ロゴコラムLogo column
3月に入りました。2023年もあっという間に6分の1が終了。
ビズアップはありがたいことに毎年2月と3月が繁忙期です。今、繁忙期まっただ中。ロゴやブランディングのご依頼、たくさんお待ちしております!
さて、今週のコロコロニュース(というかコオロコオロニュース)。ちょっとボリューミー。
添加物が少ないPascoはこの業界唯一の良心だと思っていたのに
打った方、次はコオロギです、大丈夫、国がウソつくはずないから(笑)
この記事を書いたり載せたりした産経のやつに良心の呵責はないのか?
ちなみに私は、「コオロギ」は本当の狙いではないと思っています。本当の狙いは、遺伝子組み換えの食物をはじめとした「人工食物」を食べさせること。
なぜ「コオロギ」なのかというと、「コオロギよりはマシ」という土台を構築するためにやっているのではないかと思います。
コオロギ、おひとついかがですか?
さて、コオロギは誰だって食べたくないですよね。でも、食べざるを得ない状況になったらどうでしょう?もう食料という食料がなくなって、コオロギ食べなきゃ生きていけない、となったらどうですか?
コオロギは今の段階では「誰も欲しがらない」ですが、状況によっては「必要とされる」可能性があるわけです。現時点では、誰のウォンツ商品にもなっていませんが、これから食糧難をわざと起こされたら「ニーズ商品」になる可能性があんですね。
というわけで、今日は「ニーズ(商品)」と「ウォンツ(商品)」のお話。
結論からお話すると、これからの時代は、売るほうも買うほうも「ウォンツ商品」の価値をもっともっと高めていかないといけないよ、という話です。「ニーズ商品」の時代は終わりました。というか終わらせなければならない。
●そもそも「ニーズ」と「ウォンツ」って??
そもそも、「ニーズ」と「ウォンツ」とは何かについて、多くの方が理解はされていると思いますが、一度まとめます。
「ニーズ」と「ウォンツ」を直訳すると、それぞれ「必要」と「欲しい」です。
つまり、「ニーズ商品」と言ったときには、それは「欲しいわけではないけど必要だから購入」されます。「ウォンツ商品」は、「必要とは限らないけどほしいから買う」となります。
たとえば、ティッシュペーパーはニーズ商品と言えます。トイレットペーパーもそうですね。お米や塩などもそうかもしれません。これらは欲しいから買うというよりも、必要だから購入されます。
ウォンツ商品だと、花などはどうでしょう。なくても生活できますが、あると素敵な気分になりますね。
飲食店はどうですかね。家でご飯を食べればすむのにお店に行くわけですから、ウォンツ商品ですね。お酒なんかもそうです。
これらはなくても生きていけますが、あると人生をハッピーにしてくれる可能性が高いです。
「ニーズ商品」と「ウォンツ商品」の関係って、実はあるものとの関係に似ているんですよね。そのあるものとは、「カウンセリング」と「コーチング」の関係です。
「カウンセリング」と「コーチング」って、どちらも相手を励ますというか、引き上げるみたいなイメージがありますよね。ただ、この2つはきれいに棲み分けができていると言われています。それは、
- 「カウンセリング」:マイナスの状態をプラスマイナス0の状態(≒元の状態)にすること
- 「コーチング」:0またはプラスの状態をさらに高めること
です。これってまるで、「カウンセリング」が「ニーズ商品」で「コーチング」が「ウォンツ商品」というのと構図がほとんど一緒です。ちょっと図解してみましょう。
こんな感じでしょうか。QOLとは「Quality of life」の略で、「生活の質」という意味です。ニーズ商品がなければ生活の質は落ちてしまいます。ウォンツ商品はなくても生活の質は保てますが、あるとさらに高まります。
さて、ニーズ商品とウォンツ商品というのは、同じ商品カテゴリでも変わったりします。たとえば自動車。
軽自動車を買う人とフェラーリを買う人とでは、同じ「自動車を買う」ということでも、それぞれの人が「ニーズを持っている人」か「ウォンツを持っている人」かが違うのは想像がつくと思います。
つまり、人によってニーズかウォンツかは変わるということです。
洋服なんかもまったく同じですね。裸である状態を避けられるのならばデザインなんか関係ないという人にとってはニーズ商品、オシャレしたいという人にとってはウォンツ商品です。
私たちの「ロゴ」なんかもまったく同じで、企業の担当者さんからしたら「上司から言われたから必要」というニーズ商品ですが、その上司のさらに上の・・・といって社長までたどり着くと、だいたいが「ロゴ!ほしいかも!」というウォンツ商品になります。
ちなみに、「お酒」はウォンツ商品とお話しました。たしかにそうです。呑まなくても生きていけますから。ところがですね、呑まないと生きていけない人もいるんです。アルコール中毒の人です。
アルコール依存症、ギャンブル依存症、いろいろな依存症がありますが、「依存症」とはウォンツがニーズになってしまうことをいうのかもしれません。過ぎたるは及ばざるが如し。。。
●QOLを上げてくれるのは、「ニーズ商品」か「ウォンツ商品」か?
ニーズ商品よりもウォンツ商品のほうが圧倒的に高く売ることができます。もちろん例外的に高いニーズ商品もありますが(高度医療など)、基本的にはそうです。
先ほどの例で言えば、軽自動車よりもフェラーリのほうがはるかに高い価格で売られていますよね。お米なんかもニーズ商品かと思いきや、「皇室御用達のプレミアム米」とかであればウォンツ商品になり、普通のお米よりも高く売られることは想像に難くないです。
また、ニーズ商品は安ければ安いほどよく、ウォンツ商品は必ずしも安い必要はない、むしろ高いほうがいい場合もあると言えます。
欲しいわけじゃないけど必要だから買う、だからお安く済ませたいわけですし(ニーズ商品)、高いから価値も高いだろうと人間は脳の構造上感じてしまいます(ウォンツ商品)。
フェラーリと軽自動車が同じ価格ならば、フェラーリは価値が高いものとは思われないでしょう。
冒頭でもお話した今号の結論、それは
- 売るほうも買うほうも「ウォンツ商品」の価値をもっともっと高めていかないといけないよ
でした。これは言い換えるならば、「QOLを上げてくれるのは本当はウォンツ商品なんだよ」ということです。
ところが、日本人の特性でしょうか、「贅沢は良いことではない」とか「欲しくても我慢する、我慢強さを身につける」みたいな考えはけっこう根深くありますよね。「必要なものなら仕方ないけど、ほしいものをたくさん買うのはみっともない」みたいな価値観というんでしょうか。
でも、「必要なものにばかりフォーカスしていたら、そのうちコオロギ食わされるよ」ということが言いたい(いや、マジで。後述しますけど)。
たしかにニーズ商品がQOL(生活の質)を上げた時代がありました。
それは「モノの時代」です。
「モノの時代」とは、私の師匠である故伊吹卓先生が提唱する「モノ、デザイン、色の3つの時代」のうちのひとつです。
たとえば、食べ物を腐らせずに保存する方法がなかった時代に、冷蔵庫が登場しました。洗濯板を使ってゴシゴシしなくても勝手に洗ってくれる機械も登場しました。
これらは飛ぶように売れました。デザインなんか関係ありません。ダサかろうがなんだろうが、その「機能」がほしくてみんな購入したわけです。これが「モノの時代」です。
今はモノが飽和しきっています。モノが飽和しきった状態では、ニーズ商品ではQOLが上がりません。冷蔵庫を買い替えたとしても、QOLは大して上がらないわけですから。
これらのニーズ商品(冷蔵庫や洗濯機)はたしかに人々のQOLを爆上げしたといっても良いでしょう。だからニーズ商品がQOLを上げるということもありえる。。。
しかし、ちょっと考えてみましょう。洗濯機や冷蔵庫って、本当に「ニーズ商品」なのでしょうか?
いや、今ではそうでしょう。どの家庭でも冷蔵庫と洗濯機がないと困ります。でもですね、これらが登場する以前から、人は食料を保存し、洗濯をしていたわけですよね。
と考えると、実は今はニーズ商品でも当時はウォンツ商品だった可能性が高い。時代によってニーズかウォンツかが変わるわけです。
こう考えると、やはりQOLを上げるのはウォンツ商品なのではないでしょうか。
さて、「今はニーズ商品」と言いました。はいそうです。共働きしないと子どもを育てるだけのお金がない、こんな家庭が大半の日本人が、洗濯板を使ってゴシゴシ洗濯している時間なんてないわけです。だからニーズ商品。
でもちょっと待ってよ?これって何かに似てません?「ウォンツ」から「ニーズ」に変わるとき、何が起こるんでしたっけ?
そうです。「依存症」です。「これがないと生活できない」は依存症なんです。これ、本当に幸せな状態でしょうか?
そして、日本って物価がどんどん下がっていますよね。「ウォンツ商品」から「ニーズ商品」に変わったって言いましたが、「ニーズ商品」の価格って、「安ければ安いほどいい」でしたよね。
そうです。モノが飽和状態になり、「ウォンツ商品」から「ニーズ商品」に変遷したことで「安売り競争」がはじまり物価が下がった。
つまりデフレの原因は「ウォンツ商品」に価値を置かず「ニーズ商品」にばかり目を向けてきた私たち(売り手も買い手も)にあったんです。
こう考えると、「ニーズ商品」って実は「ウォンツ商品」が劣化したものなのかもしれません。そして「依存症」の危険性をはらんでいる。
「依存症」の人に行う行為って、たしか「カウンセリング」でしたよね(怖)。ニーズ商品に取り憑かれているということは、プラスマイナス0よりも下のラインをウロウロしているわけですから、幸せな状態ではないですよね。
「依存症」「カウンセリング」「不幸」。点と点がつながってきました。。。
●感動すること、愛を感じること、喜びを感じることの価値
人間は、極論すると2つの行動しか起こしません。
- 「快楽」を求める行動
- 「不快」を避ける行動
これってまさに「ニーズ商品」と「ウォンツ商品」と同じ構図ではないでしょうか?
- 「快楽」を求める行動 = ウォンツ商品:人々をハッピーにしてくれるもの(愛、感動、喜びを感じるもの)
- 「不快」を避ける行動 = ニーズ商品 :困りごとの解決
そしてなにより、人間の脳は、イヤなことや恐怖などの「不快」なほうに「快楽」よりもはるかに敏感に反応するようにできています。つまり、ウォンツ商品よりニーズ商品のほうが確かに売りやすい。
「ウォンツ商品」ではなく「ニーズ商品」を重視してしまうことの危険性をお話してきましたが、もうひとつあります。それは、「わざと困りごとを起こすやつがいる」ということです。
わざと困りごとを起こして解決手段を売りつける、これを「マッチポンプ」と言います。自分でマッチで火をつけてポンプで消すという自作自演行為です。
これ、昔はもっとわかりづらくやっていました。
たとえば食品添加物などは日本は世界一基準がゆるく(ヨーロッパが数種類のところ、日本は1,500種類許されている)、それによりさまざまな病気を引き起こされていると言われています。がん患者は日本が世界一ですよね。
さあ、誰が儲かります?
こういうことを、コ□ナ以降、悪い奴らがあからさまにやりはじめ出したのが今の時代です。
なぜマイナンバーカードをスマホに入れないと病院を受診できないようにしようとしているのでしょう?食糧難が騒がれているのに、なぜ酪農家さんが牛を殺処分したら補助金を出すのでしょう?なぜ農家の方々に補助金を大して出しもせず、コオロギに大量の補助金を出すのでしょう?
それもこれも、「快楽」を求める行動よりも、実は「不快」を避ける行動のほうが中毒性があるからです(依存症)。その依存状態から抜け出せなければ、絶対に幸せにはなれません(QOLはプラスにならない)。最後はコオロギを食べることになります。
図解するとこんな感じ。
絵が下手(笑)
私たちが本当に目を向けなければいけないのは、「ウォンツ商品」です。価値を感じなければならないのは「ウォンツ商品」。
たしかに「ウォンツ商品」というと、先ほども言いましたが贅沢なイメージがあるかもしれません。
じゃあ、「結婚式」はどうでしょう?
私は、「結婚式」は「究極のウォンツ商品」のひとつだと考えています。
普通のレストランに行けば15,000円くらいで食べられそうな料理に30,000円も払って(ご祝儀)誰もクレームを言わないのはなぜでしょう?(ちょっと毒のある言い方ですが笑)
それは、感動があるからです。愛を感じるからです。人を大切に思えたり、涙を流したり、感謝をしたりできるからです。こういうサービスこそ、堂々とお金を取るべきなんです。
もっと多くのビジネスマンが、ウォンツ商品を開発して販売していく世の中にすることが、多くの人をハッピーにすると考えます。
もちろん、ウォンツ商品があればニーズ商品はいらない、という意味ではありません。それとウォンツ商品の価値を認めないこととは別問題だということです。
多くの人が「優先順位はニーズ商品、次に余裕があったらウォンツ商品」となっていると思います。ダメです。困りごととニーズ商品のラットレースから抜け出せません。
何か高いものを買えということではありません。感動すること、愛を感じること、喜びを感じることにもっとお金を使いましょうということです。それはモノかもしれないし思い出になるものかもしれない。なんでもいい。それこそお花一輪で人を喜ばせることだってできます。
※ただし、不幸を利用して感動を押し付けてくるヤツらがいるので注意。たとえばテレビの動物番組で不幸な動物を出して感動を誘うとかはウラの意図があるはず。24時間テレビとかも。
さて、ニーズとウォンツについて熱く語ってきました。
最後に、みなさんに「壺」を売りたいと思います。2つのセールストークを用意します。どちらから買うべきですか?
- A:新進気鋭の現代アーティストがつくった作品です。100万円です。
- B:この壺を持っておくと、あなたは必ず幸せになれます。100万円です。
いかがでしょうか。同じ「100万円の壺」を売っていますね。どちらがニーズでどちらがウォンツかを考えれば、答えは明白ですね。
ちなみにBの「あなたは必ず幸せになれます」というセリフに引っかかる人は、無意識のうちに「今の自分は不幸だ」と認識しています。つまり、これで壺を買ってしまう人は、困りごととニーズ商品のラットレースから抜け出すことはできません。
自分は幸せものだと感じている人がウォンツ商品を買い、より幸せな気持ちになれ、自分を不幸だと認識している人がニーズ商品を重視しより不幸になるという、なんだか物悲しい構図がそこにはあります。
今回はここまでです。
津久井
投稿者プロフィール
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ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。
かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。
2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。
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