代表作
財団法人逗子市体育協会さま
逗子市の体育協会さまが設立60周年を記念してつくられたロゴです。
逗子と言えば青い海。海に象徴される豊かな自然とスポーツをモチーフに、
躍動感あるデザインにしたいと考えました。
デザイン全体としては、逗子の「Z」を基本にしています。
下のグリーンの部分は緑の葉を、上のブルーの部分は波を表しています。
お客さまの「スポーツを通じてのコミュニケーション」をイメージしたいというご要望もありましたので、グリーンの葉とブルーの波に人間を重ね合わせ、あたかもスポーツしながらコミュニケーションしているかのようなデザイン構成にしてみました。
医療法人社団功心会 きむら歯科クリニックさま
歯医者さんですが、歯科技工士など人材の育成に力を入れているクリニックさまです。
だから、ありきたりな歯科医院=歯のイメージではなく、人=人材をイメージしたものにしようと考えました。
全体のデザインとしては、「功心会」と「きむら」のKを基本に置いています。 鳥が飛び立とうとしている姿をKに重ね合わせ、優秀な人材がこのクリニックで育って社会に羽ばたいていくイメージを表しました。
色づかいはお客さまのご希望もあり、ブルーは技術力の高さと信頼、ダークブルーは功心会の絆、オレンジは意欲・情熱を表しています。
株式会社アクアフィールバランスさま
高級化粧品の商品企画をされている会社さまです。
お客さまのコンセプトに「美の花」というのがあるので、
全体のデザインイメージを高級感のある花にし、
そこにお客さまのイニシャルであるA、F、Bを配置する形で考えました。
「質を第一に真心を込めたサービス」を表現したい
というお客さまのご希望があり、
色は高級感を出すためにシルバー一色にしました。
デザインの信条
――大場さんのデザインの信条を教えてください。
お客さまの話をよく聞くことですね。
まず、お客さまがロゴに求められているもの、イメージされているものをきちんと把握し、理解するところからロゴづくりはスタートします。 そして、お客さまの考えに、デザイナーとしての私のアイデア、イメージをプラスアルファしていきます。
こうしたお客さまとデザイナーの協働によってこそ、より良いものが目指せると思っています。
場合によっては、お客さまのイメージに沿ったものとは別に、こちらがゼロから考えて良いと思うものを提示することもあります。その場合にも、お客さまの考えをきちんと理解することはとても重要です。
――実際の仕事のなかで、こだわっていることはありますか?
シンプルということですね。
ロゴのデザインに一番求められていることは、お客さまがロゴに込めた思いとか意味を、不特定多数の人にわかりやすく伝えることだと思います。
そのためにはシンプルであることが一番ではないでしょうか 。
シンプルなものこそが一番伝わりやすいのではないですか?
ロゴをシンプルにするには、そのなかに盛りこむ情報を必要最低限のものに絞り込む必要があります。情報が凝縮された形で提示されるので、見る方にも伝えたいものがすぐにわかります。 情報をあれもこれもと詰め込むと、見る方も何が一番重要な情報なのか、迷ってしまうと思います。
お客さまの要望も最初はあれもこれもという感じが多いので、
一番伝えたいもの、特に表現したいものに絞り込むようにご提案しています。
私が最近の世の中に出回るロゴを見て感じるのは、マークなのかイラストなのかわからないものが多くなっているということです。 「威厳」のないロゴが多すぎます。ロゴは企業や団体にとってひとつしかないもの。威厳が絶対に必要だと思います。
そのためにはシンプルが一番、私のこだわりです。
ロゴ制作にあたって、気をつけていること
――ロゴ制作を行うにあたって、気をつけていることはなんですか。
「品」ですね。 品を落としたくないと思っています。
ロゴというのは、自分の会社を良く見てもらいたいとか、信頼感・存在感を表したいというものです。品がないとまずいですよね。
いろいろな要素が重なり合うと、どうしても品が落ちていく気がします。
この意味でもシンプルを心がけ、下品にならないようにしています。
ただ、シンプルすぎるとクールになって、冷たい感じを与えかねないので、その点は十分気をつけるようにしています。
――実際の制作面で、気をつけていることはありますか?
お客さまの提示されるコンセプトは大切なもので、基本的に守らなければいけません。ただ、最初からコンセプトにしばられすぎてしまうと、みんな発想が一緒になって、出てくるデザインの形が同じになってしまう恐れもあると思うんですね。
ですから、コンセプトとは少し離れたところで、ラフを描いてみることも必要だと思っています。
デザインの基本はラフを描き続けることです。
試行錯誤して描き続けるうちに、いいアイデア、イメージが浮かんできます。
プライベートについて
漫画家って、すごいと思いますね
――プライベートの大場さんについて、ちょっとだけ教えてください。
少し前になるんですけど、小冊子を出している知人の編集者からマンガを描くのを頼まれたんですよ。
用意されているストーリーに沿って絵をつけていくんですけど、今までマンガなんて描いたことなかったし、どうしたらいいのかわからなくて、とりあえず勉強のつもりでマンガを数冊買ってきて読み始めたんです。
いやー、マンガって面白いですね。読んでいくうちにマンガの世界に引きずり込まれ、もうマンガにハマってしまいました。今では気晴らしやストレス解消にはマンガを読みます。
それにしても思うのは、漫画家のすごさですね。ワンシーンごとに絵を描いていくんですから。私もやりましたけど、大変なんです、これ。簡単にはできません。しかも、漫画家によってはストーリーまで考えるんですから、スゴイ!
また、2001年から手作りでギャラリーを建設し、それから運営をしています。
今年で18年目になります。
運営会員は10名程で、他友の会の人たちと運営しています。
名称は「こんこんギャラリー」です。
陶芸、家具、絵画、織り、ガラス、アクセサリーなどetc.
年間を等して2月と8月は休館で、そのほかをずっと開館しています。
お客さまへのメッセージ
――最後に、お客さまへのメッセージをお願いいたします。
お客さまと納得のいくまで話し合いながら、良いものを一緒につくっていきたいと考えています。
要望や注文はどんどんぶつけてもらって構いません。出来上がったロゴを多くの人に好きになってもらわないといけないので、協働して素晴らしいデザインのロゴをつくっていきましょう。
それと、私にとってロゴはつくって終わりではありません。 どういうところで、どういう使われ方をされているのか見てみたいと思っています。街を歩いていて自分のつくったロゴに出会うと嬉しいし、知り合いから「お前のつくったロゴ、○○で見たよ」と言われるのも嬉しいものです。
プロフィール
大場 節男
Setsuo Oba
略歴
サラリーマン生活を経て、30歳で独立。
現在フリーのデザイナー、そしてビズアップ協力デザイナー。
主な実績
自治体や公共団体、一般企業のマーク、ロゴタイプの制作。
JAのパンフレット、リーフレット、パッケージデザイン等。
その他、自治体や企業から小冊子、チラシ、ポスター、ポストカード、サイン、パッケージなどの制作受託実積多数。漫画、イラストも手掛ける。