」ってなんだよと思いますよね。何に専門特化しているかわかりません。

このように「専門特化」の悪い例、というものもありそうです。

そこで「専門特化」について「これ」で考えてみたいと思います。

  • メリコの法則

このメルマガでも何度となく登場する、師匠伊吹卓先生の考案したノウハウです。簡単に説明しますと、メリコの法則はあるものの頭文字からこのネーミングになっています。

  • メ:目立つこと
  • リ:理解できること
  • コ:好感が持てること

これは優れたデザインを考える上でフレームワークとしてとても便利なのですが、実はこれ、デザイン以外のことを考える上でも十分使えるフレームワークです。

まず「専門特化」を「メ(目立つ)」から考えてみましょう。

専門特化が目立つかどうかというと、確実に目立ちます。

「デザイン全部できます」
「ロゴの専門会社です」

この2つのメッセージで、聞いた相手により刺さるのはどちらか、想像に難くないと思います。専門特化しているほうが目立つことは間違いないです。

しかしながら、前述したようにカレーやラーメンなど、商材によっては商品で専門特化しても目立つということは難しいものもあります。

すると目立つためには

  • さらに細分化する
  • 商材以外の部分で目立つ

ということが必要になります。

「さらに細分化する」は、「パスタ専門」ではなく「ミートソースパスタ専門」や「うどん専門」ではなく「かき揚げうどん専門」など。

「商材以外の部分で目立つ」は水を出さないカレー屋さんや1冊の本屋さんのように、専門特化にからめてコンセプトや体験を売ることで目立つようにするなどです。

つづいて「専門特化」を「リ(理解できる)」から考えてみます。

「理解できる」は

  • わかりやすい
  • 〜〜っぽい、〜〜らしい

ということです。

簡単に言えば「専門特化」は「わかりやすいか」ということですが、これは言うまでもなくわかりやすいですね。

しかし、先ほどの「大人の紅茶専門店」のように聞いても「?」なものもあります。

わかりやすさこそ専門特化の最大の価値といっても過言ではないかもしれないのに、わかりづらいものやことを専門として打ち出してしまう。

たとえば「騒豆花(サオドウファ)」って知ってますか?台湾に詳しい方ならわかるかもしれませんが、台湾のスイーツのひとつのようです。数年前にこの専門店が日本初上陸しました。

この「騒豆花(サオドウファ)」で専門特化するのは、メリコの「リ」から考えて果たしてどうかというと、はっきりいって分かりづらいですよね。

それであれば「台湾スイーツ専門」のほうがうまくいくでしょう(もうすでにあるでしょうけど)。

最後の「コ(好感が持てる)」について。専門特化すると好感度は上がるのでしょうか?

答えは「YES」です。

「好感度」という言葉がこの場合ちょっとわかりづらいかもですが、専門特化における好感とは、品質に対する「信頼」です。

つまり、

「わざわざ専門特化しているから優れているだろう」
「専門特化しているくらいだから美味しいはずだ」
「専門特化しているからよそと違うんだ」
「専門特化しているということは自信があるはずだ」

というポジティブな印象を自然と感じてもらうことができるという意味において、メリコの「コ」は充分あるわけです。

さて、「メリコの法則」以外の側面でも専門特化のメリットを見てみましょう。2つあります。

  • ノウハウや実績が蓄積されやすい
  • オペレーションが組みやすい

まず、専門特化で「そればっかり」やっているわけですから、それ以外もやっている競合よりもはるかに実績がたまります。

我々はロゴマーク専門デザイン会社としてもう18年近くやっていますから、そこいらのデザイン会社よりもはるかにロゴに関するノウハウを有しています。超自信あります。

つづいて、専門特化していれば仕組みづくりがしやすいです。

これも我々の例で例えると、さまざまなデザインを扱っているよりもロゴに特化したほうが、新人のトレーニングも社内の仕組みづくりも簡素化できます。

製造過程やサービスプロセスが違う商品を10点扱っている会社と、1点しか扱っていない会社、どちらがシンプルな仕組みにできるかは明白ですね。

製造業であれば在庫が、飲食業であればフードロスが減るのも、この「オペレーションが組みやすい」に含みます。

「専門特化」の良い点ばかりお話してきましたが、最後に注意点があります。

「専門特化」は市場規模を限定します。「小さい市場」での勝負となる可能性が高いということです。

「専門特化しすぎて市場規模が小さすぎる」となると、そもそも商売として成立しません。前述の「縄ばしご専門店」とかも、実は「大丈夫かな?」と思ってしまったり。

なので、何でもかんでも専門特化すればいいわけではないのでご注意ください。

「市場規模が大きいのにまだ誰も専門特化していない商材」がもしあれば、宝くじを引き当てたのと同じかもしれませんね。

最後にちょっとした雑学を。

「専門」を「専問」と書き間違える方に(「門」か「問」かわからなくなる方に)、漢字の覚え方をひとつお伝えします。

「専門に口だすな」

と覚えるそうですよ。われわれのような専門家の言うことは聞くようにしましょう(なんてね笑)

 

今回はここまでです!

津久井

投稿者プロフィール

津久井 将信
津久井 将信
ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。

かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。

2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。

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