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こんにちは。
ロゴ作成専門ビズアップ 津久井です!
https://www.biz-up.biz
1月も最終日です。
早いもので今年も残すところあと11ヶ月。
このままではあっという間に死にます。
急がねば!!!
ビズアップは今いろいろとてんてこ舞いで、
そしてここから繁忙期に入りますので
エライことになりそうな予感ですが、
次のスステージに向かうために
ひとつひとつ正確に、そして迅速に
こなしていくしかないと考えています。
今朝、
健康のために会社まで30分かけて
通勤していたときのことです。
弊社でつくらせていただいた
お客さまのロゴが入ったトラックを発見。
うれしいです。
たまにあるんですよね。
街なかをあるいているとお客さまの
ロゴ入り社用車が通りがかったり、
お客さまのロゴ入り看板を見つけたり。
街中がビズアップで
つくらせていただいたロゴだらけになる、
ワタクシの密かな野望でございます(笑)
さて、
本日は小難しい話を長めにお届けするので
前置きはこのくらいで。
相変わらず長くてすみません。。。
●
最近思うことというか、
ビズアップも気をつけないと
いけないと思うことがあります。
それは「陳腐化」です。
かんたんにいえば
「古くなる」ということです。
ビジネスで「古くなる」というと、
どんなことを連想されますか?
たとえば
スマホの時代になった今では
ガラケーは陳腐化しています。
好んで使う人ももちろんいますが、
多くの人がスマホに切り替えています。
スマホの登場で市場が陳腐化したのが
「コンパクトデジカメ」です。
スマホのカメラの性能が
格段に良くなったことで
コンパクトデジカメを買う必要が
ないと考える人が増えました。
そのさらに前ではインスタントカメラが
デジカメの登場で陳腐化しました。
さらにさらにその前には
インスタントカメラの登場で
家庭用フィルムカメラは陳腐化しました。
今では
「アナログカメラ」「フィルムカメラ」が
デジタル化の影響で完全に陳腐化しています。
余談ですが
富士フィルムという会社は
不思議な会社ですね。
今では
コンシューマー向けのフィルムは
ほとんど売っていませんが、
それでも
技術を生かした事業転換で今でも大企業です。
社名を変える日も近い気がします
(その際はぜひロゴも!笑)。
話を戻しますが、
このように昔は当たり前のように
買っていた、売れていたが
今ではなくなってしまった、
なくなりかけている、
というものがたくさんあります。
「何をアタリマエのことを」
と感じるかもしれませんが、
陳腐化という病気は気づかないうちに
企業や商品を蝕んでいくということを
最近強く感じるのです。
経営者がそこに気づかないと、
まさにゆでガエル状態で
手遅れになることがあります。
なぜこのようなことを考えたか?
まあ最近ぼんやりと
考えていたことではあるのですが、
こちらのニュースを見てさらに
思うところがあったからです。
「9割が高齢者で胸が痛い」
商品券の問い合わせ・金券ショップに相次ぐ
百貨店・大沼倒産の余波 山形
https://www.fnn.jp/posts/7592SAY
山形県にある百貨店が
この冬倒産してしまったというニュース。
金券云々は置いておいて、
「9割が高齢者で胸が痛い」
というところに陳腐化の恐ろしさを
まざまざと感じてしまったというわけです。
私の母親の実家は長野県諏訪市にありました。
小学生のころは夏休みや冬休みになると
ひとりでじいさんばあさんの家に2〜3週間
泊まりにっていました。
そのころよく言っていたのが、
JR上諏訪駅前にあった百貨店「丸光」。
最上階のゲームセンターや
おもちゃ売り場のファミコンで
よく遊んでいました。
10年前くらいでしょうか。
親戚の法事で一度丸光に行ったのですが、
陳腐化に蝕まれきった丸光はあからさまに
お客さんが少なく陰鬱とした
雰囲気になっていました。
子どものころの賑わっている丸光の
記憶とのギャップに胸が痛んだ数年後、
思い出の場所丸光はなくなってしまいました。
今回の山形県の百貨店「大沼」のニュースは
その記憶をよみがえらせるとともに
ビジネスをやる人間として
強く感じるところがあります。
●
さて、
ここで重要な示唆があります。
「大沼」や「丸光」は
「商品」なのでしょうか。
百貨店そのものを商品とする考え方も
なくはないと思いますが
私はちょっと違うと考えます。
また、
百貨店に置く商品が目新しいものであれば
この2店はなくならなかったのでしょうか。
実は
「陳腐化」といったときに「商品」ばかりに
着目するのは非常に危険だというのが
本日のお話の主題です。
陳腐化には「商品」だけでなく、
・媒体
・センス
があるというのが私の考えです。
以前のメルマガでもお話しましたが、
「場所」は「媒体」だと私は考えています。
広告媒体や雑誌のように、
「直接的に情報を受け取るもの」を
「媒体」と考える人が多いでしょう。
しかし、
人間は目から何かしらの情報を
「得てしまう」生き物です。
視覚情報は無拒否性があって
無意識のうちにポジティブにせよ
ネガティブにせよ何らかの情報を
受け取っています。
なので
「場所」は「媒体」なのです。
「場所」が古くなれば
それを媒介してネガティブな情報を
受け取ってしまうということです。
「場所」の例を挙げると
・駅
・商業施設
・テーマパーク
・お店
・エリア
などなど何でもです。
たとえば、
テーマパーク。
実名を出してしまいますが、
「としまえん」と「ディズニーランド」、
今の若者にどちらに行きたいかと聞けば、
おそらく9割の人が
「ディズニーランド」と
答えるのではないでしょうか。
関係者が見ていたら怒られるかもしれませんが、
「としまえん」はテーマパークとしては
陳腐化しています(ご存じない方は
イメージしづらいかもしれませんが)。
私が小学生から高校生のころは
それはそれは人気のある遊園地でした。
私は高校が近かったので
よく抜け出だして友だちと
学校の上履きのまま行ったものです(笑)
我が子に
「としまえん」の話をしても「??」ですし、
なにせ、
あれだけ楽しかったと感じていた私が今は
子どもたちに勧められないと感じるほどの
遊園地になってしまったのは陳腐化以外の
何ものでもないと考えます。
一方、
私たちがとしまえんを楽しくて
しかたないと感じていたころから
ディズニーランドも存在しますが、
ディズニーランドは
陳腐化しているでしょうか。
そして
ディズニーランドの客足は
遠のいているでしょうか。
答えはノーですね。
としまえんは残念ながら遠のいています。
※ただ、
としまえんの名誉のためにお伝えすると、
今はコスプレイヤーの聖地のような場所(?)に
なっていてポジションチェンジをしているようです。
あと夏のプールはいまだに人気があります。
場所=媒体の陳腐化の例としては
地方の商店街なども挙げられます。
場所ということでいけば
広い意味では街そのものも
陳腐化しているところもあります。
他にはどうでしょうか。
昔ものすごい流行ったSNS、
「mixi」などはFacebookの
日本での展開によりやはり陳腐化しました。
ビズアップは実は
Mixiのおかげでここまで来たといえます。
当時は優秀な媒体で、起業して3年くらいは
mixiでデザイナーや社員を募集していました。
「コミュニティ」という機能があり、
そこにはすでにセグメントされた人が
集まっていました。
グラフィックデザイナーのコミュニティにいけば
フリーランスのグラフィックデザイナーが
たくさんいましたから、そこで告知を出せば
多くのフリーデザイナーと知り合えたのです。
しかし、
媒体として陳腐化してしまってからは
募集を出してもまともな応募はありませんでした。
mixiがなぜ陳腐化してしまったかは
しっかり研究しないとわかりませんが、
事実として陳腐化していると言っても
過言ではないと思います。
これらが媒体の陳腐化の例です。
センスの陳腐化についても考えてみましょう。
たとえばお店の内装が古いと
それだけで客足が遠のいたりする、
ということは実際にあります。
「そんな単純じゃないだろ」
と思うかもしれませんが、
単純な話かどうかは置いておいて
実際にそういう事例が多いです。
キングコングの西野さんがAbemaTVでやっている
「株式会社ニシノコンサル」という番組内で、
西野さんが経営している(?)
スナック数店舗のうち、
内装費をきちんとかけた店が
一番繁盛していると言っていました。
お金はかかるけど
商売になるのは結局そっちだと。
また、
我々のホームページも
8年前につくったものが
陳腐化してきたので、
昨年の春先から
ランディングページを作成して
どちらが依頼を取れるかABテストをしました。
ABテストとは
従来サイトと新しいランディンページを
ランダムに同数程度広告出稿して、
どちらが効果が高いか
計測するというものです。
結果はやはり新しいランディンページ。
改良を加えることで数値的には
1.3〜1.5倍くらい改善しました。
●
・商品
・媒体
・センス
と陳腐化の例を見てきましたが、
実は「センス」だけが少し質が異なります。
おそらく商品にしても
媒体にしてもその他の陳腐化にしても
それを生む大元は「センスの陳腐化」
だというのが私の考えです。
なくなってしまった百貨店は
センスが陳腐化してしまった。
その証拠にお客さんは9割が高齢者だった。
「株式会社ニシノコンサル」で
やはり西野さんが話していた、
最近の若者の行動についても
それを感じさせられます。
最近の若者はSNSやYou Tubeで
物事を調べるそうです。
我々の親の世代はテレビや新聞でした。
我々はネット上の検索で調べます。
それが当たり前だと思っていましたが、
そうじゃないらしいんです。
まずこの事実を知らない時点で
センスが陳腐化していく可能性があります。
つまり、
「センスの陳腐化」は商品や媒体、
サービスなどの陳腐化の上位概念で、
商品やサービス、媒体の陳腐化は
表面化された事象に過ぎないわけです。
では、
なぜセンスは陳腐化するのでしょうか。
以前「リクナビ」を使って
採用活動をしたことがありますが、
50歳以上の男性の応募が異様に多かったです。
こういう方を面接させていただくと、
以前の会社でどれくらい活躍したかを
しっかりと履歴書や経歴書に書いてきます。
面接だってある程度お手の物で、
こちらがどんな言葉を欲しているかを
うまく予想して気持ちの良い言葉を
投げかけてきます。
ところが、
「では採用」となり実際に働きはじめると、
大抵の人がすぐに辞めてしまいます。
まず、
社内のコミュニケーションツールに
ついていけないと言われます
(チャットワークなど)。
これはセンスの陳腐化の例で
最近では最も多いのではないかと思います。
新しいコミュニケーションの仕方を
知っても対応できない、という陳腐化。
それを裏付けるように、
最近流行っているIndeedという
採用検索サイトに募集をかけると、
応募者の年齢で50オーバーの人は
ほとんどいません。
リクナビでの募集とIndeedでの募集では
年齢層が明らかに違うわけです。
これも
新しいものを受け入れられないセンスの陳腐化により、
引き起こされた事象のひとつだと考えます。
ビジネスでは
お客さんはその会社の経営者やスタッフの
年齢層に近い人が多い、とよく言われます。
おそらく
センスが合致するからだと考えます。
センスは常に変化します。
「MAYA段階」という言葉があります
(以前もこのメルマガでお話しました)。
MAYA段階は私の師匠、伊吹先生の
さらに師匠であるレイモンド・ローウィという
デザイナーが提唱した考え方です。
・受け入れられるギリギリの最先端
という意味で、
これがヒット商品をつくる上で
重要な考え方になるというものです。
このMAYA段階は
時代によって常に少しずつ上がります。
簡単に言えば
人々のセンスが少しずつ良くなっていく、
ということです。
センスの陳腐化は
MAYA段階から取り残されたときに
起こるというのが私の考えです。
MAYA段階についていけなくなると、
センスの陳腐化が起こりはじめます。
センスが合致する人≒同じような
年齢層の人とだけ付き合っていると、
冒頭にお伝えしたように「ゆでガエル」状態になり、
いつの間にか
新しい検索方法にも、
新しいケータイにも、
新しいコミュニケーションツールにも、
新しい就職活動にもついていけなくなります。
では
なぜMAYA段階についていけなくなるのか。
私の予想ですが、
「過去の成功体験」がこれを生むと思います。
百貨店も、
としまえんも、
50歳を超えた就職活動者も、
自分たちのセンスが中心だったころの
成功体験から離れられなくなったときに
MAYA段階から取り残され、陳腐化しはじめる。
過去の成功体験にとらわれるせいで
新しいセンスを、MAYA段階を
受け入れられなくなり陳腐化する。
「ビジネスは時流と原理原則だ」とは
船井総合研究所の故船井幸雄さんの言葉ですが、
センスが陳腐化すれば
時流を読むことはできなくなります。
自分たちのセンスが中心だったころの成功体験、
これによるセンスの陳腐化を一番よく表しているのが
親の意見かもしれません。
私が高校生のころ、
うちの両親は私の服装を見てセンスがないとか
ジーパンをもっと上げろ(腰ばきするな)とか
いろいろ言ってきました(笑)
これは、
自分たちの時代の服装が一番イケていると
いまだに思っている「成功体験」による
陳腐化です。
いつの時代も大人と呼ばれる人たちは
下の世代を批判することで自分たちの
時代(センス)を正当化しようとしてしまうものです。
これがビジネスで起こると陳腐化がはじまり、
受け入れることができなくなればゆでガエルになる、
こういう構造があるのだと考えています。
ちなみにうちの両親は
高校生のころの私に言いました。
「いいか、本当にかっこいい男というのはな、
カールスモーキー石井のような男のことを言うんだ!」
食べていた
ご飯を吹き出しそうになりました(爆)
もちろんカールスモーキー石井さんは
とてもステキな方ですばらしい方だと
思いますが、なぜそこかと(笑)
両親は今70歳前後ですから、当時からしても
カールスモーキー石井さんや米米CLUBは
両親の「リアルタイム」ではありませんでした。
なのになぜそんなことを言ったのか。
おそらく彼らにとっての
「MAYA段階(受け入れられるギリギリの最先端)」
がそこにあったのでしょう(笑)
今回はここまでです!
津久井
投稿者プロフィール
-
ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。
かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。
2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。
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