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2020年05月08日 メールマガジン 所感 法則・ノウハウ 【第526回】きちんと疑うということ

こんにちは。

ロゴ作成専門ビズアップ 津久井です!
https://www.biz-up.biz


緊急事態宣言、延長されてしまいましたね。

とても残念でなりません。

とはいえ自粛の延長に「よかった」と安堵する人もおそらく大勢いることと思います。

ただ、以前からお伝えしていますがこのままではこれから大変なことになります。

「未来記憶」というものがあります。

それは、簡単にいえば

・これをやったらどうなるか
・このままいったらどうなるか

を予測する力のようなものです。

この力は仕事はもちろんのこと生活力という意味でもとても重要な力だと私は考えています。

「未来記憶=予測する力」を測るには私は2つの尺度があると思っています。

ひとつは、「その予測がどのくらい当たるか」です。これはイメージしやすいですよね。予測しても当たらなければ意味がない。当たれば当たるほどその予測は意味があり「使える」予測になります。

もうひとつの尺度、これはなんだと思いますか?

それは

「どのくらい先を予測できるか」

です。

将棋や囲碁でいえば「何手先まで読めるか」ということになります。

仕事でいえばその仕事の未来をどのくらいの確度で予測できるか、もさることながら、どのくらい先まで予測できるか、もとても重要になってくるということです。

予測率が高くても1分後や1手先の状況しか予測できない能力では使えません。

つまり、「短期的な予測しかできない人」は「仕事ができない人」と言い換えてもいいと私は考えています(ちょっと厳しいけど)。

自粛延長が本当によかったと考えている人々は、私から言わせると未来記憶の能力が低く短期的な予測しかできず将来苦労すると思います。

というかこの先の経済がヤバくなって自分の生活も脅かされるということは未来記憶もなにも将棋で言ったら2手先くらいのレベルですが(汗)

さてさて、今日はおそらく未来記憶を強くすることにも役に立てていただけそうなお話をしたいなと。

ちなみに昨日ですが、テレビ朝日の番組に意見をしたあるFacebookの投稿が、

・いいね 14,000件以上
・シェア 13,000件以上

されている(今現在も伸びている)ことをご存知でしょうか?

その投稿とはヨーロッパでコロナウィルスの現場対応をされていた 渋谷医師のFacebookの投稿 です。

渋谷医師は自分のインタビュー内容が自分の意見とは正反対の印象を与えるような編集を施され放送されたと訴えています。

つまり、テレビ朝日が印象操作をしたということです。

これはとてもとても重要な問題だと個人的には考えています。なぜなら多くの人が「テレビは正しい、テレビの報道内容は正しい」と思っているからです。

今日は「隠れた前提を疑え」というお話をしたいと思います。これは「クリティカル・シンキング」と呼ばれるものの一部です。



今から10年前、2010年の春先に、私はあるマーケティング講師の勧めでグロービス・マネジメント・スクールのクリティカル・シンキングの講座を学びにいきました。

この講座は2週間に一度の講義でしたが予習復習に6時間かけなさいというまあまあスパルタな講座でして(この講座のみならずグロービス・マネジメント・スクールの講座がほぼそうらしいです)、中でも私が選んだ先生はそのふわふわとした見かけとは裏腹に「ぼくのクラスの子たちは予習復習20時間ね」というドSぶりでした(笑)。

しかしながらこの授業はものすごーく役に立ちました。クラスは35人くらいで構成されていましたが、多くの人が一流企業から来ていました。社会人になってもこういう質の高い教育を推奨する大企業。たしかに中小企業との差は開くばかりなのかもとも感じました。

そんな「クリティカル・シンキング」の授業で初日にやった例題がいまだに忘れられません。

「新入社員のあの若い女の子には、若い柔軟な発想を活かしてあの企画をやってもらう」

たしかこんな文章だったと思いますが、この文章で間違えている可能性があるところはどこかわかりますか?(国語の文法の問題ではないです、念のため)

さて、私がグロービス・マネジメント・スクールで真っ先に習ったこと、それは「隠れた前提を疑え」です。

この例文の隠れた前提はどこにあるかというと、「若い女の子」=「若い柔軟な発想」です(つまりここが間違えている可能性があるところです)。若いからといって柔軟な発想の持ち主とは限りません。これが「隠れた前提」というやつです。ちなみにこの例文を「問題」としてではなく普通の会話の中で聞いたとしたら、何の違和感も感じない人はかなり多くいるのではないでしょうか。

こういった「隠れた前提」はいろいろなところにはびこっています。

たとえばですが私たちの業界であるデザイン業界でいえば、多くの人が感じているであろう「デザイナーはクリエイティブな人だ」というのは「隠れた前提」です。

クリエイティブの定義次第になってはしまいますが、クリエイティブを「人とは違う変わった発想ができる」と定義しているとしたら(ここにも隠れた前提が潜んでいますね)、デザイナーすべてがそうとは限りません。

デザイナーの中には人と違った発想というよりも単純に絵が得意だという人も大勢います。そういうデザイナーに変わったアイデアの仕事を求めるとお互いに不幸になります。前提が違う同士ですから一向にクライアントの望むデザインには仕上がらないでしょう。途中で揉めたりケンカになったりする場合もあります。でも当たり前ですよね、はじめから前提が違うのを誤解しあったまま仕事を進めているわけですから。

ビズアップの仕事の肝はここにあるといっても良いです。お客さまとデザイナーの誤解をとき前提を合わせる、これが我々独自のディレクター制度というわけです。

さて、このような隠れた前提というのは他にもたくさんあります。経営者だったら言われたくないのが「ブラック企業」です。なぜ言われたくないのかといえば「経営者=ブラック企業の主」「経営者=社員を苦しめる」「経営者=自分だけ良ければ良い」という「隠れた前提」に侵されたまま議論を挑んでくる人が一定の割合でいるからです。

しかしここで考えてみてほしいですよね。経営者だったら一度くらいはイヤな経験があるかもしれませんが、じゃあ「モンスター社員」はどうなっとんじゃいと。経営者ばかりが悪く言われる中でモンスター社員だって存在しとろうが!と声を張り上げたくなってしまいます(汗)

これは私の持論ですが、経営者だからブラックだとか社員だからモンスターだというのはとっても的はずれで、「モンスター的な人」というのがこの世には確実にいると考えています。そういう人が経営者になればブラック企業をつくるし、社員だったらモンスター社員に、お客さんだったら超絶クレーマーになるというだけのことだと考えています。

これは隠れた前提を疑う上で重要な因果関係の話です。「AだからBだ」というのは本当なのか?本当に「Bの原因はA」なのか。場合によっては「第3因子C」があるために「A」と「B」が発動しているという可能性があります(ちょっと小難しいと思いますが瞳を閉じないでください!笑)。

たとえば以前「学力と朝ごはんの関係を調べたところ、朝ごはんをきちんと食べる家庭の子は学力が高かった」というCMが流れていました。「だから朝ごはん食べよう」的な。。。朝ごはんを食べることに関しては全く否定する気はありません。コロナで自粛(学校休み)がはじまったことによってヨメが朝まったく起きてこないために朝ごはんが食べられていない私ですが、通常生活時は毎朝ごはんを食べていましたから、個人的には食べたほうが良いとすら思っています。

しかし「学力との因果関係」となると怪しい。たとえばこういうケースもあります。朝ごはんをきちんとお母さんがつくってくれる家庭は子どもの教育も行き届いていたり子どものメンタルが安定しているため、学力も良くなる」。もしそうであるならば、学力が高い本当の原因は「家庭の姿勢」または「子どものメンタル」となり「朝ごはん」ではありません。

この場合でいえば、「家庭の姿勢」または「子どものメンタル」は「第3因子」となり「学力」と因果関係があるということになります。そして「朝ごはん」は「学力」と相関係数がある(原因ではないが関係はしている)ということになります。

ちょっと小難しい話でしたが「隠れた前提を疑う力」というのはとても重要なスキルだと私は思います。

コロナ関連でいろいろ調べていて私も「隠れた前提に侵されていたな」と思ったことですが、たとえばテロってある国(主に貧困国)からその敵国(主に先進国)に向かって起こすものだと思ってませんでしたか?「国」というのは隠れた前提だとしたら?とか。他にも「日本銀行って日本(政府)の持ちもの」が隠れた前提だとしたら?とか。。。

まあここからは都市伝説の話、信じるか信じないかはあなた次第なのでこれ以上は掘り下げません(笑)いずれにしても隠れた前提を使うのは情報操作の常套手段のひとつだと私は考えています。


では今回のコロナ騒動における隠れた前提のお話をしてみましょう(結局コロナの話か 笑)。

こんな Twitterの投稿 を見て私はちょっと悲しくなりました。

ゴールデンウィーク(自粛期間中)に積丹(北海道)に来てキャンプや釣りをした人がゴミをそのままにして帰った、というツイートです。ひどいですね。私はこの投稿の「ひどい人」には2種類いると思います。

1.ゴミを捨てて帰った人間
2.自粛していない人を悪だと決めつけたコメントをしている人間

1はそのままです。自分たちが遊んで出たゴミはきちんと片付けて帰るべきです。そんなのは当たり前です。地元の人が怒るのも無理はありません。

問題なのは2です。

「この時期に自粛をしていない人間は、ゴミを平気で捨てて帰るような民度の低い人間だ」

という何の因果関係もない「隠れた前提」に気づかずに(または気づいているにも関わらずそれを利用して)自粛していない人を非難しています。自粛していない人でもきちんとゴミを片付ける礼儀を持った人は大勢いるにも関わらず、です。そしてタチが悪いのがそれにまんまとひっかかり同調する人も大勢いることです。「経営者は社員の敵だ」「経営者はブラックな要素を持っている人間だ」とひとくくりにするのとまったく同じ構図です。中国の人や韓国の人をひとくくりにしてヘイトしているのもまったく同じです。中国の人の中にも韓国の人の中にも良い人と悪い人がいる、もちろん日本人にも。ただそれだけのことです。国は関係ない。

こういった感情を大きく揺さぶろうとする意図が見え隠れする言葉は「隠れた前提」がないかをしっかり疑ったっほうがいいです。感情的になってはいけません。

さて、他にも「隠れた前提」があります。しかもこれはコロナはもしかしたら関係ないかもしれません。コロナによって浮き彫りになっただけかもしれません。その「隠れた前提」とは、

・テレビ(の内容)は正しい
・政府や行政は正しい

です。

「政府や行政は正しい」が実は間違っているなんて書くと左寄りの人間だと思われてしまうかもですが、私は中道だということだけはお伝えしておきます。「間違えている」っていったって、国民を騙しているケースもあれば本当に間違っちゃったケースもあるでしょう。仮に騙しているとしても自民党は騙すけど民主党は騙さないなんていうことはこれっぽっちも思っておりません。なんなら政治家はみんなきっと騙すくらいに考えてます(笑)。

大切なのは「政府や行政が間違っているとしたら自分は自分の責任で何を調べ、どう考えて行動すべきか?」ということであり、政府や行政や特定の政党を非難することではありませんね。そんなことしても批判する力はつくかもしれませんが未来記憶をはじめとしたサバイブする力はちっとも身につきませんし。

「テレビ(の内容)は正しい」はSNSが発達してから多くの人が疑問に持ちはじめていたことではありますが、冒頭の渋谷医師の件でますます疑問を強めたり確信を持った人も増えるでしょう。しかしSNSですからね。うちの両親世代は今でもテレビは残念ながら神器に等しいです(泣)。

なお「テレビ朝日だからおかしい」も個人的には間違っていると考えています。どこも同じです。「NHKは国営放送だから大丈夫!」も「隠れた前提」に惑わされています。ちなみに私たちがNHKの番組に出たときは、その編集内容に愕然としました。それをNHK出演歴のある先輩経営者に話したら「え?うちもそうだったけどNHKは編集に関しては特に悪名高い、有名だよ」と言われてしまい、このときの自分はどれだけ「NHKだから」という「隠れた前提」にやられていたかと感じたほどです。

もしも日本を動かしているのが政権与党の自民党だとか内閣総理大臣の安倍さんだとかが「隠れた前提」に惑わされている、つまり事実ではないと仮定してみましょう(あくまで仮定ですよ笑)。するとあら不思議。アベノマスクのこととかがまったく腹立たしくなくなってきます。だって安倍さんの意志ではないし、もしそうなら安倍さんが変わっても日本は変わらないのだから。安倍さんに腹を立てても虚しいだけ。。。

WHOなんかもそうですよね。国際機関でアルファベット3文字なのでちゃんとした機関だと「隠れた前提」から感じてしまいますが、「あれ?本当かな?」と一度立ち止まってみてもいいかもしれません。トランプさんがWHOへの拠出金を止めましたが、なぜトランプさんはいつもあんな意地悪そうに、または問題児っぽく報道されるのでしょうか?もし「テレビ(の内容)は正しい」が事実ではないとすると、テレビはどんな意図があってトランプさんの印象を悪くしているのでしょう?どんな可能性が考えられますかね?あくまで可能性の話ですが、未来記憶を訓練するにはとても有効です。

「テレビ(の内容)は正しい」が事実ではないとすると、「テレビで良い人」は本当は悪い人、「テレビで悪い人」は本当は良い人、という可能性も出てきますね(もちろんこんな単純ではないですが)。

さて、いつにもまして政治的な単語や文章が多いメルマガになっていますが、何度も言いますが私自身は政治的宗教的に偏りはありませんし、自分の境遇を政治のせいにしたくもありません。自分や家族、会社や従業員を守っていくために必要な情報を正しく解釈するスキルを身につけるべきだと考えているだけです。

もっというと選挙には行きますが政治にはポジティブな意味であまり期待していません。

最後に「クリティカル・シンキング」のポイントは「答えを急がない」だと私はグロービス・マネジメント・スクールで教わりました。たしかに答えを急いでいる場合「隠れた前提」による答えありきで結論を出してしまいがちです。「答えありき」では議論も思考もしていることにはなりません。なぜならその答えにするために必要な情報だけを集めてしまうからです。

「本当にそれが答えなのか?」を見直す過程こそクリティカル・シンキングであり、仕事にも生活にも活かせる未来記憶を強くする訓練になると私は思います。

今回はここまでです!


津久井

投稿者プロフィール

津久井 将信
津久井 将信
ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。

かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。

2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。

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