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このメルマガも今号で599回を迎え、来週は記念すべき600号目となります。
1年でおよそ50号、書き連ねて12年となりました。光陰矢の如し。
さて、コ□ナ、もう終わりでいいですよね?何が恐いのでしょう?ワ●チソ(を無理やり打たせようとする動き)のほうがよっぽど恐いけど。。。
まだマスクをつけている人は何が恐いんでしょうか?特に屋外でつけている人。屋外もマスク必要なら、室内や電車の車内を換気する意味ないですよね(笑)。みんなちょっと冷静になれよと思う。
そして東京都がしれっとワ●パスを導入しようとしてますね。特典までつけて。本当にひどい世の中。都民のためとウソをついて他の目的を果たそうとしているとしか思えないですけども。
ただ、東京都だけじゃないんですよね。世界的にこういう動きとそれに反発する市民運動が起きていて、今まで私が生きてきた中で一番世界がおかしいのは明白です。こんな時代なかったよ。。。
というわけで今週のコロコロニュースはこのあたりでしょうか。twitter情報ですが、リンクだけ載せておきますので興味がある方のみご覧ください。
そろそろコロコロニュースも終わらせたいな。今、切に願うのはワ●パスの導入阻止のみ。人体への害のみならず、人権の観点からもこれだけは絶対にやらせちゃいかん。。。
話は急に飛びますが、そういえばユーキャン流行語大賞のノミネート作品(作品なのか?)が発表されましたね。
今年はこんな感じだそうです。
- イカゲーム
- うっせぇわ
- ウマ娘
- SDGs
- NFT
- エペジーーン
- 推し活
- 親ガチャ
- カエル愛
- ゴン攻め/ビッタビタ
- ジェンダー平等
- 自宅療養
- 13歳、真夏の大冒険
- ショータイム
- 人流
- スギムライジング
- Z世代
- チキータ
- チャタンヤラクーサンクー
- ととのう
- フェムテック
- 副反応
- ピクトグラム
- 変異株
- ぼったくり男爵
- マリトッツォ
- 黙食/マスク会食
- ヤングケアラー
- リアル二刀流
- 路上飲み
ヤバい。。。あまり知らない。。。流行に完全に乗り遅れている気がする。
個人的には「NFT」あたりは関心があります。
「NFT」というのは説明が難しいんですけども、「非代替性トークン」と言いまして、すんごくざっくりいうと、ネット上の情報やコンテンツに権利者をつけることができるというもの。
なので、デジタルアートなどの売り買いができるようになるという代物です(この解釈で正しいかと言われると少し不安なくらい抽象的なお話なんですけども)。
「ネット上の情報やコンテンツの権利なんて誰がお金出すんじゃ!」と思っていましたが、こういうものを見たときにちょっと自分の中の意味合いがかわりました。
これ、発売から9分で即時完売。価格はおよそ140万円だそうです(決済はイーサリアムという仮想通貨)。
他にも「有名な〜〜さんのツイート」みたいなものもNFTによって売り買いの対象となるようです。
NFTにより、新しい市場が確かにそこにできそう。
流行語大賞に話は戻りますが、個人的には、今ブランディングの研究対象として少しハマっている「進化系」がここに入ってほしかったな(笑)。
というわけで、本日は「進化系」についてのお話です。
●お客さまに教えてもらった変わった八百屋さん
大阪でフルーツの卸売業をされているお客さまがいらっしゃいます。とても仲良くさせてもらっていて、何度も呑みにいったり。。。
そのお客さまに教えてもらったのですが、大阪の福島区で創業した「八百鮮」という八百屋さんがとても変わっていて評判だということでした。
さっそくサイトを見ると、従来の八百屋さんのイメージを逸脱した八百屋さんの進化系がそこにはありました。
さっそくホームページのリンクを貼って起きますので、まずはお目通しいただくとよいかと思います。
面白い。いい意味ですごく「男臭い」八百屋さん。
この「男臭さ」や「アツさ」というものには「好み」があります。「あまり好きじゃないや」という人もいるでしょう。しかしここまで「こだわり」を感じると、売っている商品にも「当然こだわりがあるだろう」と誰もが感じてしまいます(思わされてしまいます)。
八百鮮さんは八百屋からスタートして、今では鮮魚や精肉なども事業として展開されているようですが、同じようにうまくいくイメージがありますね。
しかし、八百屋さんの進化系は実は八百鮮さんに限りません。実は最近、ちょいちょい「八百屋の進化系」が出てきています。
たとえば、こちら。
現在17店舗ほど展開している「una casita」。サイトを見ただけだとイマイチ想像がつかないかもしれませんが、店舗を見ると「進化系感」を感じることができます(ビズアップの最寄り駅にもあります)。
「una casita」はどうやらスペイン語らしく「ウナカシータ」と読むそうなのですが(「小さな家」の意)、「おなかすいた」と聞こえることからそこにかけています。店名のロゴタイプも頭文字が「O(おなかのオー)」かと思いきやよく見ると「U」でした。
一説には店内の木製の陳列什器などはすべてオリジナルで手づくりしているとか??
こちら、実店舗には行ったことがないのですが、サイトを見る限りだと、そのデザインや写真のテイストから感じる統一感から察するにやっはり進化系でしょう。「代官山」ですし(笑)。
どうやらアパレルなどのオリジナル商品も出されているようですね。八百屋さんなのでファーマーズルックっぽいアイテムが取り揃えられております。かわいいです。
こちらも、もう一歩デザイン的に踏み込んでも良さそうですが八百屋さんの進化系と言えそう。
まず、名前がいいですよね。「代官山」もそうでしたが「神楽坂」もすでにコンセプトを含むワードです。多くの人がちょっと特別感を感じるのではないでしょうか。
やはりデザインにこだわることで、そこに売っている商品にもこだわりを感じます。
他にも中目黒にイタリアンのイートインスペースを併設した八百屋さんがあり、そこに見学に行こうとしたのですが、どうやらコ□ナの関係でイートインスペースは今稼働していないようなので紹介を断念しました。
残念なのは私の住む町の商店街にある八百屋さん。いわゆる昔ながらの八百屋さんなのですが、肉屋さん、魚屋さんがスーパーにやられて閉店してしまった中(20年前くらいに)、未だに孤軍奮闘されています。
何が残念かというと、こだわりを感じず価格勝負に出てしまっている点です。そこの八百屋さんの女将さんが、スーパーに偵察に来て野菜の値段をメモっているところを見かけてしまいました。
勝負すべきポイントはそこではないのに。。。なぜスーパーで買ったほうが楽なのに、お客さんはわざわざその八百屋さんに来てくれるのか。そこの消費者心理を理解しないとずっと苦しいままです。ちなみにスーパーの野菜の質は非常に悪いです。
●進化系とは?
このコラムの熱心な読者さんであれば「進化系」をご存知かもしれませんが、改めて説明します。
今までも「コインランドリーの進化系」や「おせんべいの進化系」、「コーラの進化系」などをこのメルマガで紹介してきましたが、「進化系」とは旧態依然とした業界や商品に新しいイメージ、他にはないイメージを取り入れてバージョンアップさせたものです。主にデザイン(見た目)により今までにはないと「感じる」イメージを構築します。
コンセプトや見栄えを今までにないものに変えることで、その商品、業界が今までとは違った認識をされヒットするわけです。
時代は繰り返すといいますが、洋服や音楽も一周回って、みたいなことはよくありますよね。たとえば私が高校生のころはベルボトムのズボンが流行りましたが、それを見た父親に「パンタロンがまた流行っているのか?」と聞かれたことがあります。
実はこれ、ただ単に1周しているのではありません。ちょっとずつ形を変えている、つまり進化しています。考え方としては螺旋です。真正面から見るとただ単に1周したように感じますが、立体でとらえると少し進んでいるわけです。
では、進化系にするとなにがうれしいのか。
このメルマガで何度も登場する、私のデザインの師匠伊吹卓先生が考案した「メリコの法則」を使って解説します。
- メ:目立つこと
- リ:理解できること
- コ:好感が持てること
まず目立つかどうかといえば圧倒的に目立ちます。すでに知っているモノ、コトが新しくなって登場する。その際にまだまだ旧モデルが残っていれば残っているほど相対的に目立ちます。ギャップを感じさせることができるからです。「え?これがおせんべい屋さんなの?」「こんなコインランドリー見たことない!」となります。
理解できるかということに関してもアドバンテージがあります。すでに知っているから、「what(そもそも何なのか)」が一発でわかります。
そして好感が持てるかどうか。前述のとおりここでデザインが大きな役割を果たすのですが、進化系では「今までと違う」ということと「ステキだ」ということを表現するのがデザインであることがほとんどです。進化系では好感をもってもらうことが大前提ですから、メリコの「コ」に関しては当然ながら備わっています。
まさに売れる商品の条件「最適レベルの新しさ(MAYA段階といいます)」に見事に合致します。
また、今まであったものが目立って新しくて洗練されている、こうなるとメディアで取り上げられる確率は格段に上がります。そうすると時流を生み出すことができます。進化系が強い理由のひとつとして、この「時流を生み出せる」ことが挙げられます。
さらには、デザインをおしゃれにしただけではない進化を遂げた進化系もあります。コインランドリーの進化系「Baluko Laundry Place」はただ単にコインランドリーのイメージチェンジをしただけではありません。コインランドリーを使う人のニーズやウォンツを良く考えてクリーニング店を併設したりカフェを併設したりしています。
この「進化系」で注意しなければならないのが、「ほぼ早いもの勝ち」という点です。
進化系のポイントは、「知っているけど違う」という点であり、言い換えるならまだ誰もやっていないということです。「すでに知っている」では相対的に目立つことはできません。いち早く進化系として業界の「元祖」になり、消費者の脳内シェアを奪えるかどうか。二番煎じだと「パクリ」という評価をされてしまうことすらあります。
これについては、「高級食パン専門店」が多すぎるという話を以前このコラムでしました。
なので今お持ちの商品が「進化系」になれるならばすぐにでも行動を起こすべきです。
重要な注意点として、基本的にはBtoCの業界、商材であることが多いという点です。もちろんBtoBで成立しないわけではないと思いますが、今のところ事例で見かけるもののほとんどがBtoCです。
●画(え)だけじゃなく言葉も重要
進化系では主にデザインにより進化前の「それ」との違いを出す、とお話しましたが、やはり言葉も重要です。ブランディングは言葉と画(え)で行います。
そういう意味では、やはり最初に紹介した八百鮮さんは秀でているなと感じます。
たとえば、八百鮮さんのサイトには以下のような言葉が出てきます。
「八百屋を日本で一番かっこいい仕事に。」
これを聞いたときにどう感じるでしょうか?
正直いって、誰の頭にもあるのが「八百屋さんという仕事はかっこいいものではない」というイメージです。小学生や中学生に「将来の夢は?」と聞いて「八百屋さん!」と答える子は、実家が八百屋さんでもない限りほとんどいないのではないでしょうか。
だからこそ、なのです。そんな八百屋さんを日本一かっこいい仕事にするという夢を応援したいと思えたり、決して良い大学などでていなくても、誰でも輝くチャンスがあると感じる言葉になっていると言えます。
そして「オレでも輝けるかもしれない」と思った従業員が対応する接客には、自ずとそうではないお店の従業員の接客と違いが出てくるだろうということも容易に想像ができます。
個人的にはそういったことも含め、以下のコピーにすべて集約されている気がしてなりません。
「八百屋だからか?」
「八百屋なのに だ。」
他にも、「SEND GUYS」と称された八百鮮さんのリクルートサイトには次のようなコピーがあります。
「シャッター街を、こじ開けろ!」
個人的には大好きです、こういうコピー。可能性を感じるなー。
八百鮮さんがさらにブランド力をつけていけば、目的行動をお客さんに起こしてもらえます。目的行動とは「わざわざ八百鮮に野菜を買いに行く」という行動です。
こうなると、シャッター街であることは有利に働きます。テナントの賃料を安く抑えられる可能性が高いから。
そして八百鮮さんにより人流ができれば他のお店のシャッターが開いていく、商店街が生き返る。うーん、楽しそう。
うちの長男とか就職させようかな(笑)。雇ってもらえるかわかりませんが。。。
「チラシを打つな!但し、全部売り切れ!」
このコピーも「意志」を感じるステキなコピーです。売り込むのではなく愛されて買ってもらうという意志。実際に口コミを大切にし、広告費をかけるくらいなら商品の価格に還元するということのようです。
ちなみに「SEND GUYS」は映画の予告編のような採用動画もつくられており、ユーモアに富んでいて一見の価値があります。
このように、デザインだけでなく言葉へのこだわりも同時に持つことで、ブランディングはより強力になります。進化系であればよりその存在を際立たせてくれます。
何より、「why」を感じますよね(「why」は津久井の心の師匠サイモン・シネック氏が提唱する「ゴールデンサークル理論」で一番重要とされているもの)。
野菜を買うなら、こういうお店から買いたいと感じる人は少なくないはずです。もちろんテイストとしての好みはありますので、もっと落ち着いた感じの店のほうがいいわ、という方もいるでしょう。だからといって「こだわりを感じない店」で良いということにはなりません。
最後にサイトに掲載されていた八百鮮社長さんのツイートをご紹介します。
御社でもまだまだ発揮されていない、本当は理解してほしいこだわりなどが実はあったりするのではないでしょうか?
今回はここまでです!
津久井
投稿者プロフィール
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ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。
かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。
2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。
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