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こんにちは。
ロゴ作成専門ビズアップ 津久井です!
https://www.biz-up.biz
東京はまた雪です。。。
積もる感じではなさそうですが。
しかし東京は雪に弱いですね。
雪国の方々からしたら、
「甘い!」と言われそうなくらい。
子どものころ、
雪が降るとうれしかったですが、
喜んでいる私を
経営者である父親が見て、
「雪なんて降られたら困っちゃうよ」
とよく言っていたのを記憶しています。
今ではその気持ちがよくわかります。。。
仕事にも影響が出ますからね。
特に車を使うご商売の場合は
とても効率が落ちると思います。
家からでなくなる人が増えて
店舗や商業施設の売上にも
影響があるのではないでしょうか。
さて、
今週のお話です。
このメルマガでは最近、
デザインと関係ない
お話ばかりしていました。
本当は今週も
デザインと関係ない話を
書こうかと思ったのですが、
それだと
一応デザイン会社としての
「コケン」というやつに関わると思い、
今週は
デザインのお話をしようと思います。
以下の3つについてお話しますね。
●デザインの目的とは?
●デザインにできること
●デザインにできないこと
●デザインの目的とは?
この世には
さまざまなデザインがあります。
それらをひとくくりにして
デザインの目的を語ろうとすると、
どうしても抽象的になってしまいます。
そんな抽象的なお話を
少しでもわかりやすく
お伝えしてみたいと思います。
なお、
ここでは「商業デザイン」と言われる
ビジネスに必要なデザインの話を
中心にしたいと思います。
さて、
「デザイン」は辞書ではどのように
定義されているのでしょう?
Wikipediaで調べてみましたが、
読んだだけで具合が悪くなりそうな
表現だったのでここには書きません(汗)
デザインは、
多くの人に「図案」「意匠」だと
思われていると思います。
もちろん間違いではありませんが、
そのままの解釈だと誤解を生むことがあります。
たとえば、
「図案」「意匠」だと捉えてしまうと、
アートとデザインの区別がつかなくなります。
これはデザインを使う人(お客さま)よりも
デザインをつくる人(デザイナー)のほうが
誤解する人が多いかもしれません。
どういうことかというと、
自分のデザインをアートのように
「作品化」してしまうということです。
私の中では
デザイン(特に商業デザイン)と
アートには明確な区別があります。
それは言葉で表現すると、
・アートは自分(つくり手)に向き合う
・デザインはお客さまに向き合う
となります。
この場合の「お客さま」は
クライアント本人である場合もあれば、
クライアントにとってのお客さんの
場合もあり、ケースは分かれます。
たとえば、
パッケージデザインであれば、
クライアント本人よりも
その商品のターゲット、
つまりクライアントのお客さんに
向き合ってデザインするということです。
では、
なぜデザインはお客さまに向き合うのか。
それはデザインの目的が、
・見た人に狙ったとおりの行動を取ってもらう
というものだからです。
アートは
それを見て何かを感じてもらうことが
ゴールです。
たとえば絵画であれば、
その絵を買ってもらわなくてもいいわけです。
また、感じ方も人それぞれ自由でいい。
名画を見られる美術館は、
絵を買ってもらう場ではなく
何かを感じてもらう場所です。
もっと端的に言えば
見ることそのものが目的です。
画風や絵の精密さなどから、
その作家がどれくらい自分に向き合い
その作品をつくったかなどを感じ、
感動する人もいればしない人もいます。
また、
小さな子供が描いた絵ですら、
広い意味ではアートです。
子供が描いた絵を見た人が
急にうどんを食べたくなったり
ゲームをしたくなったりしたら、
行動を促していますから、
それはデザインと言えるかもしれません
(ありえないですが)。
デザインの目的は
・見た人に狙ったとおりの行動を取ってもらう
という点について、
もう少し掘り下げて解説します。
たとえば、
パッケージデザインであれば、
「狙った行動」とはその商品の購入です。
スーパーのチラシであれば、
「狙った行動」は来店になるでしょう。
我々のホームページであれば、
ロゴマークの無料提案を
申し込んでいただく、
というのが「狙った行動」です。
さて、
大手企業がよくやるイメージ広告の
「狙った行動」は果たしてなんでしょうか?
たとえば、
キレイな女優さんとか
イケメン俳優さんが出てきて、
意味があるのかないのか
よくわからないセリフを言ったりする
広告のことです(毒がありますかね?笑)
これは、
すべてではないですが多くの場合が
・持ってほしい印象を植えつける
ということになります。
「印象を持つ」
というのも行動のひとつですし、
「持ってほしい印象」という
狙いがありますから、これらも
デザインと呼べると思います。
こういうミッションを持たせることは
悪いことではないのですが、
とてもむずかしいのは、
「印象を持つ」は定量化(数値化)
しづらいということです。
パッケージデザインならば、
何個売れたか計測することができますし、
チラシであれば何人来店したか数えられます。
ロゴの依頼もカウントできるものです。
しかし、
「印象を持つ」はカウントしづらい。
できたとしても調査にまたお金がかかる。
効果検証がしづらいわけですね。
そうするとどうなるか。
「デザインには効果を求めなくていい」
「デザインの効果は見えなくていい」
というナゾの論調が出てきてしまいます。
そして、
アートとデザインの区別ができない
デザイナーやディレクターが、
効果に責任を追わなくて良いことにより
アーティスト気質になってしまい、
デザインの目的を考えていない
「作品」がたくさん生まれても、
デザイナーは
「作者」として持ち上げられて
「先生」なんて呼ばれてしまいます。
まあ、
今ですとこういったイメージ広告が
ある種エンターテインメント化しているので、
これはもはや
ひとつのアートのジャンルだと
言っても過言ではないかもしれません。
個人的にはテレビCMとか見るの好きですし。
それに、
大きな市場で勝負している企業にとって、
イメージ広告が効果がないかというと、
すんごいざっくり、
大雑把な計算ではやはりあるようですね。
●デザインにできること
さて、
デザインの役割は
・見た人に狙ったとおりの行動を取ってもらう
でした。
世の中には
そうなっているデザインもあれば
そうなっていないデザインもあります。
狙った行動をとってもらう
という役割をさらに分解してみると、
どんなデザインが役割を果たしていて
どんなデザインが果たしていないかが
わかるのではないかなと思います。
狙った行動を取ってもらうために、
どんな機能がデザインにはあるのか、
これが「デザインにできること」です。
1.
ひとつ目は、
・存在を知らせる
ということです。
「たしかにここに存在します」
「◯◯という商品はここです」
「△△というサービスをご存知?」
などなどです。
たとえば
スーパーの棚に並ぶ商品などを
考えてみましょう。
パッケージデザインが目立てば、
来店者の目を引きますよね。
そして、
「こんな商品があるんだ」
ということを知ることができます。
駅のポスター広告でも
その広告が目を引くものであれば、
そこに書いてあること=告知を
知ることができます。
つまり、
デザインのひとつめの
機能(できること)は
・認知させる
ということになります。
2.
ふたつ目は、
・それをよく知ってもらう、理解してもらう
です。
デザインに書いてあること
(描いてあること)を通して、
見た人はそれが何かを理解します。
「あ、これはお醤油なのね」
「これはチーズなんだ」
という
「そもそもその商品が何か?」
の理解から、
「国産大豆100%なんだ〜」
「イタリアから直輸入のチーズか!」
などの付随情報まで
デザインを通して理解します。
駅の案内板などもデザインであり、
優秀な案内板はこの
・それをよく知ってもらう、理解してもらう
が優れています。
案内板を見ながら歩いているのに
いつの間にか迷っているという場合は、
この駅の案内板が
「知ってもらう、理解してもらう」
という機能の面で劣っている
可能性があります。
デザインにできることの2つめは
この正確に伝える、理解してもらう、
ということです。
3.
デザインにできることのみっつ目が
・良い印象を持ってもらう
ということです。
見た人に好感を持ってもらうことは、
狙った行動を起こしてもらう上で
とても重要なのは間違いありません。
人間に例えるとすぐにわかります。
好感がもてる人と持てない人、
同じ内容のことを言われても
受け取り方は変わってきます
(残念ながらそれが現実です)。
人間はきれいなものや美しいもの、
自分が好きだと思うものに対し、
「優れている」
「信頼できる」
と感じるバイアスが働く
という心理効果が確認されています
(人に対しても同じです)。
なので、
好感を持たれることは
とても大切です。
しかし多くの場合が、
この3番の「好感」に
偏りすぎてしまいます。
デザイナーがつくるデザインは
きれいで美しくさえあればいい、
デザインとは
きれいで美しい図案のことだ、
という誤解が生まれてしまうのは、
この3番に偏りすぎていると言えます。
大手のイメージ広告も
この3番しか考えていないものが
ほとんどです。
どんなに美しいデザインでも、
目立たなければ見てもらえません。
誰も踏み入れることのできない無人島に
もしイケメン(または美女)が独りだけいても
その能力はなんの役にもたちません。
そして
どんなに美しいデザインでも、
それが何か、どうすればいいか
わからなければ人は何もできません。
チョコレートだと思って買ったら石鹸だった、
みたいな誤解を生むデザインであれば
確実にクレームの嵐です。
好感を持たれるだけでなく、
きちんと存在を知らせる
デザインになっているか、
それが何か、
どうしてほしいかを
正しく伝えられているか、
3つのバランスを
ターゲットや売り方に合わせて
最適なバランスを見つけることで、
・見た人に狙ったとおりの行動を取ってもらう
という目的を果たすデザインになります。
さて、
私のメルマガをよく読んでくださる方だと、
もしかしたらあることにお気づきかもしれません。
この3つの「できること」、
実は以下のようになっています。
・目立つ
・理解する
・好感を持つ
はい、頭文字を取ると、
「メリコの法則」が出てきます。
良いデザインの条件は
「メリコ性」が高いこと。
メリコの法則は
私のデザインの師匠が考案したものです。
御年90歳以上、
本も100冊くらい出版されている方で、
アサヒスーパードライのパッケージを
コンサルティングされた伊吹卓先生です。
●デザインにできないこと
デザインにできないことも
もちろんあります(たくさんあります)。
その代表的なところが、
・商品をリピート購入させる
ということです。
ただし、
例外もありますので
順を追って説明してみます。
まず、
はじめて買った商品があるとします。
これは、
なぜ購入に至ったか。
それは
デザインの力によるところが
大いにあります。
もちろん、
価格設定や商品品質などもありますが、
そういった購入のための条件が満たされた
だけで購入に至るわけではありません。
その商品の存在を知ってもらい、
その商品の特性や良さを知ってもらい、
一度購入してみようと思える好感を与え、
購入に至ります。
なぜなら、
体験したことのないものは
そのほとんどが目から入るしか
判断基準がないためです。
最近は
口コミなどの情報(耳から入る)もありますが、
それでも目から入る情報の影響がないわけでは
ありません。
良い情報でも、
目から入る情報が悪い印象や内容なら、
「この口コミは本当だろうか?」
と疑われてしまいます。
要するに、
「一度体験してみよう」が
・見た人に狙ったとおりの行動を取ってもらう
の「狙った行動」であることが
商業デザインの場合ものすごく多いわけです。
しかし、
リピートするかどうかとなると、
商品力がなくてはなりません。
どんなに目立って美しくて
特徴がわかるパッケージデザインの
チョコレートだとしても、
食べたらどうやってもまずかった、
なんていう商品力だとしたら
2回目の購入は期待できません。
1度は買えたとしても
何度も買えるような価格でなければ
それもやはりリピートしないでしょう。
1回目はデザイン、
リピートするかは商品力、
これが基本的な考え方です。
なので、
「デザインを変えて売上をUPしたい!」
という場合に
なぜ売上が低いかを分解しないと
デザインを変えて本当に売上が
上がるのかどうかはわかりません。
「調べたら実はリピート率がものすごく低かった」
という場合はデザインを変えて瞬間風速的に
売上が上がることはあるかもしれませんが、
それは一時的なものでしかなくなるでしょう。
体験した人のリピート率は
ほぼ商品力を表していると言えるからです。
逆に、
一度買ってくれるとリピーターさんになる人が
とてもたくさんいるような場合、
デザインにより
「一度体験してみよう(=新規)」を
増やすことができればその後も安定的に
儲かる可能性が高いわけです。
デザインを良くしても
中身の商品力が良くなるわけではありません。
そこはデザインにはできません。
※余談
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
実は商品力を高く感じさせることは
ちょっとだけデザインにもできます。
「期待効果」という心理効果です。
たとえば、
牛乳パックのような紙パックに入ったワイン、
高級ボトルに入ったワイン、どちらも中身は
同じだとしても、後者のほうが美味しいと
人は感じます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さて、
デザインの力では商品を
リピート購入させることは
原則できない、と前述しました。
しかし、
これには例外もあります。
そのためには
デザインをさらに少し分解して
考えてみる必要があります。
商業デザインは次の2つに大別できます。
【商品を売るためのツールとしてのデザイン】
・パッケージデザイン
・チラシやパンフレット
・広告
・その他
【商品そのものにされるデザイン】
・家具
・車
・インテリア雑貨
・洋服
・その他
商品そのものにされるデザインの場合で
かつリピート性があるものの場合、
「そのデザインだからまた買う」
ということは起こりえます。
この場合はデザインそのものも
商品力になっていると言えるわけです。
また前者の場合でも
デザインでリピートすることは
商品によってはありえます。
たとえばタバコなどは
そのパッケージが好きだからという
理由でリピートする人もいると思われます。
さて、
いかがでしたでしょうか?
デザインという
感覚的、抽象的でフワフワしたものを
いちいち理屈っぽく言葉に置き換えていくのは、
もはや
私の趣味というかライフワークかもしれません。
御社のデザイン戦略に
どうやったら活かせそうでしょうか?
ぜひ一度考えてみていただければ!
今回はここまでです!
津久井
投稿者プロフィール
-
ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。
かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。
2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。
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