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9月に入りました。ビズアップは8月が決算。今月から新しい期に入ります。
この1年の業績はまあまあで、コ□ナの影響はビズアップに関してはほぼなかったと言えそうですが、もしもコ□ナ禍でなければもっと良かったかもしれませんので、それはなんとも言えません。
しかし、確実に経済的打撃を受けている業種業界はあるわけで、このあと1〜3年で日本の経済状況が前代未聞の落ち込みをする可能性もあります。今打つべき手はなんなのか。。。
さて、今週のコロコロニュースですが、まあ言いたいことはいっぱいあります。が、もうちょっと私自身もあきらめムードな感じになってきました。
ひとつだけいうならば、ワ◯チソの強制接種だけは絶対反対。打ちたい人だけ打てばいいという最後の砦だけは崩されたくない。。。
そんな思いで2つだけtwitterより紹介。
ロシアやプーチンさんはメディアの策略で「やべー国」「やべー奴」という印象操作が甚だしいですよね。本当にそうなんでしょうかね。1.2万件の「いいね」がついていますから、気づきはじめた人も多いかもしれません。
そしてこちらの動画。なんか落語みたいなやり取り。。。
さて、本日のお話。
以前から駅やネットなどで見かけた広告で、どうしても違和感を感じてしまうものがありました。こちらです。
本日はこの広告主の宣伝会議さんをちょっとディスっている感じになってしまうかもですが、「説得力」ということについてお話してみたいと思います。
●「説得力」の仕組み
「説得力」とはどこから生まれるのでしょうか?
その答えは「why」「so what」という言葉で表すことができます。日本語で説明するならば「why」は「なぜならば〜」、「so what」は「〜〜だから〜〜」となります。
ちょっと図解してみましょう。以下のようになります。
例を出してみましょう。
- 主張:Aさんは女性
- 理由:身体的に女性
ちょっと変な例えですが、これを文章とすると以下のようになります。
- Aさんは女性です。なぜならば(why)、身体的に女性だからです。
- Aさんは身体的に女性です。だから(so what)女性です。
となります。
たとえばAさんに胸があり、かつ男性器がないということを確認済みであれば、この主張は説得力が強いです。しかし、以下の例だとどうでしょうか。
- 主張:Aさんは女性
- 理由:長髪
文章にすると、
- Aさんは女性です。なぜならば(why)、髪が長いからです。
- Aさんは髪が長いです。だから(so what)女性です。
こうなってくると、「髪が長い男もおるやんけ!!」という反論が来ますよね。これは「why」や「so what」の結びつきが弱いということになり、説得力は弱くなります。
これはとてもわかりやすい例ですね。
ちなみにですが、議論で説得力を強くする際は、理由が3つ〜5つあると良いと言われます。図にするとこうなります。
例を挙げると、以下のような感じです。
- 主 張:Bさんはお金持ち
- 理由1:金融資産を〇〇円持っている
- 理由2:年収が〇〇円
- 理由3:仕事ができる
文章にすると、
- Bさんはお金持ちです。なぜならば(why)、金融資産を〇〇円持っていて、年収が〇〇円で、仕事ができるからです。
- Bさんは金融資産を〇〇円持っていて、年収が〇〇円で、仕事ができます。だから(so what)お金持ちです。
となります。
ポイントは、理由が3〜5つあると、ひとつを否定されたとしてもまだ残りの理由で主張を維持できる可能性があるという点です。
たとえば、理由3の「仕事ができる」だから「お金持ち」は否定しやすいポイントです。なぜならば、仕事をしていない人でお金持ちもいるからです。親の資産を引き継いで家賃収入などの不労所得でお金持ち、という人もいますからね。
それでも、理由1と理由2から考えると、Bさんがお金持ちだということは否定できない可能性が高いわけです。
少しまとめると、とにかく、強い主張は「why」、「so what」が強いということです。例えるなら、筋肉と筋肉をつなぐ腱のようなものです。
ちなみに「THE・支離滅裂」の例がこちら(笑)
●社長はなぜ腕組みをするのか?
さて、「説得力」というと「言葉」の話のように感じるかもしれません。しかし実はそうとは限りません。
「why」、「so what」が結びつけるのは言葉だけでなく画(え)もあります。パターンとしては以下の3つになります。
- 言葉と言葉
- 画(え)と画(え)/イメージとイメージ
- 言葉と画(え)
1の「言葉と言葉」は先ほど例で挙げたとおりです。
では2の「画(え)と画(え)」はどうでしょう?
たとえば一流企業の社長の写真を思い浮かべてください。腕組みしてませんか?もしくはあなたが社長であれば、腕組みした写真を撮ってませんか?
これは、多くの日本人の中で、「腕組みwhy社長(社長so what腕組み)」というイメージが強いから起こります。
ただ、これは実は日本人特有のイメージというウワサもあります。
社長の腕組みは絶対NG! 企業ブランドにふさわしい経営者のポートレートとは
いずれにせよ、日本人の中では「社長」と「腕組み」は強く結び付けられています。
他にも「専門家(why)本棚バック」などもあります。「専門家」と「本棚」は結びつきが強いため、テレビでは「専門家感」を演出するために「本棚バック」でのインタビューが多用されます。ブランディングの一種です。「お医者さん(why)白衣」も同様です。
他にも、たとえば色には「商品色」がある、というのが私の師匠の伊吹卓先生の理論です。その商品のイメージに合った色をパッケージに使わないと売れない、という考えです。
「バター(so what)黄色」とか「オレンジジュース(so what)オレンジ」とかです。一見あたりまえのようですが、これはカンタンな例です。「激辛カレー(so what)黒と赤」などもあります。
ちなみに伊吹先生は、グリコのカレーは色使いが下手だ、と言っていました。甘口、中辛、辛口にそれぞれ説得力の低い色を使っていたためです。
「画(え)と画(え)/イメージとイメージ」は無意識に影響を与えることが多いです。なので、商品特性を考えずパッケージデザインだけ見たら成立しているような商品でも、色と商品の「why」「so what」に違和感を感じられてしまうと売れない、ということがよく起こります。
●写真でひと言
それでは、「言葉と画(え)」のパターンを見てみましょう。このメルマガでも「言葉と画(え)」の重要性をたくさん訴えてきました。
「言葉と画(え)」のパターンを考えるときは、とってもわかりやすい例があります。テレビ番組「IPPONグランプリ」や、WEBメディアの「BOKETE」などにある「写真で一言」がそれです。
たとえば、以下の写真に「ひと言」をつけるとしたらどうなりそうでしょう?
写真でひと言を素人が投稿できるメディア「BOKETE」からの回答だと、こんなのがありました。
これ、UNOをやったことがある人なら、めっちゃわかりますよね。「画(え)so what言葉」の結びつきがものすごい強い(言葉と画(え)の説得力が強い)から面白いわけです。
この写真はIPPONグランプリの写真でひと言でもお題になっていました。その際のドランクドラゴンの塚地さんの回答がこちら。
これも面白いです。最高に好きです。
見てきたように、「言葉と言葉」の結びつきの場合はどちらかというと論理的、ロジック的ですが、「画(え)と画(え)/イメージとイメージ」や「言葉と画(え)」の場合は、「感じてしまう」という感覚的な部分が優先されがちです。
さて、では私が違和感を感じたという冒頭の宣伝会議さんの広告を改めて見てみましょう(「腕組み」の記事で宣伝会議さんのメディアから引用させていただいておいて恐縮ですが、今からディスります)。
これ、「この写真だから(so what)このコピー」という結びつきが非常に弱くないですか?なぜこの写真=画(え)をこのコピーと合わせたのでしょう?
もはやこれは「写真でひと言」のネタフリなのではないかと思ってしまうほどです。私だったらこんな言葉がこの写真から連想されます。
どうでしょう。まだこちらのほうが言葉と画(え)の「why」「so what」に納得感がないですか?(笑)
宣伝会議さんのコピーライター養成講座はこのパターンの広告をここ数年使っているようですが、どうもいつも言葉と画(え)の違和感が強いんですよね。他にも以下のような感じでしょうか。。。左が宣伝会議さんのコピー、右が私が考えたコピー(?)です。
すんません、宣伝会議さん。悪気はありません(笑)。
では、「ズバッと、コピーで風穴を。」のコピーはどんな画(え)だったら合うのか?まあカンタンに思いつくところでは以下のようなものではないでしょうか。
どうでしょう。私が5分くらいでチャチャッとつくったラフ画です。こちらのほうが言葉と画(え)の結びつきが強くないですか?
なんだろう?宣伝会議さん考えすぎたのかな?とはいえ、もしもコピーライター養成講座の集客が上手くいったのなら、宣伝会議さんの考えが正解ではありますが。。。まあ、それでも宣伝会議さんのブランド力からいったら集客できていたとしても広告のおかげかは疑問ですね。
というわけで、ちょっと抽象的な話を面白おかしくお伝えしてみました。もっと良い「写真でひと言」が思いつかなかったかだけが心残りです(笑)。
今回はここまでです!
津久井
投稿者プロフィール
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ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。
かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。
2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。
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