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2019年07月12日 メールマガジン 本の紹介 【第485回】日本人のお金嫌いと徳川家康

こんにちは。





ロゴ作成専門ビズアップ 津久井です!
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私の家族は
ヨメはひとりと(当たり前)、
子どもが3人おります。



一番上は男の子で、
この春から中学生になりました。



そんな中1の長男がスマホを買ってくれと
中学入学早々言い出したんです。



「みんな買ってもらっている」



と帰納的アプローチをしてきました。
実際はみんなではなくクラスの
3分の1程度のようですけど。。。



どうしようかなと思っていたら
自分から条件を出してきました。



「英語の中間テストで良い点を取ったら買ってくれ」



長男は英語が好きなようです。



なぜか小学校5年生くらいのときから
You Tubeで父親の私でも知らないような
洋楽アーティストを頻繁に見ていましたから、
その影響かもしれません。



私が子供のころは



「テストで良い点とったら
 ファミコンカセット買ってくれ」



だなんて言おうものなら両親から



「貴様は誰のために、
 何のために勉強しとんじゃー!!」
「そんなこというなら勉強せんでいい!」



と一喝されてましたので、
そういうインセンティブを
働かせたことがなかったのですが、



そういうのもたまには
いいんじゃないかと思い、
長男に「いいよ」と伝えました。





「良い点って何点?」と聞くと長男からは
「95点」という回答が返ってきました。



個人的に直感しました。



「90点以上は取れるが95点以上は無理だろう」



この5点の差って
壁みたいなものがある気がしています。



なので
長男はスマホを手に入れられないだろうと。



それから長男は珍しく
朝5時半に起きて勉強したり夜遅くまで勉強したり。



不思議ですが
このころの子どもは勉強そのものを目的にするよりも
他のことを目的にしたほうがよく勉強するという。



がんばっている姿を見ていると
ついつい買ってあげてもいいかな
なんて思っちゃうんですけどね。



テスト返却当日の朝、
わたくし言いました。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
お前ががんばっていたことは知っている。
でもがんばっていたとしても結果が出なかったらダメだ。


大人になったときにがんばったことを評価してほしいと
思う人間よりも結果を出せる人間になってほしいから、



もし点数が1点でも
届いていなかったらスマホは買ってあげられない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



長男は
「わかっている」とひとこと言いました。



そして返却された英語のテストの点数は・・・



93点でした。。。



ケアレスミスが1問。
それを取っていれば95点だったようです。



本人は
私の前ではひと言も文句を言いませんでしたが、
ヨメの前では




「これから誕生日もクリスマスも
 一生プレゼントいらないからスマホ買って!」



と懇願していたようです。



「これからプレゼントいらないから~~」



は子どものころに
誰もが一度は口走るヤツですね(笑)



なかなか感慨深いできごとでした。



本人には自分で
次の目標(勉強以外でももちろんいい)を立てて
達成したら買ってやろうと話しています。




それにしても
私は長男次男に「勉強しろ」と言ったことは
一度もありません。



でも彼らは勝手に勉強します。



ヨメはわりと
「勉強しなさい!宿題やりなさい!」
といいますが、



うちのヨメは頭があまりよろしいほうではないため、
子どもたちからしたら「そんな人に言われても」
という感じかもしれません。



ちなみに
うちのヨメの頭が少し弱いエピソードを公表しますと、



【戦慄が走った質問】
・・・・・・・・・・・
東って右?
・・・・・・・・・・・



【一瞬フリーズしたなぞなぞ】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
なぞなぞだすよ。
パンはパンでも食べられないフライパンはなーんだ?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



【歴史の新説】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
真田広之って豊臣秀吉の家臣?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



他にも
間違えて味噌汁に石鹸入れたりします。



なので
彼らからしたらお母さんの言うことを聞くと
バカになってしまうと思っているかもしれません(笑)



いずれにしても
子どもに勉強してほしかったら



「勉強しろ」



は禁句のようですね。



ちなみに
ゲームばっかりやっている子どもに
ゲームをやめさせるには、



「やめなさい!」



と言ってはいけないそうです。



それよりも
たとえばポケモンゲームをやっているとしたら、



「毎日ポケモンを10体ゲットするまで
 ゲームをやめちゃいかん!」



とノルマにするほうが
よっぽど効果的だそうです。



なんだかこのあたりの勉強とかゲームとかって
社員教育にも通ずるところがあるというか。。。



人間って因果な生き物ですね。



「やれ!」と言われたらやりたくないし
「やめろ!」と言われたらやめたくないし、
「絶対押すなよ!」と言われたら押したくなる(笑)



さて、
我が家の長男は前述のとおり
この春から中学1年生なわけですが、



世の中には
とっても頭のいい中学1年生がいるものです。



だいぶ前置きが長くなりましたが
本日はそんな中学1年生をご紹介します。




財前孝史くんという
中学1年生をご存知でしょうか。



北海道にある道塾学園という
全国屈指の中高一貫校に通う中学1年生です。



何がすごいって、この財前孝史くん、
中学1年生にして100億円の資産運用を
任されているのです。



「そんなバカな、マンガみたいな話があるか」



と思われるかもしれません。



はい、
すみません、マンガの話です。
でも侮るなかれ。



本日はビジネスにも
とっても役に立つマンガ、



・インベスターZ



をご紹介したいと思います。



インベスターZの著者は
三田紀房さんです。ご存知でしょうか。



有名なところだと



・ドラゴン桜



を描いた作者さんですね。



私は三田さんのマンガは
わりと読んでいます。



三田さんのマンガの何が面白いかというと、
社会の本質をついたようなその視点です。



そしてビジネス的にも
とても戦略的な方だと思います。



社会の本質とビジネスの両立が
されていると思うドラゴン桜の有名なセリフが



「バカとブスは東大に行け!」



です。



強烈なコピーでありながら
「なぜそう言うのか」をついつい知りたくなる、
そこには本当の答えがありそう、と感じさせる
秀逸なセリフで、



実際にドラゴン桜のプロモーションで
このセリフはたびたび登場していました。



マンガは
北海道にある私立の道塾学園に
成績1位で入学した財前孝史を
主人公として展開されていきます。



野球部に入ろうかと悩んでいる
財前孝史のもとにある上級生がきて
むりやりある部活に入れさせられます。



そこは
130年の歴史を誇る道塾学園投資部。



投資部の部員は6名だけで、
中1から高3まで毎年入試の成績が
1位の生徒が有無を言わさず入部されられます。



道塾学園は学費からさまざまな施設まで
すべて無料なのですが、それはすべて
投資部による資産運用で賄われています。



財前孝史は投資部に入部し
さまざまな投資を勉強していきます。



投資というとお金を投入して
儲けるというイメージですが、



そのウラには
ビジネスの知識や会社や人を見極める
目利き力みたいなものが求められます。



なのでこのマンガは
投資のマンガというよりも
ビジネスのマンガなのです。



さらに面白いのは
このマンガは実在の企業が登場したり、
中には実在の人物がキャラクターとして
登場している点です。



たとえば
ホリエモンこと堀江貴文氏も登場します。



マンガの中でも
ホリエモン節がふんだんに描かれています。



他にも
このメルマガでも過去に紹介した
ミドリムシベンチャーのユーグレナ社、
出雲社長もキャラクターとして登場します。



さらに
やはりこのメルマガで過去に紹介した
DMMの亀山会長も登場します。




経済を知るには歴史を知る必要があります。



そういう意味で、
インベスターZも歴史に関する描写が
いくつも登場します。



たとえば徳川家康が
国を治めるためにとった策略は
マンガの中では



「国全体をそこそこ貧乏な状態にする」



と描かれています。



なぜならお金を持ちすぎると
権力に取って代わろうとする
ヤツが出てくるからです。



そこで武士や町民に
「お金を持つことはいやしいこと」
という価値観を植え付けていったそうです。



しかし
あまりにも貧乏では暴動が起こってしまう。
なので「そこそこ」なわけです。



それなりに家族が幸せなら良しとすべき、
という美徳を植え付けていき、



武力を持つ武士には
お金ではなく「プライド」を与えて
お金を扱う商人をもっともいやしい存在とした。



これが「士農工商」の本質であり、
「清貧」なんていう言葉もこのころに
生まれたそうです。



この考え、
日本人にはいまだに根深く残っていて、



お金を儲けすぎる人を叩いたり
お金のことばかり考える人を軽蔑したりする
価値観は現代でもはびこっています。



だから「投資」と聞くと
「うさんくさい」とか「金儲け」みたいな
ネガティブなイメージが出てきてしまう。



しかし、
そんな日本人ですが実は昔は
投資が上手だったそうです。



それこそ1730年の江戸時代、
アメリカのシカゴで誕生する100年も前に
日本に商品取引所が存在していたそう。



取引の対象となった商品はお米です。



当時大坂に出回っていた現物の米は
200万石だったのに対し、
2時間で120万石の取引があったと、
あの井原西鶴が記しているそうです。



現物200万石に対して2時間で120万石、
これの意味するところは「現実にない米が
売買されていた」ということで、



つまり「信用取引」が
されていたといううことです。
現実にない商品を売買する仕組みが
世界に先駆けて発明されていたわけです。



「一手千両の花が咲く」と
表現されるほどの儲けが出て
市場は活況だったようですね。



それなのになぜ
投資がネガティブなイメージを持ったり
日本人は投資が下手だというイメージが
いまだにあるのか。



これについても
インベスターZの中で描かれています。



そのイメージをさらに植え付けたのが
太平洋戦争だったそうなんです。



戦争をするにはお金がかかります。
そのお金をどこから調達したか。



それは国民からです。



国は
「戦争に勝つために国民はせっせと貯金せよ」
というプロパガンダを打ち出します。



昭和13年に「国民貯蓄奨励局」を設立、
昭和16年には「国民貯蓄組合法」という
法律までつくって国民に貯金を強制しました。



こんなこと歴史の授業で習いましたっけ?



もちろん
それでも日本は戦争に負けるわけですが、
戦後の復興もこの貯金の考え方が
役に立ってしまいます。



お金を集めたのが全国にネットワークが
張り巡らされているアレです。



そう、
郵便局です。



郵便局が集金マシーンとなりお金を集め、
インフラ整備などにお金が投入され、
今日の日本になったわけです。



戦後の復興の成功体験もあり、
日本人に「お金は金融機関に預けるもの」
というイメージがすっかり染み込んでしまった、



このようにマンガには描かれています。



こういった歴史の授業では習わないようなことが
(もしかしたら習って忘れているのかもしれませんが)
マンガの中にはふんだんに出てきます。



本当に面白いです。




ビジネスの本質みたいなところにも
このマンガではたくさん触れています。



前述のユーグレナ出雲社長は
マンガの中で次のように言っています。



「海外企業と戦うときは2周差つける」



ユーグレナは
「ミドリムシが地球を救う」
という理念のもと、



ミドリムシとその成分を利用した
さまざまな研究を行っています。



しかし、
同じような研究をしている会社は
海外にもあります。



そんな中、
海外企業と戦うときに
2周差をつけるべき理由を
マンガの中でこのように語っています。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いくら差がついていても1周では足りない。
大量に資金と人員を投入して
必ず西洋人は追いつき追い越そううとしてくる。


しかし2周差が付けば
海外企業は追うのを諦める。



彼らは合理的だから自主開発はやめて
競合相手を買収すればいいと考えるからだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



なるほど。面白い視点です。



しかもマンガの中で出雲社長は
日本人は微細なものを研究するのに
向いている人種だとも言っています。



キッコーマンやヤクルトは
菌の分野で世界に2周差以上つけて
圧倒しているし、



iPS細胞で
山中教授がノーベル賞を取ったのも
西洋人では発狂してしまうであろう
微細なものの研究に日本人は
耐えられるからだ、



その根底にあるのは、
日本人の独特な価値観、



「小さくてカワイイものが大好き」



というものだと語っています。



なのでこの分野では
日本はまだまだ世界と戦える可能性が
あるんだとマンガで主張しています。



今から30年前、
日本が世界と戦えるものが
他にもありました。



それはなんとパソコンのOS、
オペレーティングシステムです。



OSといえば
「MacOS」か「Windows」かというのが
今の一般常識だと思います。



しかし、
実は1980年代に
Windowsより10年進んでいたと
言われるOSを日本人が開発していたそう。



開発していたのは
東京大学の坂村健という人だったそうです。
OSの名前は「トロン」。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
このOSは使いやすく抜群の安定性を誇り
無償で公開されている点が革命的だった。
その先進性はアメリカの研究者たちを
驚嘆させた。



坂村健の思想と技術には多くの賛同が集まり、
140社以上の企業が集まった
トロンプロジェクトが結成される。



1987年には当時の文部省が
学校に配布する教育用パソコンに
トロンを採用することを決定。



日本の大手メーカーは
次々と試作機を作り実用化まで
あと一歩のところまで漕ぎ着けた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



そんなものが日本にあったなんて。
もしこれがいまだにあったならば、
世界一の億万長者はビル・ゲイツでは
なかったでしょう。



しかしご存知のとおり
トロンは今現代には存在しません。



なぜここまで来て
実用化されなかったのでしょうか。



まあ、
ひとことで言えばアメリカの仕業です。



当時のアメリカでも
OSの研究開発はされていました。



トロンが世界を席巻してしまうと
OSを開発している米国企業が
打撃を受けてしまいます。



そこでアメリカは日本に
圧力をかけてきたんですね。



どんな圧力をかけてきたか。



当時は日米貿易摩擦で
アメリカは巨額の貿易赤字を
かかえていました。



なので、
「トロンの開発をやめないと輸入制限するぞ」
つまり日本製品を輸入しないぞと脅しをかけ、



製品を買ってもらえなくなることにびびった
日本の電機メーカーがトロンの採用を
ことごとく取り下げてしまったそうです。



当時日本のマスコミは
アメリカの人たちが日本の車やラジカセを
ハンマーで叩き壊す映像を大量に報道したそうです。



私もこれは子ども心になんとなく覚えていますが、
これですっかり日本企業は尻込みしてしまったんですね。



こうしてトロンの一般ユーザーへの提供は
絶望的となってしまったというわけです。



その結果、
今の日本の大手メーカーは基本システムを
持たないことで大いに苦しんでいる、
とマンガには描かれています。



さて、
ここまではわりと大きな話をしました。
自分たちのビジネスにあまり関係しないのでは?
という印象もお持ちかもしれません。



最後に触りだけ、
こんな描写もあるというのをご紹介します。



「個人商店にとって成長と拡大は悪魔の囁きなんだよ」



なんかドキッとしますよね。
これに関連してこんなセリフも紹介します。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
つまり商売というのはね
マーケット管理なんだよ。



どういうお客さんに
どういう商品を提供するか


どうやって適切な商品やサービスの
サイクルを作りそれを円滑に回していくのか



このマーケット管理さえしっかり行っていれば
店を満員にする必要はない



常に3人・・・
お客さんがいる状態を作ればいいんだよ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



どうです?読みたくなりませんか?



ちなみに偉そうに語りましたが
私はまだ11巻までしか読んでいません。
21巻くらいまででているようです。



そしてAmazonでは
結構な値段がついています。
それだけ価値が高いということですね。



ぜひ読んでみてください。



なお、冒頭にお話した
英語93点のうちの長男ですが、



「頭いい!」



という印象を持ったかもしれません。



そんな長男、
国語の点数は18点だったそうです(爆)
よその国の言葉のほうができるんかい。



財前孝史にはほど遠いのでした(笑)






今回はここまでです!





津久井











好評いただいてます。
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投稿者プロフィール

津久井 将信
津久井 将信
ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。

かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。

2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。

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