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こんにちは。
ロゴ作成専門ビズアップ 津久井です!
https://www.biz-up.biz
病院でメルマガを書いています。
喉が大晦日くらいから痛くて、
一旦は良くなったのですが
ここ2~3日またひどいので
耳鼻科に来ています。
近所の耳鼻科はとても混むので
待ちながらメルマガを書こうという
魂胆でございます。
ちなみに熱を測ったら微熱があった。。。
今日は協力デザイナーとの新年会なのに。。。
え~、
先週もお伝えしましたが、
私が
・企画
・構成
・音楽(BGMの選定)
・メインパーソナリティ
のラジオ番組、
・Crystal Shower「にじの広報社」
が、
いよいよ1月30日(水)14時からはじまります。
準備も大詰めです。
ぜひ番組にゲスト出演し、
御社の商品をアピールしませんか?
審査が必要とはなりますが、
ビズアップのお客さまにしか
今のところアナウンスしていない
「特典」
となりますので、
ぜひご活用くださいね。
二次利用も可能ですので、
自社のホームページなどに出演時の写真や
映像を載せていただくことも可能です。
さて、
本日は1点お願いが。。。
番組のInstagramアカウントをつくりましたので、
よかったらフォローしてくださいませ。
→ http://bit.ly/2B4rSfF
ちなみに放送局は
レインボータウンFMという局です。
→ http://bit.ly/2HjKkGG
東京23区全域で聴ける、
東京では東京FMやJ-WAVEなどに次いで
4番目に大きいメガコミュニティFMです。
23区内の場合はFM88.5を、
それ以外の方はリスラジという
スマホアプリでお聴きいただけます。
ちなみに先ほどのインスタアカウントに
「スマホでラジオを聴く方法」という
簡単な説明動画が載っていますので
ぜひご覧ください。
と、いうわけで。。。
本日のお話です。
本日は世間を騒がせている
あの問題についてお話してみます。
そうです。
「ティラミスヒーロー」
についてです。
私たちの仕事とも深く関わる内容です。
リスクの管理という面からも
今回のメルマガは読んでもらったほうがいいと考えます。
●
まずは、どんな事件だったのか。
事件というとちょっと物々しいですが、
わかりやすいのであえてこの言葉を
使わせてもらうようにします。
シンガポールの
有名なティラミスブランド、
「ティラミスヒーロー」
を
真似した(パクった)と思われる店が
東京の表参道にできたことでということで
メディアで話題になりました。
「ティラミス」はあのティラミスです。
イタリア発祥のスイーツですね。
話題になった理由はいくつかあって、
事件のあらましと合わせてお話すると、
・元祖のティラミスヒーローはシンガポール発とはいえ
日本でも販売しており、しかもわりと人気があったので
酷似していることに気づく人が多かった。
・真似したとされる企業が日本の企業HERO'Sだった。
日本人はそんなことしないというイメージを多くの日本人が
持っていただけに世間に与えるインパクトが大きかった。
・ティラミスヒーローは猫のキャラクターを
使用していた。商品バリエーションごとに
それぞれのキャラクターを設定していた。
HERO'Sは「猫」「ヒーロー」「商品ごとの
キャラ展開」といった見た目以外のアイデアも
真似ているように多くの人が感じた。
・しかし「ティラミスヒーロー」という
商標の権利(商標権)を保有していたのは、
シンガポールの企業ではなく日本の企業
HERO'Sのほうだった。
・HERO'Sは「パクってません。だって商標権も
うちが持ってるし~」という主張をはじめはしていた。
・登録されている商標を調べると、確かに
権利者はHIRO'S関連会社の株式会社gramという
会社だが、登録されているロゴはシンガポール本家が
昔使用していたロゴそのものだった。
・つまり勝手にシンガポール本家のロゴ画像を
日本で商標登録していた(とみられる)。
・あまりにもネット含むメディアで叩かれすぎたためか、
結果シンガポールの本家にロゴの使用権を渡す(戻す)
ということで事態はひとまず収束した(と思われる)。
という感じです。
ちなみに関連会社の株式会社gramですが、
他にも商標をいくつか登録しています
(商標権を持っている)。
その商標が
・奇跡のパンケーキ
・プレミアムロールケーキ
・てぃらぷり
というものです。
そしてこれらは実際に他社が商品名として
使用しているものだったようです。
つまり、
「他社が使用しているが商標登録されていないもの」
に狙いをつけて確信犯的にやっているのではないか
(商標登録しているのではないか)ということです。
ちなみに、
この商標の中の「プレミアムロールケーキ」ですが、
なんと使用しているのはあの「ローソン」です。
そんな大手でも商標登録をせずに
こういった事態に陥ってしまうんですね。
●
ではそもそも商標登録というのは
どういったものなのかについて
簡単
に説明してみたいと思います。
商標登録というのは、
知的財産のひとつです。
知的財産とは
・商標権
・特許権
・実用新案権
・著作権
があります。
その他にも
意外と細かくあるようなのですが割愛します。
上記の4つがメインだとお考えください。
で、
商標登録はこのうちの商標権を得るために
行うものです。申請は特許庁に行います。
商標はすでに登録されたものと
同じものは取得できません。
ここは早いもの勝ちです。
ただし、
「区分」
と呼ばれるカテゴリみたいなものがあります。
区分が違えば同じ商標でも登録できます。
なので簡単にいえば、
「ビズアップ」
という商標はデザイン業務においては
すでに弊社が取得しているので取れませんが、
「うどん屋」としてなら取れる、こんな感じ。
もっとも区分は
「デザイン」とか「うどん屋さん」とか
そんな単純な分け方はされていません。
なので、
自社の商標権を守るためにはどの区分を
いくつくらい登録すればよいかというのは、
基本的に専門家に確認するのがよいです。
知的財産権を専門にするのが
士業の中でも「弁理士」という資格の人たち。
この弁理士の先生に
どんな業務内容の会社かを伝えれば、
どの区分において商標登録すればよいかを
代わりに考えてくれるわけですね。
ただ、
あまりにたくさんの区分にまたがると
特許庁に申請する際の費用や
弁理士先生への費用がその分増えます。
で、
早いもの勝ちですから、今回の件は
シンガポールの本家が後から何を言っても
実は法的にはまったく問題ない。
ローソンが何を言っても
権利者である株式会社gramが
ローソンに対し「権利侵害」をもし訴えたら、
ローソン側は負ける可能性が大いにあります。
商標登録には以下の2つがあります。
・呼称登録
・図形登録
呼称のほうは名前の呼び方そのものであり、
図形のほうはまさにロゴなどを登録する、
というものです。
一時期ちょっと話題になりましたが、
最近では色や音も商標権として
登録できるようになっています。
呼称と図形とで2つあることにより、
たとえば呼称としてはちょっと似ている、
区分もかぶっている、みたいな商標を
図形登録できたりします。
たとえば、
・ビズアップル
という会社があったとして
ビズアップと同じデザインの区分で
商標登録したくても呼称が似ているため、
特許庁からNGがでてしまう可能性があります。
こういった場合、
ロゴとセットなら「ビズアップル」でも
商標登録できる可能性があるということです。
こういった、
「その商標は登録できるのか?」
「どうすればその商標が登録できるか?」
などのアドバイスも、
先ほどの弁理士の先生方が対応してくれます。
まずは特許庁に申請する前に
登録できる確率がどのくらいありそうかを
調査してくれます。
もし調査せずに
特許庁に申請して許可が降りなかった場合は
申請にかかった費用は返ってきませんから
もったいないですよね。
弁理士の先生に相談することで
これを回避することができるというわけです。
商標登録にかかる費用は
・弁理士の先生の報酬+特許庁への申請費用
ですが、
先ほどちょっとお伝えしたとおり、
いくつの区分にまたがって登録するかに
よっても費用は変わります。
また、
弁理士の先生によっても報酬は変わります。
私の経験上の目安ですが、
超ざっくりいいますと、
1~2区分登録して
弁理士の先生の報酬と特許庁への費用で
20~30万円、といった感じです。
なお、
商標には有効期限があります。
基本的には5年か10年(登録時に選べる)、
継続する場合は更新料金が必要です。
まあ10年で20~30万と考えたら
超お安いですよね。
あ、
ちなみに商標は国ごとにしか取れませんので、
日本で取った商標がアメリカで有効かというと
答えは「NO」です。
アメリカはアメリカで
商標登録しなければなりません。
で、
商標登録の説明として最後にお伝えしたいのが、
登録の可否は「意外といいかんげん」ということ。
特に図形商標のほうはなおさらです。
これは感覚的なことなので
定性的な判断になってしまうからです
(似てる似てないは人によって感じ方が違う)。
つまり、
特許庁のお役人の方々によって
判断にブレがあるということです
(ある意味仕方ない)。
ですので
A弁理士が調査の結果「登録できない」と判断しても
B弁理士が実際には通してしまう、なんてことも
ありえない話ではないわけなんですね。
●
さて、
話をティラミスヒーローに戻しましょう。
今回の件、
HERO'Sやgram側が違法なことをしたかというと、
実は違法性はないと判断せざるを得ないところがあります。
まず、HERO'S側は
「猫」「ヒーロー」などのアイデアや
コンセプトを仮にパクっていたとしても、
デザインそのものや
デザインのテイストはパクっていませんので
著作権のほうで攻めることは難しい。
そして商標権については
HERO’Sが持ってしまっている。
前述の通り商標は早いもの勝ちですから、
HERO’S側に悪意があったかどうかには
言及するつもりはありませんが、
悪意の有無にかかわらず
法的にはHERO’Sにかなり有利です。
このことから、
シンガポールの本家も一旦は
「ティラミスヒーローは使えなくなりました」
といった姿勢で対応しようとしていました。
そういう意味では、
個人的にローソンは今かなりパニックに
なっているのではないかと推測します。
大手企業でこのミスは
はっきり言ってあってはならないという
致命的なレベルのエラーだと思います。
一応、
すでに商標権を他の人に取られてしまっても
特許庁に異議申立てをすることで
商標を取り下げさせることはできます。
しかし、
そのためには世の中の誰もが
周知していると思われている必要があります。
たとえば
実際にはあり得ませんが
「ミッキーマウス」
という商標をディズニー以外の人が
商標登録していたとしても、
「ミッキーマウスはディズニーのもの」
という周知が世間一般にされていますので
異議申立てが通る可能性は高いです。
しかし、
「プレミアムロールケーキといえばローソン」
とまでいえるほど
周知されているかというと正直疑問です。
そういうことを考えると、
ローソンはきっとパニクっているのではないかと。
ちなみにティラミスヒーローは
シンガポールでは商標登録されていましたが
日本ではしていなかったということです。
さて、
覚えていますでしょうか。
実は数年前にも
これと同じようなことが日本の企業同士で
起こったことがあることを。
それは、
焼き鳥居酒屋チェーンの「鳥貴族」と
「鳥二郎」のバトルです。
このときはなんと、
真似っ子ブランドだと考えられていた
「鳥二郎」の商標は特許庁の審査を通過して
認められてしまっていたのです。
これが、
「特許庁の審査はブレる」
という意味です。
そうなってくると
商標権の争いにおいては
鳥貴族側に勝算はあまりないと言えます。
そこで当時からお世話になっている
弁理士の先生にこのことに質問したところ、
おそらく鳥貴族は
「不正競争防止法」というほうで
戦いを挑んでくるのではないかということでした。
「不正競争防止法」は
Wikipediaによると
たとえば、
・競争相手を貶める風評を流す
・商品の形態を真似する
・競争相手の技術を産業スパイによって取得する
・虚偽表示を行ったりする
などの不正な行為や不法行為
(民法代709条)が行われるようになると、
市場の公正な競争が
期待できなくなってしまったり、
粗悪品や模倣品が堂々と出回ってしまい、
それによって
消費者も安心して購入することが
できなくなってしまう、
結果、
経済の健全な発展が望めなくなるので
そういうことをなくそうという目的で
制定された法律なのだそうです。
その後この件については
私自身追いかけていませんが、
ネットでちょっと調べてもいまいち
結末がわかる記事にはあたりませんでした。
ここでは真似っ子されたときに
商標以外での戦い方があるということを
知っていただければと思います。
さて、
今回の件は現段階では一応の結末を迎えました。
私が個人的に残念だと感じたのは、
HERO’Sは
ティラミスヒーローのアイデアを
真似するくらいであれば、
なぜ我々のような専門家に
コンセプトの策定からネーミング、
キービジュアルの策定やデザインを依頼し、
一からオリジナルで
つくろうとしなかったのか、ということです。
別にビズアップに
依頼してほしいという意味ではありません。
ティラミスヒーローは
すばらしいブランドだと思いますが、
同じように
一からブランドを構築することが
できる企業は日本にたくさんあります。
もちろんお金はかかります。
当たり前です。
しかし、
日本人はまだまだそこ(アイデア)に
お金を払うという意識が薄いのも事実だと思います。
でも日本はこれから
こういった知的労働にきちんとした価値を
与えていかなければ経済的にヤバいはずです。
さて最後になりますが、
HERO’Sのほうの猫のメインキャラクターは
名前が「トッティ」でした。
このことから、
HERO’Sの代表はアラフォーサッカー好きと
プロファイリイングするのであります。
私の世代のイタリア代表の
ヒーローの名前が「トッティ」だからです。
はい、
どうでもいいですね。
すみません。
今回はここまでです!
津久井
好評いただいてます。
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投稿者プロフィール
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ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。
かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。
2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。
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