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昨日まで高知県に出張しておりました。2年ぶりか3年ぶりか。。。何度行ってもステキなところ。人も街もご飯も(笑)。
もっともっと出張したいですね。以下、私が出張したい場所を書き記します(笑)。
- 鳥取県(行ったことがない唯一の都道府県)
- 宮崎県(ちゃんと滞在したことがない)
- 長崎県(高校の修学旅行と家族旅行しかない)
- 島根県(出雲大社ファン)
- 滋賀県(ちゃんと滞在したことがない)
- 山形県(1回しか行ったことがない)
- 秋田県(1回しか行ったことがない)
- 北海道(特に東のほう、行ったことがない)
何の意味があるのかわかりませんが、書きました(笑)。このコラムをご覧の方、ぜひ呼んでください(願)。
さて、今週のコロコロニュース。
さて、今日のお話。
先日、You Tubeを見ていたら、あるショート動画が出てきてびっくりしました。我々デザイン業界ではおなじみの、アドビ社が出しているPhotoshopというソフトの新機能の動画です。
今流行のAIを使って、画像を生成するという新機能がPhotoshopに搭載されたのです。ちょっと動画を見てみましょう。
足りない画像をAIが予測して追加してくれるというものです。その精度を見てびっくりしました。
本日は、デザインともブランディングともちょっと違うただの所感となりますが、AIについて考察してみたいと思います。
●AIとは?
まず前提としてお断りしておきますが、私自身もAIについて詳しいわけではありません。なので、間違っている部分もあるかもしれませんので、そこは悪しからず。
そもそもAIというのは何かというと、「artificial intelligence」の略です。日本語では「人工知能」と言いますね。
人間のもっとも特徴的な部分と言ってもよい「思考」を機械で人工的にできるようにしようという試みで開発されたものです。
AIが何かやその歴史について簡単に解説されている動画をご紹介します。
動画によるとAIの歴史は意外にも古く、今からおそよ60年前の1970年代には研究がスタートしています。もっといえば、第二次世界大戦のときに敵国の暗号を解読する試みがスタートとも言われるようです。
日本人にもっとも馴染みがあるAIは、もしかしたら「ドラえもん」かもしれませんね。まあドラえもんの場合は人工知能だけでなく、人間のように動くロボットというまた別の技術も入っていますけれども。
あと、ドラえもんには感情があるのも今のAIとはちょっと違う部分かもしれません。ただ、今後は感情を持ったAIが生まれる可能性も十分あるでしょう。
では、AIでできることというのは何でしょうか?
それこそちょっと前までは、人間がやったり既存のコンピュータが行ったりでは何時間、何十時間もかかる計算をあっという間に行う、というレベルのものでした。たしかにすごいことかもしれませんが、ただの速い計算機とも言いかえられます。
紹介動画にもありましたが、ここ数年のAIの進歩では「質問に答えられる」という点が非常に大きな技術かもしれません。それにより、Siriなどが登場したり、AmazonのアレクサなどのAIスピーカーが登場しました。
今だと「ChatGPT」がものすごく話題となっていますね。「ChatGPT」は何かと言われると、「すごいAI」くらいしか説明できません(笑)。「今までよりものすごく便利なAI」とか。。。
Wikipedia先生によると、こういうことらしいです。
ちょっと何いっているかわからないですが、一般人の肌感としては、「ChatGPT」は「人工知能もついにここまで来たか」感がAIスピーカーなどよりもはるかにありますよね。
では、AIにできることというのはどんなことでしょうか。
まさに先ほどの「ChatGPT」であれば、色々な疑問を解消するだけでなく、文章を書き上げることもできてしまいます。
「ChatGPT」といくつかの会話を繰り返し、最後に「ではこれをまとめて文章にして」とお願いすると、それっぽいものができあがるのです。卒論とか「ChatGPT」で書く大学生が増えそう。
マーケティングの業界で言えば、「セールスレター」などの売り込みのための文章は、すでに「ChatGPT」が活用されていたりします。圧倒的な時間短縮。
効果の程はわかりませんが、正しい情報を「ChatGPT」に送ることができれば、しっかりと反応を得られるセールスレターができそうです。
これと近いかもしれませんが、ソースコードを書くなども「ChatGPT」はお手の物です。システムのプログラムを書くということです。優秀なエンジニアが知識と経験を活かし美しいプログラムを書くという時代は、「ChatGPT」の登場で終わりになるかもしれません。
そして、画像の生成が今は話題になっています。冒頭のアドビ社のPhotoshopの新機能のようなものです。
セールスレターもプログラムのコードも、どちらも「言語的」でした。Photoshopのような画像の生成はそれとはちょっと違うというか、「言語的」ではない部分についてもAIが有用だということを示しました。
たとえば、この動画で紹介されているようなことができてしまいます。
これ、写真じゃないんです。すごいですね。
まあ、この動画の内容だと、まだまだ「描く」というより「組み合わせる」という感じではありますが、今後はどうなるかわかりません。
●AIの登場で◯%の仕事がなくなる?
「AIの登場でいらなくなる職業」というのが少し前に流行りました。改めて見てみたいと思います。こちらのサイトから引用させていただきました。
- 一般事務員
- 銀行員
- 警備員
- 建設作業員
- スーパー・コンビニ店員
- タクシー運転手
- 電車運転士
- ライター
- 集金人
- ホテル客室係・ホテルのフロントマン
- 工場勤務者
- 薬剤師
正直、ピンとこないものもあります。たとえば「建設作業員」や「ホテル客室係・ホテルのフロントマン」など。
「建設作業員」は、思考ができるだけではなく人間らしい動きが必要な仕事だと思うんですよね。だから、ドラえもんのようなロボットが開発されれば話は別ですが、今の「思考」という領域だけでは厳しい気がします。
「ホテル客室係・ホテルのフロントマン」も建設作業員と近しいところがあるのと、あとホスピタリティを感じたい職業はまだなくならない気がします。機械にホスピタリティを発揮されても。。。
なお、上記に上げた職業以外は安心かと言えば、そんなことはないでしょう。上記にはなぜか弁護士や司法書士、税理士などの「士業」が入っていません。「知識」を売りにする職業は厳しくなると考えます。
余談ですが、先日弊社の担当社労士にとても不満を感じました。聞けば答えてくれるが、先回りしてリスクを回避しようとしてくれないからです。はっきりいいますが、それならAI社労士で本当に十分。
上記に挙がっている職業や士業ではないから安心かと言えば、そうとも限りません。オックスフォード大学の研究では、実に49%の職業がなくなるというのです。
我々のようなクリエイティブな仕事も例外ではないかもしれません。ちょっと前までは、AIにはクリエイティブなことはできないと思っていました。今もまだ実際には得意分野ではないでしょう。
しかし、先ほどのPhotoshopの新機能などは、あぐらをかいていた私を「え!?もうそこまで来てるの!?」と驚愕させるものでした。
我々が提携している弁理士事務所の所長も、「AIなんて、スーパーコンピューターの延長だから、そんなに恐れることはない」と、つい2〜3年前まで言っていました。特許も扱う弁理士が、です。
「シンギュラリティ」という言葉をご存知でしょうか。日本語で「技術的特異点」と言います。これは、人間の脳と同レベルのAIが誕生する時点を表す言葉です。
AIの成長(進化)の速度は圧倒的なわけで、もしも人間の脳と同レベルのAIが誕生したら、それはあっという間に人間を追い抜いていくことを意味します。
こうなったら「49%の職業」どころではないかもしれません。22世紀まであと70年弱ですが、「量子コンピュータ」なるものの完成とあわせたら、本当にドラえもん的なものが登場する可能性を十分にはらんでいるわけです。
さて、これは私たちにとって良いことなのでしょうか?
●技術では人間は幸せにはならない
AIがこれ以上発達した世界は、私たちにとって良い世界なのでしょうか?
私はまったくそんなことはない、むしろ我々一般人にとって恐ろしい時代となると考えています。
なぜそう思うかというと、私には根底に次の2つの考えがあるからです。
- 技術は人を幸せにするとは限らない
- 労働なき富は大罪である(ガンジー)
「技術は人を幸せにするとは限らない」は、以前もこのコラムで題材にしました(第645回)。
戦後、世界はさまざまな技術が生まれ、それによりたしかに仕事のある面は便利になり効率が上がりました。古くは電話、FAX。今なら携帯電話とパソコン、インターネットなどは仕事で当たり前のように使われています。
これらは確かに仕事を「効率化」しました。しかし、そうして生まれた「効率」はどこに費やされたか。コストです。価格を下げることに使われたのです。
10の製品を生むのに今まで10時間かかっていたとします。技術の進歩により、5時間で10を生産できるようになりました。これを、労働時間を短くすることに使うのではなく、安く売るほうに使う。
結果、今までと同じ10時間の労働時間は変わらないのに、20つくらされて安く売られる。倍つくったら利益が倍になるかと言えば、安く売っているのでそんなことはない。多少利益が増えたとしても、それが給与に反映されるとは限らない。
さらには、技術の進歩で人が要らなくなった分、人件費を下げる(=社員を減らす)ことで利益を出そうとする動きを企業は取った。
それどころか、技術が進歩した結果、生産するために必要な職人技などの必要性が下がり、労働力の安い国での生産が可能になった。さらに安く売るために積極的に生産拠点が安い国に移った。
こうして世界中のあらゆる国(主に先進国)で職を失う人が増えてしまいました。
私はAIでも同じことが起こると考えています。AIが仕事に活用されれば、人をより幸福にするためではなく、一部の人間の「経済合理性」「経済による支配」のためにそれが活用されるということです。
結局、その技術云々ではなく、そこに関わる人間次第で、その技術は人を幸せにも不幸にもするわけです。
先日、「Winny」という映画を見ました。これは、「Winny」という仕組みをつくったある天才日本人エンジニアの話です。「P2P(ピア・ツー・ピア)」という技術を開発した人で、これは現在のブロックチェーンの技術にも活用されていると言われています。
しかし、このエンジニアは後に逮捕されます。「Winny」はファイル交換システムです。「Winny」を介して、多くの人が著作権を無視してさまざまな音楽や動画、ソフトのやり取りを無償で行ってしまったためです。
裁判の結果、開発者は無罪とはなりますが、その後若くして亡くなっています。
映画ではこのように言われています(実際に裁判でも主張されていたようです)。「(Winny事件は)包丁で人を殺したら、包丁をつくった人が逮捕されるようなもの」。結局は利用者の人間性の問題というわけです。
これはAIでもまったく同じです。「技術」そのものが良いか悪いかではなく、それを使う人間の資質次第だと。AIどころかすべての「技術」が同じわけです。
たとえば「原発」。原発や原子力の技術が悪いわけではなく、それを戦時に攻撃しようとする人間が悪いわけです。
「地震のリスクがあるじゃないか」という話もあります。たしかに。でもそれは原発の技術の問題でしょうか?
日本の原発は、なぜか活断層の上につくられているケースが多いです。実際に建設前に活断層の調査を行ったという話ですが、ではなぜあとから見つかったのか。本当はわざとその上につくったのではないかとすら私は勘ぐっています。
もしそうだとしたら、やはり技術の問題ではなく人間の問題です。
AIにより、「自分だけ楽に儲かればいい」「一部の人間だけ得すればいい」という人間性の低い人が楽に儲かるようになったとして、その裏側では誰かが職を失っているとしたら、そしてそのようなことが繰り返されたとしたら、日本は、世界はどうなるでしょうか?
お金と経済による支配はますます進むでしょう。国はベーシックインカムを導入し、国民を管理下に置きます。ベーシックインカムに依存せざるを得ない国民は、厳しい全体主義でも従うしかありません。
AIは人間と同じです。人間が子どものころにどんなふうに育てられるかによりどんな人間性になるかと同じで、どんなデータを学習させるかにより弾く答えは変わります。つまり、やはり技術の問題ではなく、誰がどんな目的で開発しているか、開発資金を出しているかを見なければ、この技術がどのように使われるかはわからないわけです。
この「AIを誰がどんな目的で流行らせようとしているのか」の視点がなければ、いつか自分に跳ね返ってきて、手痛いしっぺ返しをくらいます。しっぺ返しどころではすまないでしょう。「ChatGPTすごーい!」とか言ってる場合じゃないんです。
私はAIの究極の目的は、「人間不要の世界」だとわりと本気で思っています。AIは「合理化の権化」だと。
そこで、私はもうひとつの「前提」が重要だと考えています。それが、ガンジーの7つの大罪のひとつ「労働なき富(は大罪)」です。
人間にとって「働く」ということの意味は、お金を得る以上に重要なものをはらんでいると思います。「働くことの意味」をお金以外に、お金以上に持つことができるかどうかが重要だと思います。
ガンジーの言葉は、一見すると「働いてお金を得るべき」と捉えがちかもしれませんが、私は逆説的に「働かないで富を得ようとすることの危険性」を示唆していると感じます。
「お金以外に働く意味を見出さなければならないよ、そうしてはじめて富を得なければならないんだよ」ということを、「お金を得られるなら必ずしも働く必要はない、は危険な考えだよ」ということを教えてくれていると考えています。
この信念ともいえる考えを人が忘れたとき、AIは私たちにとって悪魔になるでしょう。AIの出現は、我々に仕事の意味を今一度考えさせてくれるものなのかもしれません。
この先の世界に登場するのは、悪魔でしょうか、ドラえもん(人間にとってステキな存在)でしょうか。それは私たち一人ひとりの人間性にかかっています。
今回はここまでです!
投稿者プロフィール
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ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。
かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。
2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。
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