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さあ、11月です。「予言」したとおり、10月はあっという間でした。私の予言は当たるのです(笑)。ここからは年末までがあっという間です。
11月だというのになんだかあったかいというか、ちょっと暑いくらいですね。11月ってもうコートを引っ張り出す時期だと思うのですが。
そんな気候のせいかはどうかは知りませんが、私は今週は体調を崩してちゃんと働いていません(苦笑)。
先週の土曜日の午前中に急に熱が出たんです。私は熱が出るのはある意味「デトックス」だと思っているので、「これは休めという体からの指令だな」と思ったわけですが、咳も鼻水も喉の痛みもなかったのでおかしいなとは思っていました。
結局39℃の熱が3日つづき、背中や関節は痛いし足はつりそうだし。おまけに頭痛がひどくて、目の奥や耳の奥に電気を通されている感じの痛みがランダムに1分間に何度も訪れるという。なので全然眠れず、治りが遅かったです。
普段は熱を出しても薬はほとんど飲みません。ましてや解熱剤なんて絶対飲まない。でも頭が痛くて寝られないので、これはもう鎮痛剤(≒解熱剤)くらい飲むかと、3日目の夜にして決断。そこからは治りがわりと早く、翌日には平均して36℃台まで下がりました。
そんな中、我が家のお風呂は修繕中で使えず、翌日から活動再開するのに風呂くらい入らねばと、近所の銭湯に行ったんですね。
そしたらそこの湯船が45℃くらいあって、熱いのを我慢してむりやり入っていたら、たぶん血圧がおかしくなったんでしょうけど具合が悪くなっちゃって、ぶっ倒れそうでもう本当に他の人に助けてもらおうかと思うような状態に。
そもそも病み上がりで45℃のお風呂にムリして入るのが頭悪いんですが(汗)、それでも「そういえば脱衣所にベンチがあったかも」という機転を利かし、いったんベンチの上に全裸で横になり休憩し、事なきを得ました(汗)。
で、ちょっと動けるようになって体と頭だけさっと洗い、湯船は恐怖症になっていたので近寄らず逃げるように体を拭いて銭湯を出て家に帰ったところ、見事に湯冷めしてまた38.5℃の熱を出しました(バカ)。
なぜ人間はこのような愚かな行為をしてしまうのでしょう(笑)。それは脳の機能が関係あるのだと思います。というわけで、本日は脳みそのお話をしてみたいと思います(強引)。
その前にコロコロニュース。
さて、ワタクシですね、脳みその機能のお話が大好きなんですよ。先日もこのコラムで認知科学や行動経済学のお話(心理学的お話)をしましたが、脳みそ系のお話は独学でちょこちょこつまみ食いしております。
今日はそんな中からいくつかお話したいと思います。科学者ではないので間違っているかもしれません。あしからず。もちろん、ビジネスやブランディングなどにもなるべく絡むようにお話します。
●怖い!と感じる脳、好き!と感じる脳
「脳」って聞くと、真っ先に思い出すのは
- 右脳
- 左脳
ではないでしょうか?脳のイラストなんかも、左右にパカッと割れそうな感じに描かれていますよね。
でも、人間の脳は当然そんな簡単なつくりにはなっていません。人間の脳は、右脳、左脳の前に
- 爬虫類脳
- 哺乳類脳
というものがあります。これは、一昔前は「猿ではあることが確認されているので人間にも間違いなくあると言われている」と言われていました。今はネットを叩くとこのワードがけっこう出てくるので、知っている人も結構いるし、存在も確定したようですね。
この2つ、どんなものかと言いますと、
- 爬虫類脳・・・「危険、不快、不安」を察知する
- 哺乳類脳・・・「好き、楽しい、嬉しい」などを感じる
ということらしいです。で、何かの出来事があったときに、人間は
- 爬虫類脳 → 哺乳類脳 → 右脳・左脳
の順番で情報を処理すると言われています。
こう考えると、
- 「嫌いではない」=「好き」は成り立たない
ということがわかります(あたり前と言えばあたり前ですが重要)。
- 1.「嫌い(危険)か嫌い(危険)じゃないか」を爬虫類脳で判断
- 2.「好きか好きじゃないか」を哺乳類脳で判断
するということです。
爬虫類脳は、人間がまだものすごく小さい哺乳類だったときに、ヘビに食べられないようにするために「ヘビを見たら一目散に逃げろ!」という信号をだす「生命維持装置」のなごりと言われています。今の脳の部位では「脳幹」と言われるところになります。
で、 実際にそのとき(ヘビに睨まれたような命の危険を感じたとき)には、IQがガクンと下がる(=おバカになる)そうです。
そりゃそうです。食べられそうなのに
「え~と、逃げようかどうしようか、今の状況は・・・」
とか、ドラクエの戦闘シーンみたいに冷静に考えていたらパクっといかれて死んでしまいますから。だからIQを下げて反射的に逃げるようにする。
コ□ナがこれだけ世界中ではやった理由はここにあります。私は陰謀論好きだし、この爬虫類脳の原理も知っていたから、テレビなどのアオリにはまったく影響されませんでした。
一方で多くの人がみんなバカになるのもわかっていました。IQがガクンと下がるわけですから。
だからみんな汚ねーアクリル板を横に置いてメシを食ったり、ただでさえ意味のないマスクを外でもつけたり(外でつける必要があるなら換気は意味がない)、動物実験をすっ飛ばしてOKという謎の許可が出た液体を注射したり、それで人が死んでもまだテレビの言うことしか聞かないという、まさに爬虫類のような状態になってしまったわけです(爬虫類のほうがまだ頭いい?)。
それもこれも、爬虫類脳に訴えかけられたからなんですね。
なお、この「爬虫類脳」や「哺乳類脳」、かなーり昔から調べている人がいました。何を隠そう、私のデザインの師匠である伊吹卓先生です。
伊吹先生は1980年代後半には、京都大学霊長類研究所に出入りしてこのあたりの話を当時の教授などから直接聞いていたそうです。
そしてこのことから、伊吹先生は「人間は、好きなものより嫌いなものに1万倍敏感である」といっていました。実際に行動経済学のプロスペクト理論などもこれを表しています(利益を得るより損失を回避したい)。
なので、「少ない人にしか好かれないデザイン」よりも「広く万人に”嫌われない”デザインが大切だ」とも伊吹先生は言っていました。これは「大量生産、大量販売の時代」や「今でも大量生産、大量販売している商品」において非常に有効な手段になります。
伊吹先生の師匠で、このコラムにもたびたび登場する「レイモンド・ローウィ」という著名なデザイナーは、デザインを選定するプロセスが少し変わっていました。
つくった数案のうちのどの案を採用するかアンケートを取る際、みなさんならどうやってアンケートを取りますか?おそらく「好きなデザイン」に投票させると思います。
ローウィは逆でした。「嫌いな案」に投票させました。それも複数投票OK、というやり方です。嫌いな案しかなければすべてに投票してもOK。
こうして、ある一定の「嫌い票」を得てしまった案を排除し、残った案を採用したのです。
伊吹先生はこのローウィの手法に大注目し、日本に帰国してから「不美人(ブス)コンテスト」と名づけました。こうして誕生した有名な大ヒット商品のパッケージデザインが、アサヒ・スーパードライのパッケージデザインです。
●
脳の構造から、「嫌い」という爬虫類脳をくぐった後に、「好き」「かわいい」「愛してる」「仲良くしたい」と感じられる、つまり哺乳類脳を刺激するデザインであるかが大切になる、ということなわけですが、優先順位は、まず嫌われないこと、その後に好かれること、です。
デザインもそうですが、男女関係もそうでしょう。
非モテ男子は、「モテない」の前に単純に「嫌われている」かもしれません。女性がよく言う「生理的に受けつけない」は言いえて妙なわけです。女性の爬虫類脳を刺激してしまっている。
それはおそらく性格以前の問題です。「性格」の判断はたぶん哺乳類脳の範疇なので、そこまでに行く前に遮断されていると考えられます。
ちなみに最近では
- 爬虫類脳 = 反射脳
- 哺乳類脳 = 情動脳
- 右脳・左脳(人間脳) = 理性脳
と言ったりするらしいですね。確かにわかりやすいけど、覚えやすいのは爬虫類脳と哺乳類脳かな。インパクトが強いでしょ(メリコの「メ」)。
もう少し具体的にお話すると、
- 爬虫類脳 = 反射脳 = 脳幹
- 哺乳類脳 = 情動脳 = 大脳辺縁系
- 右脳・左脳(人間脳) = 理性脳 = 大脳新皮質
ということで、「脳幹 → 大脳辺縁系 → 大脳新皮質」という順番で処理されます。
で、「大脳新皮質」に「新」とあるとおり、ここは脳みその中でも非常に新しい部位なんですね。ここが扱っているもののひとつが「言葉」です。
「理性脳」とあるように、そして哺乳類脳が「情動脳」とあるとおり、理性と感情が相反するときは、この2つの脳の部位が戦っているわけですね。
理性的に考えれば、呑み会の量を減らせば体も楽になり、体重も落ち、節約にもなる、なのに行っちゃう。私の場合、まだ動物の脳のほうが勝っています(笑)。
さて、「新」皮質にて扱っているのが言葉であり、大脳新皮質は脳で新しい部位だとお話しましたが、これはとりも直さず言葉ができるはるか以前にも他の脳は存在した、ということを表します(当たり前ですが)。
前述した女性の「生理的に受けつけない」という言葉。これはつまり「大脳新皮質では表現できまへん」ということの代替として使われている、と言えるわけです。小田和正の「言葉にできない」が聴こえてきます(笑)。
●
では、人間はすべて爬虫類脳での判断を行ってから、つまり危険か危険じゃないかを判断してからでないと次のステップに行けないのでしょうか?
世の中にはさまざまな危険を犯す人がいますが、もしもまず爬虫類脳で判断してからなのであれば、このような危険な行為は絶対にしないはずです。なのになぜ?
実は、ひとつだけ爬虫類脳をすっ飛ばしてしまうものがあります。これがなければおそらく人類は発達、発展してこなかったでしょう。
それが「好奇心」です。
「好奇心」だけは、脳の危機察知能力をかいくぐって物事の判断を行ってしまうそうです。
たとえば、一見気持ち悪いのに食べたらうまいとか、くさってそうな匂いがするのに食べたらうまい、みたいな食べもの、爬虫類脳で判断したら絶対に口にしないはずです。
それを「好奇心」ですっ飛ばして食べちゃった人たちが、「ホヤ貝」とか「納豆」とかを見つけたのだと思います。なんでホヤ貝を思いついたかはわかりませんが、あれって食べたらうまいのに見た目はキモいですよね。。。
同じように毒キノコとかを食べて死んでしまった人もいっぱいいるでしょう。
そもそも、毒キノコとか毒を持つ生物とかは、それが彼らの生存戦略になっています。毒キノコの見た目が毒々しいのは、人間などの捕食者を殺すためではなく、キノコ自身が食べられないためだと私は考えています。人間の爬虫類脳に「おれ、危険でっせ!」と伝えるためにああいうカラーリングや造形になったのだと考えています。
それでも、たまに毒キノコに好奇心を持っちゃう人間がいるわけです。毒キノコからしたら非常に迷惑な話です。わかりやすく「食べたらあかんよ!」って伝えてるのに「食うんかい!」みたいな話なわけです。
でも、このような「毒キノコのメッセージを何かのフリだと勘違いするダチョウ倶楽部的原始人」が「見た目はヤバイけど食べたら美味しかった」みたいなものを発見したのだと思います。おそらくそういう人のかなり多くが死にましたけど。。。
沖縄のハブ酒とかも、私はいつも思うんです。なんで酒にヘビを入れようと思ったんだよって。。。
ハブ酒の歴史はわかりませんが、やはりきっと「琉球王朝のダチョウ倶楽部」と呼べるような人たちが、「(ハブを酒の中に)絶対入れるなよ!!」とかなんとか言ったんだと思います(笑)。
●解きたい脳、感じたい脳
先ほどは、男女の性別関係なく人間の脳は爬虫類脳、哺乳類脳、人間脳の3つに別れ、それぞれ別の機能があるというお話でした。今度は男女の脳の違いについて見てみましょう。
「解決脳」と「共感脳」をご存知でしょうか?
先ほどの爬虫類脳や哺乳類脳は、実際に脳の部位として存在しますが、この2つは部位としては存在しません。機能として存在します。ただ、
- 解決脳 = 主に左脳的
- 共感脳 = 主に右脳的
と私は考えています。で、どちらの脳が男性的か女性的かわかりますか?
- 解決脳 = 主に左脳 = わりと男性的
- 共感脳 = 主に右脳 = わりと女性的
なんだそうです(イメージが湧くかもしれません)。
あるセミナーではこれをとてもわかりやすい例で紹介していました。
とある共働き夫婦がいて、奥さんのほうが仕事の愚痴を旦那さんにこぼしたそうです。その話を聞いた旦那さんは「奥さんにも会社にも改善の余地があるな」と感じ、奥さんに対して「それは、ああしてこうしてこんなふうにすればよくなるんじゃない?」とアドバイスしたところ、奥さんから返ってきた言葉は次のようなものだったそうなんです。
「あなた、私の話をちっともわかっていない!」
旦那さんのほうはすごく良い提案、アドバイスをしたつもりだったのに思わぬ言葉が返ってきて面くらい、結局大ゲンカ。
これって結婚されている方なら多かれ少なかれ近い経験があるのではないでしょうか?私はあります(恥)。
私の場合は、昔ビズアップで働いていた社員とその奥さんが我が家に遊びに(ご飯を食べに)来たときに起こりました。その奥さん、ご飯の準備を手伝わなかったんですね。
それに対し、社員と奥さんが帰った後にうちのヨメが「おかしくない?」と少し不満を漏らしました。
私は逆にその社員の家に遊びに(ご飯を食べに)行ったときに、その奥さんがずっと台所に立っていろいろやってくれてもてなしてくれた経験がありました。なので、食事の準備をしたくないとか手伝いたくないということではないのではないかと思いました。台所ってその家の奥さんの大切な場所だからしゃしゃりでないほうがいいという価値観もあるだろうし。。。
そんなことをヨメに伝えたんですね。「もしかしたらこういう考えだったのかもしれないよ」と。多角的なものの見方をしてほしかったわけです。
結果は察しがつくと思いますが、キレられてケンカになりました(恥)。
さて、先ほどの共働き夫婦の事例、この時の旦那さんのベストアンサーは何だったと思いますか?
実は、
「お前もたいへんだな。」
このヒトコトなんだそうです。つまり奥さんは解決策がほしかったのではなく共感がほしかっただけなのです。うちのヨメもまったく同じ。「そうだね、もう少しお手伝いしてくれたらうれしかったよね」と言ってあげればよかったわけです。
世の男性陣からは「いやいやいや、ムズくない???」という声が聞こえてきそうです。はい、私もそう思います(汗)。
しかし、少なくともこの男女の違いを知っておくのはどんな商売でも重要だし、どんな組織のマネジメントでも重要だと考えます。
●
女性を批判するつもりは毛頭ないと先に断っておきますが、会社でも女性のほうが社員が多い場合は、男性のマネージャーは注意が必要です。
女性は脳の機能上、共感をしてしまったり共感を大切にします。これは「会社の目標」よりも優先順位が高いことが往々にしてあるということ。男性は解決脳なので目標をクリアしていくということに対し比較的ナチュラルな反応をしますが、女性は共感できなければ目標をクリアしようと思わない、ということになり得ます。
何に共感するのかというと、どちらかというと「目標そのもの」というより「人」に対して。
つまり、上長や社長が共感されていなければ(カンタンに言えば好かれていなければ)、女性からはなかなか協力を得られない。
それどころか、女性は何かに共感しておらずにはいられないですから(繰り返しますが批判しているわけではないですよ)、社長や上司に共感できないとなると、他の社員、特に同じように社長や上司に不満を持つ社員に共感してしまいます。
こうなると組織はキツい。社長や上司のいうことは信用されず、不満とその共感の連鎖が組織内を駆け巡ります。目標はもちろん達成されません。それどころか社内でいじめじみたことが起こったりもします。なんでこんなことが言えるかというと経験者だからです。お恥ずかしい話ですが。。。
そもそもなぜ女性は共感脳なのでしょうか?
その話をする前に、ぜんぜん関係がなさそうな「方向音痴は女性に多い」という話から「なぜ女性は共感脳が多いのか」に触れてみたいと思います。もはやこれはかなり趣味に近い話で恐縮ですが。。。そして私の仮説も多分に含んでいますが。。。
時を戻します。太古の昔、まだ農耕がはじまっていなかったころを想像してみましょう。
男は狩りに出て獲物をとってくる必要がありました。家はありません。定住ではないので、獲物がいそうなところ、または果物や樹の実などを採集できるところへと移住していました。
知らない土地で、自分の家族(女性と子ども)が待つ場所に獲物を持って生きて帰ってこなければならなかったわけです。方向感覚がなければ家族のもとに帰ってっこれないわけですね。
当時は家族単位というよりもいくつかの家族が協力しあって暮らしていました。男は獲物をひとりで狩ってくるのはむずかしいですから、数家族で共同生活をし、獲物を分け合っていたわけです。
女性は男性が帰ってくるまで食事をつくったり子どもを育てて待っているのが仕事です。あまり出歩いたりはしません。数家族いますから、そこはまさに女性のコミュニティでした。
こういったことから、おそらく男性のほうがセンスオブディレクション(方向感覚)が身につき、脳にその名残がある、女性はコミュニティの中で共感力が磨かれた(そのかわり方向感覚は身につけられなかった)、こう考えています。
余談ですが、私は絶望的なまでに方向音痴の男性は仕事ができないと考えています(過去に2名そういう社員がいました)。
太古の昔から、狩りでもあまり結果を出せなかったのでないか、その遺伝子を受け継いでいるのではないかと考えています。方向音痴の男性の方がいたらすみません。もちろん例外もあると思いますし、「絶望的なまで」でなければ大丈夫です。女性の方向音痴もOKです。
女性の共感力を向上させた理由は、コミュニティだけでなくもうひとつあると考えます。それが「子育て」です。
女性が男性よりも優れているのは画像認識やイメージの脳力です(男性は言語や計算など)。
唐突ですが、赤ちゃんを抱っこしたことはありますか?赤ちゃんを抱っこするときって、赤ちゃんの頭が自分の左腕側にくるように抱っこすることがほとんどだって知っていますか?
これはなぜか?
右脳を使うためだそうです(神経はクロスしているので、左目や体の左側を使うと右脳が刺激される)。右脳はイメージや空間を認識するのに使われていると言われています。
女性は赤ちゃんの表情やしぐさから、
- お腹すいた
- なんだか不快
- うれしい
などの感情を読み取る必要があります。なぜなら言葉がまだ話せないからです。それでも種を残していく上で子どもの感情を読み取ることは非常に重要なことでした。
そしてそのために活用しなければならなかったのが右脳の力(≒共感力)なのです。
●
デザインをはじめとした「感じる」もの、「感性」が関わることは女性のほうが得意と言われていますが、これはお話してきたようなことが理由だと私は考えています。
師匠の伊吹先生は「商品開発やパッケージデザインを扱う部署に女性がいない会社は絶対に成功しない」とよく言っていました。
我々は26,000件以上のロゴ作成のお仕事をいただく中で、以下の事実に気づきました。
- 男性はロゴに意味や根拠を求めがち
- 女性はロゴに雰囲気を求めがち(自分に合っているか、好きか)
あくまで傾向ですがこのようなケースが多いです。
もちろん、ロゴは「デザイン」なので男女問わずある程度は右脳的な判断、感覚的な判断をしますが、上記のような傾向があるのは間違いありません。
ロゴをはじめとしたデザインをつくる時に、
- コンセプト(=言葉)が先か?
- デザイン(=画(え))が先か?
というテーマがたまに出ます。多くのデザイナーやデザイン会社、広告代理店は、当然のように「コンセプトが先」といいます。
私の考えでいえば「どちらでも良い」です。おそらくこれを業界の人に言ったら「間違っている」と言われると思います。しかし私は自信を持って言いたい。「あなた方よりも何倍も多くのお客さまと接してきて得た知見だ」と。
音楽の世界には曲作りで「詞先」「曲先」という言葉があり、
- 歌詞をつくってそのイメージで曲を書く
- 曲をつくってそのイメージで歌詞を書く
どちらのパターンもあります。メロディから詞のイメージを連想することもあれば、歌詞からメロディのイメージをすることもあり、それは作詞家作曲家さんのスタイル次第です。私の大好きな作詞家(故)阿久悠さんは、詞先派が多かった中、曲先で詞を書くことを得意とされていたそうです。また、優秀なミュージシャンは歌詞とメロディ同時に降りてくるそうです。
デザインもまったく同じで、コンセプトが先かデザインが先かはどちらが先でも構わない、というこの持論は
- 男性はロゴに意味や根拠を求める
- 女性はロゴに雰囲気を求める(自分に合っているか、好きか)
という傾向があることを知っているから展開できた持論なわけです。もっと言えば、男女の脳の機能の違いを知っていたから言語化できたわけです。
以前、他社でのロゴ作成で失敗しビズアップに依頼くださったある女性社長がいました。その女性社長は、他社の担当にロゴデザインのコンセプトをいろいろ説明されたけどさっぱりわからなかった、と言っていました。
弊社ではその社長がとても好きなテイストを表現できる女性デザイナーを担当にしたところ、すぐにデザインが決定しました。言葉よりも画(え)に軸足をおいたわけです。赤ちゃんの感情を読み取るがごとく、言葉よりも画(え)に重点を置いたのです。
大きな広告代理店やデザイン会社、コーポレートアイデンティティをつくる会社は「ロゴをつくるよりも前にコンセプトだ!」と言いますが、これは解決脳がそうさせているだけです。ただ単に男性側が考えた手法でしかないものをデザイン業界のスタンダードのような言い方で広めているだけだからと私は考えています。
大切なのは、
- 男性的(解決脳的)な手法が向いているのか
- 女性的(共感脳的)な手法が向いているのか
であり、これはお客さまやお客さまが求めていることによって違う、ということです。
最後に余談です。
以前、結婚記念日にヨメから「花くらい買ってこい」と言われました。そこで会社の帰りに花屋さんによっていろいろ見て、かわいらしい観葉植物を買って帰ったところ、ヨメに言われたのが次の一言でした。
「草じゃねーか!」
私が観葉植物を買って帰ったロジックはこうでした。花はすぐに枯れてしまう。観葉植物ならば、上手に育てればいつまでも飾ることができる。
数日後にビズアップの女性社員たちにこの話をしたところ、「社長、ぜんぜんわかってないですねー」と口を揃えて言われました。
当時はなぜか分からず、共感してもらえなかったことに「え?え?」となりましたが、今ならわかります。私は解決脳でプレゼントを決めたのが失敗だったということです。
同様に女性社員たちのいうことが理解できていなそうだった男性社員が、苦し紛れに「ぼくならサボテンにするかな」と言ったのに対し、「サボテンのほうがまだいい」と女性社員たちが言っていたのはいまだに意味がわかりません。
女性の心理は難しい(泣)。
今回はここまでです!
津久井
投稿者プロフィール
-
ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。
かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。
2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。
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