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2020年06月12日 デザイン メールマガジン 法則・ノウハウ 【第531回】メリコの法則って何?という方へ

こんにちは。

ロゴ作成専門ビズアップ 津久井です!
https://www.biz-up.biz

 

出張中でございます。現在は神戸におります。

月曜日の夕方から移動を開始し、和歌山→高知→神戸→岐阜→愛知に。日曜日までつづきます。

神戸の三宮は人出が多く、コロナ前と遜色ないと個人的には感じるほどです。では新規感染者数はどうなのか?ネットで調べた限りだと兵庫県は5月18日から新規感染者は出ていないようですね。

東京もほとんどの新規感染者が夜の街か院内感染だそうです。そして感染ったとしても日本の場合は致死率が相当低い。1,000人にも満たない死者数の病気で、子どもたちは学校を休まされ、勉強や習い事、友だちと遊ぶ時間を奪われ、経済は止まり、これから倒産と自殺が増える。私たちは2ヶ月もの間、いったい何をしていたのでしょうか?

そして死者1,000人にも満たない病気のワクチンを強制接種させるとか、いったいどういう了見なのでしょうか?世の中には本当に悪いやつがいるものですね。あの「ウィンドウズおじさん」とか、インドやアフリカでワクチンを使ってたくさんの人を実験台にして殺しているみたいです。ウワサではインド政府から訴えられているとか?

とまあ、私の大好きな都市伝説ネタを調べていくと、一国の総理大臣が代わったくらいではどうにもならないようなことばかりが出てきて、阿藤快ばりに「なんだかな~」という感じでやる気が削がれてしまいますが、私たちにできることは目の前の家族、社員、お客さまを幸せにすることなんでしょう。おそらくそれにフォーカスすることが自分も幸せになる道なんだと思ってがんばるしかないですね。

さて、本日はひとつ告知をさせてください。

ラジオのパーソナリティになりたい方を募集します。「レインボータウンFM」という東京で4番目に大きいラジオ局(1番はFM東京)での番組。現在、そこに参加しているラジオ制作チーム(私たちもそこに属している)で、パーソナリティをやりたい方を募集しています。

まずはオーディションがあるのですが、思っている以上に気軽な感じでラジオパーソナリティになることができますゆえ、何か新しいことにチャレンジしたいという方は応募してみていただくと良いかもしれません。

応募は こちらのフォーム から可能です。「Aスタイル(ラジオのオーディション)に参加したい」を選択し、メッセージ欄に「ビズアップの紹介」と書いていただくと話が早いと思います。ビズアップの紹介ですでに何人ものお客さまがラジオにレギュラー出演しています。

というわけで前置きはこのくらいにして本日のお話。

先週、先々週とデザインのお話をしました。メーカーさんに断りもなく、勝手に商品パッケージデザインにイチャモンをつけるという企画でした(笑)。その中で出てきた、

★メリコの法則

これはデザインを評価する上で基準となる法則ですが、今日はこれを少し詳しく解説してみたいと思います。過去にも特集したことがありますが、読まれていない方も大勢いらっしゃると思いますので。

・ロゴ
・パンフレット
・名刺
・封筒
・ホームページ

デザイン制作物にはさまざまなものがあります。

これらの制作物をつくる上で必ずと言っていいほど出てくる悩みが、

「(複数案ある中で)どのデザインを選べばよいかわからない!」
「(複数案ある中で)メンバー間で意見が割れる!」
「どのように修正を入れたらよいかイメージが湧かない」

などなどに陥ってしまうということです。そして頭がぐるぐるしてイヤになって「一旦ストップ!」みたいなことになったりします。楽しいはずのデザイン選定が「ストレスを感じる」状態になってしまう。

では、なぜこんな状況になってしまうのでしょうか?

答えはカンタンです。

★考える足がかりがないから

です。

人は基準がないもの、比較対象がないものなどについて良し悪しを判断したり考えを巡らせることが実はとても苦手です。

たとえば、〇〇というサービスの新しい事業の戦略を考えよ、といったバクっとした命題があった時、人は思考したり判断することが難しくなります。

そこで、あらかじめ考えるためのテンプレートとして、

・3C
・SWAT分析
・マーケティング4P

などなどが生まれました。これらを「フレームワーク」と言います。

たとえば上記の「3C」というフレームワークは

・Customer(顧客)
・Competitor(競合)
・Company(自社)

の頭文字をとったもので、戦略をこの3つから考えると誰しもがみんな急に考えやすくなる、というシロモノです。顧客、競合他社、自社(の強み)という考えるための足がかりができますから、質問が明確になって考えやすくなるんですね。

デザインについても同じで、良し悪しを判断するための基準がないと何をどう考えたらよいかわからず、先に進めない状況に陥ります。それを解決するためのフレームワークが「メリコの法則」というわけです。

・ひとりで考えていて「本当にこれでいいのか」と不安になる
・数人で検討していてなかなか意見がまとまらない
・社長や上司の選んだデザインが「やめたほうがいい!」というものでもなぜやめたほうが良いのかの理由を明確に説明できない

こんな状況になってしまったら、感覚だけで話し合うことをやめてメリコの法則という「考える足がかり」を使うと解決しやすくなります。

この「メリコの法則」は、私のデザインの師匠である伊吹卓氏の提唱したものです。伊吹先生はアサヒビールのスーパードライのパッケージデザインをコンサルされた方です。

先生は、デザインのノウハウだけでなく商品開発や人材教育についてなど、徹底して現場を見る、自分で調べる、聞いたことを試してみる、というスタンスでさまざまなノウハウを産み出してきました。著書も100冊くらいあります。

先生はよく、

「売れるパッケージデザインが知りたければスーパーに行って売り場に立っていろ!」

と言っていました。

私もよくスーパーに2~3時間立ってました。しかも仕事中に。。。そして当時の会社の社長に怒られました。伊吹先生のコンサルを導入したのはその社長なのに(笑)

ご高齢のため残念ながらすでに引退されましたが、それまでは中堅企業から名前を聞けば誰でも知っているような大手企業まで、商品開発やデザインのコンサルをされてました。

そんな伊吹先生が考えたのが「メリコの法則」。ひとつずつ説明していきます。

●メリコの法則の「メ」は「目立つこと」

デザインはその存在を知らせなければ意味がありません。

・駅の広告
・スーパーの売り場
・商店街の看板
・郵便ポストの中のたくさんのDM
・インターネット広告やホームページ
・たくさんのパンフレットや名刺
・雑誌広告
・求人募集
・向かいのホーム
・路地裏の窓
・明け方の街
・旅先の店
・新聞の隅

これらの中でより目立つこと、その存在を知らせることが重要になります(最後のほうは山崎まさよしの歌 笑)。目立たないデザインは、それだけで役割を果たしていないと言えるのです。

いくつかのデザイン候補があった場合、より目立つ案はどれなのか、という視点を持ちましょう。

看板であれば、

・ライバルより目立っているか
・風景に馴染みすぎていないか

スーパーに並ぶ商品であれば

・競合他社の製品よりも目立つパッケージになっているか

ホームページであれば

・競合のHPよりも印象にのこるか、またHPに戻ってきてもらえるか(※ネットでは「比較」が常です)

などの視点で検討してください。

ただし、注意も必要です。

「出る杭は・・・」とはよく言ったもので、目立ちすぎると嫌われる可能性もあります。これを「悪目立ち」といいます。嫌われてでも目立つか、なるべく多くの人に嫌われずに程よく目立つか、この部分は大きな話をするとその企業の戦略に関わってきます。

10人中9人に嫌われても1人に溺愛されることを戦略として狙うのであれば、悪目立ちでもいいのでとにかく目立つことを意識されるといいと思います。その場合は、高額商品を販売することが絶対条件となりますが。。。

また、使用シーンによっては好感(後述)よりも目立つことを優先させる必要も出てきます。


●メリコの法則の「リ」は「理解できること」

・その商品がどんな商品なのか
・そのサービスがどんなサービスなのか
・そのお店が何屋さんなのか

これらがデザインにより理解できることが重要です。

この「リ」は、先週、先々週とお話した「勝手にパッケージデザイン診断」でもかなりの重要度でお伝えしました。

「リ」は大きく2種類に分かれると私は考えています。

1.概念的な理解
2.印象的な理解

ちょっと言葉がわかりづらいかもですが、かんたんに言えば1は単純にわかりやすいか、です。広告のデザインであれば、ゴチャゴチャしたデザインであったり文章が分かりづらかったりすれば「理解」が損なわれ、伝わりづらくなるのは想像がつくかと思います。

2は「~~っぽい」「~~らしい」という言葉で置き換えられます。

例えば、

「オレンジジュースっぽいパッケージ」
「エステっぽいパンフレット」
「焼肉屋さんっぽい店構え」

などなど、「直感的に何かわかってもらえる」ということが重要になります。

直感的にわかってもらうために、デザインでは主に2つ

・具体的なモチーフを使う
・それを表している色を使う

という手法があります。

オレンジをモチーフにデザインしたり、オレンジ色を使ってデザインする、またはその両方をするとオレンジジュースらしくなります(話をわかりやすくするために超単純化しています)。

当たり前といえば当たり前ですが、これは本当に重要なんです。もしもオレンジ色を使ってりんごジュースのパッケージデザインをしたら、おそらく売れないです。直感的に理解できないものに対して人間は自己防衛機能が働き「敬遠」します。

「いやいや、オレンジ色を使ってりんごジュースのパッケージはつくらんやろ」

と思うかもしれません。たしかにそうです。この話はものすごく単純化していますので。でも、本質的には同じミスを気づかないうちにしているということは往々にしてあります。

先週のメルマガで「飲むお酢」についてパッケージデザイン診断をしましたが、「醤油に見える」「出汁に見える」「飲めない普通のお酢に見える」という評価を得てしまうパッケージがいくつもあったことがそれを物語っています。

特に最近では、デザイナーもデザインを依頼する人もかわったことをやりたがり、王道を無視して奇をてらってしまうことが散見されます。それにより「リ」が損なわれ売れなくなってしまう、というケースは思った以上にあると考えます。

パッケージデザインを例に挙げているだけで、パッケージデザインに限った話ではありません。建設業なのにホームページのデザインが「それっぽく」なければ、求人募集をかけたときの効果は落ちます。御社のビジネスがパッケージデザインを必要とする商売じゃないとしても、デザインはさまざまなところで出てきます。

余談ですがそういう意味ではデザインと同じかそれ以上に大事なのがネーミング。

特に導入期の製品(まだ市場に認知されていないジャンルの製品)はネーミングでイッパツでどんな商品かを理解させることが成功のポイントのひとつになります。これは前述の「1.概念的な理解」に当たります。

たとえば、小林製薬さんは

・トイレその後に
・熱さまシート
・なめらかかと
・ナイシトール

など、一見ダジャレめいていて苦笑いといったものもありますが、聞けばほぼどんな特徴、メリットのある商品かわかります。「リ」のポイントを押さえているわけです。

●メリコの法則の「コ」は「好感が持てること」

「メリコ」の中で一番重要だと言われているのがこの「好感が持てること」です(ただ、私は実は「リ」が一番重要だと思っています)。

好感が持てるかどうか、これも当たり前といえばという話ではありますが、問題はどうやって「好感度」をはかるか、です。

アメリカに、レイモンド・ローイという有名なデザイナーがいました(1986年没)。ローイは、よく知られているところだと

・シェル石油のロゴマーク(貝のロゴ)
・不二家のロゴマーク
・タバコのピースやラッキーストライクのパッケージ
・ナビスコリッツのパッケージ
※どれもいまだにマイナーチェンジのみ

などを手がけた人で、彼がデザインをすれば売れないものはないと言われたくらいのものすごいデザイナーです。当時の彼のデザイン料金は1億円以上と言われています。女性の方はよくわかると思いますが、口紅やリップクリームのひねると出てくるあの構造をつくった人でもあります。

実は、伊吹先生は、ローイの最後の弟子でした。伊吹先生自身はデザインはしませんが、「売れるデザインはどういうデザインか?」を追求していた伊吹先生がたどり着いたのがローイだったのです。

そして伊吹先生いわく、

「ローイは『好感が持てるかどうか』を最重要視していた」

とのことです。

彼の使った手法は、たくさんのデザイン案の中から好きなものを選ぶのではなく、嫌いなデザインを排除していく方法。製品やサービスのターゲットに対し、複数あるデザイン案を見せて、「嫌いなものをすべて排除してください」とお願いしました。

「全部嫌い」と言われれば、すべて捨てて新しいデザインをつくったのでした。

先週のメルマガをお読みの方はわかると思いますが、私が「飲むお酢」で社員にアンケートを取った手法はこれです。

これを伊吹先生はローイ本人から学び(というか目で盗み)、日本に持ち帰り、何年か後に「不美人(ブス)コンテスト」と名付けました。

このネーミングは天から降ってきたようだったと、伊吹先生は語っています。奇しくも、伊吹先生がこの手法にネーミングをつけたその日に、ローイはこの世を去りました。ちょうど伊吹先生がネーミングを思いつき、ローイに日本から電話をしようとしたときに、ローイの娘さんから伊吹先生に連絡が来たそうです。

ちょっと話が脱線しましたが、それにしても、なんで嫌いなものを排除するのでしょうか?

過去のメルマガでも書いた「爬虫類脳」「哺乳類脳」といった話を覚えていらっしゃるかもしれませんが、伊吹先生いわく「脳の構造上、人間は嫌いなものに1万倍敏感である」とのこと。1万倍は大げさだとしても、プロスペクト理論と呼ばれる理論などこれを裏付けるものはたくさんあります。

この脳の機能があるため、「嫌いなものを排除する」という方法のほうが確度が高いというわけです。「好き」の反対は「嫌い」だと思われがちですが、実は人は「嫌いか嫌いじゃないか」の判断をしてから「好きか好きじゃないか」の判断をしています。

ただしこの「不美人(ブス)コンテスト」は「大勢の人に受け入れられるデザインを判断する」という意味合いのほうが強く、「一部の人に強烈に好かれる」という観点では少し弱いところもあります。

さて、この「メリコの法則」を使うのはぜんぜん難しくありません。ただ漫然と

「どのデザインにしようか」
「このデザインでいいんだろうか」

と考えるよりも、「メリコ」という考えのフレームをもって検討したほうがスムーズにデザインを決められます。

「これは目立つだろうか?」
「これは理解しやすいだろうか?」
「これは好感が持たれるだろうか?」
「『メ・リ・コ』の中で優先順位をつけるとしたら?」

という質問を、自分や周りの人、できればターゲットに対して行うだけで効果的にデザインを決定することができますので、ぜひ試してみてください。

ここで1点注意が必要です。

メリコの法則よりも前に必ず明確にしておかなければならないことが2つあります。

ひとつは、

・ターゲットは誰か?

です。

万人に好かれるデザインというのはほとんどありません。デザイン的に人気の高いAppleの製品(MacやiPhone)ですらそうです。

「自分たちの価値は誰に喜ばれるのか」
「自分たちは誰にとっての価値を提供できるのか」

これをしっかり考えることが必要です。

ふたつめは

・そのデザイン(ツール)のミッションは何か?

です。

ツールのミッションを明確にしていないと「メリコ」の中でもどれを最優先にすべきかがブレてしまいます。

「どんな使用シーンで」
「何を目的に」

そのツールを使用するのか。

たとえばポスティングのチラシなどであれば場合によっては「好感」よりも「目立つこと」が優先されるケースが多々あります。そうでないとそのデザインに好感を持つかどうかの前にゴミ箱に直行です。導入期の商品などであればそのパッケージや商品そのものがどんなに好感の持たれるデザインでも、そもそもそれが何か「理解」できないと購入には至りませんから、メリコの「リ」がとても大切になってきます。

まとめると、

・ターゲットを明確にする(誰にとっての価値なのか?)
・デザイン(ツール)ミッションを明確にする(どんな使用方法で何を目的とするのか?)
・メリコの法則でデザインを評価する

ということになります。

どんな理論、ノウハウでもやはり商売の場合はお客さま(ターゲット)を起点に考えなければいけないということですね。


今回はここまでです!


津久井

投稿者プロフィール

津久井 将信
津久井 将信
ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。

かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。

2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。

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