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4月が終わりますね。2023年の3分の1が終わります。
今朝、娘が尿検査を学校に持っていくのを忘れました。上司(ヨメ)の指示でそれを学校まで届けました。私は社長ですが家では平社員です(爆)。
ホームルームがはじまっていたので、教室まで行きました。見渡すと、先生含め多くの子がマスクを外していました!すばらしい。まだ数名の子はしていましたが。。。。
昨日は会社の近くのイタリアンレストランで昼食を取ろうと行ったところ、店員さんが全員マスクを外していました。なんだか無性にうれしくなりました。
ちなみに週明けからコ□ナは5類に格下げになりますね。本当はコ□ナに分類なんていらないし、5類になるとはいえこの遅さで政権与党や政府を褒める気になんてまったくなりません。
しかも大きなニュースを隠すためのスケープゴートですらあると思っています。というわけでコロコロニュース。
「わく」から食料難からコオロギからマイナから不正選挙から増税から海外バラマキから、これだけひどいことをされているのにまだ国を信じるって、みなさんメンヘラなんでしょうか?ダメ男といつまで経っても別れられない女子みたいになってますけども。大丈夫ですか?
さて、本日のお話です。
本日は採用とブランディングのお話をしてみたいと思います。
ビズアップはブランディングの会社ですが、採用のブランディングがうまくいっているとは決して思っていません。私たちもまだまだトライアンドエラーを繰り返しています。
先日も失敗しました。どんな失敗かというと、まさに先週のコラムでお話した「来てほしくない人が応募に来てしまう」というものです。
本日はどんなことがあったかも含め、どのように改善していけばよいかを考察します。御社の採用活動に少しでもお役に立ちますように。。。
●「自分がどう見られているか考えられない病」
世の中には「自分がどう見られているか考えられない病」という病気がコ□ナよりも蔓延していると思います。
なぜその対応で、なぜその受け応えで面接に受かると思っているのか。。。
私たちは採用活動もある程度仕組み化していて、一次面接は基本的には電話で行います。なぜなら、ありがたいことに全国にお客さまがいて、電話での会話の機会が多いからです。
面接での電話の対応が悪いということは、お客さまへの対応も悪い可能性が高い。また、相手の顔が見えない環境で、自分の伝えたいことをわかりやすく正確に伝えられるかどうかも電話の受け応えである程度分かる。
電話面接ではこういった点をチェックしているわけですが、先日の採用応募者のAさん(23歳男性、そこそこの大学卒業)との面接では、ちょっとケンカっぽくなってしまいました。やり取りはこんな感じでした。
- 津久井:Aさんですね。では、今から30分くらい、電話面接をさせていただきますね。
- Aさん:(蚊の鳴くような声で)・・・はい。
- 津久井:(暗っ!!)今は介護施設で働かれているということですか?(履歴書に記載されている)
- Aさん:あ、今はもう辞めています。
- 津久井:そうなんですか?履歴書には退職したとは書いていませんが?
- Aさん:すいません。
- 津久井:いつ辞めたんですか?
- Aさん:2022年の7月くらいです。
- 津久井:(おいおいだいぶ経っとるやんけ)4ヶ月くらいしか在籍していなかったのですか?(履歴書の入社日は2022年4月)
- Aさん:はい。
- 津久井:なぜ辞められたのですか?
- Aさん:大学院に行くか、デザイン業界に行くか迷ったからです。
- 津久井:大学院には行かれなかったのですか?
- Aさん:はい。
- 津久井:デザイン会社は何社か受けられたのですか?
- Aさん:はい。
- 津久井:何社受けましたか?
- Aさん:10社くらいです。
ごめんなさい、もうちょっとこの時点で正直少しイライラしていました。とにかく暗いし。履歴書ちゃんと書けよ。。。
「デザイン会社は何社か受けられたのですか?」と聞かれて、「はい」じゃねーんだよとも思っちゃいました。「はい、◯社受けておりますが、今のところどこからも採用を得られませんでした」とか言えないのかと。「何社受けましたか?」とか質問され直している時点でもう。。。
たしかに応募者からしたら、すでにたくさん落ちていることは言いづらいかもしれません。しかし、別に他のデザイン会社を落ちていたからといって、それで先入観を持つつもりは私はありません。
過去には、やはり同じくらいデザイン会社を落とされて、ビズアップに面接に来たときに「他の会社は自分を落とすなんて、ぜんぜんクリエイティブじゃないと思います」と豪語した人間を採用したこともありますし(笑)。
何ならその人間はその後ビズアップのNo3となり、No2と一緒に独立、今はデザイン会社の社長になっています。
つまり、受け応えだけでなく、都合悪いことは言わない、履歴書に書かない、など、取り繕う様子がイライラしたのもあります。
- 津久井:では、志望動機を聞かせていただけますか?
- Aさん:デザイン業界に行きたいと考えています。
- 津久井:そうなんですか。なぜデザイン業界に興味があるのですか?
- Aさん:昔から絵を描くのとかが好きでした。
- 津久井:そうですか(もうイヤ泣)。
本当は、30分の面接の最中も質問項目は決まっているんですが、もうこれはムダだなと思って聞きませんでした。しかし、「30分」と言ってしまっているしどうしようと。。。まだ10分くらいしか経っていなかったと思います(会話はけっこう端折って書いています)。
もう、ここでちょっと強く突っ込んでやろうと思ってしまいました。
- 津久井:では、デザイン会社であればうちの会社じゃなくてもOKということですね?
- Aさん:・・・いえ、御社はロゴをつくっているので・・・。
- 津久井:では、ロゴをつくっていればうちの会社じゃなくてもOKということですね?
- Aさん:・・・いや・・・。〜〜〜〜(もう何を言われたかも覚えていない笑)
- 津久井:そうですか。
こちらも語調が強くなります。
その後もいくつか強めの態度で質問したと思いますが、正直あまり覚えていません。
私は、人の人格形成に幼少期や思春期などの両親との関係性が大きく影響すると考えています。どういう関係性が正解とかはあまりないのですが、両親との関係性や両親の思想は仕事にもある程度現れると考えているんですね。
なので、面接では基本的にご両親がどんな方々か、ご両親との関係性はどうだったかなどを聞くようにしています。
- 津久井:ご両親はご健在ですか?
- Aさん:はい。
- 津久井:そうですか。お父さんとの関係はいかがですか?
- Aさん:・・・それ、採用に何か関係あるんですか?
「は?」
小籔千豊ばりに心のなかで思いましたよね(笑)。まあ、こちらの語調が強くなっていることをAさんも気づいていますから、それが気に入らなかったのかもしれません。
しかし、「それ、採用に何か関係あるんですか?」という返しは、私たちが求める能力を持ち合わせていないことを露呈してしまっています。
質問には必ず意図があります。その質問の内容に意図がある場合もあれば、内容は関係なくてもアドリブでどう返してくるかの会話力を試すこともある。
だから、必ず「出題者の意図が何かしらある」と思って面接にのぞんでほしいんですが、さすがにそんなことは通じなかったのでしょう。
- 津久井:もちろん採用に関係あります。
- Aさん:答えたくないです。
- 津久井:ご関係があまりよくないのですか?
- Aさん:いえ、別に悪くないです。
- 津久井:ではなぜ答えたくないのですか?
- Aさん:さっきから何なんですか?
そこから、蚊の鳴くような声が1.2倍くらいのボリュームになり(それでもまだぜんぜん小さい)、なぜこういう質問をするかなどを伝えても、「失礼です」「不快です」しか言わなくなりました(沈)。
●「自分がどう見られているか考えられない病」の3つの症状
ここからは、多くの経営者が言語化しきれていないかもしれない「なぜ不採用にするのか?」についてちょっとまとめてみます。共感していただけるのではないでしょうか。
どちらかというと、経営者よりも何社も不採用になっている人に読んでほしい内容かもしれません。
「自分がどう見られているか考えられない病」の症状には、大きく3つあると思います。
ひとつ目は、めっちゃ辛辣ですが「人としての魅力がない」です。
別にカリスマであれというつもりはありませんし、何か大きな実績があるべきだとも思いません。
「こいつ、何か気になるな」
「なんとなくもう少し話してみたいな、深ぼってみたいな」
「単純に、この人と話していると会話が弾むな」
こう思わせるものを持ち合わせていないわけです。そして、表層的には「暗い」という形容詞で表せるようなものとして出ます。たまに「軽い(中身がない)」もあります。
暗い人よりも明るい人のほうが、蚊の鳴くような声よりもハキハキした受け応えのほうが印象が良いなんていうことは誰でもわかりそうなものですが。。。
なので、これって能力の問題ではなく意識の問題だと思います。100mを自分の持てる全力で走ろうね、といっているだけで、10秒台で走れとは言っていない。
自信がないから暗くなるのでしょうけれど、それでは自分の行きたい業界、会社にはなかなか入れないと思います。不採用になってその都度また自信をなくすという負のスパイラルに入った状態なのでしょう。
ふたつ目は、「○○業界ならどこでもいいという姿勢でのぞんでくる」です。
もはや、「女なら誰でもいい」みたいな話です。こんなことを言われてその男と付き合いたいと思う女性はいるでしょうか?
「態度が失礼」ということはたしかにありますが、態度が失礼ではなくても「のぞむ姿勢が失礼」ということがあるんですよね。それに気づけないわけです。
こういう人は、たいていその会社のことをきちんと調べていません。「興味がある業界の募集が出てたから申し込んだ」程度です。それは趣味でやろう。
もはや、街を歩いていてすれ違った女性に「ぼく、誰とも付き合ったことがなくて、この際、もうあなたでもいいのでぼくと結婚してください」みたいな話です。殴られろ(笑)。
みっつ目は「情熱がない」です。
「情熱」は必要条件ではないかもしれません。情熱があっても採用になるとは限りません。しかし、ないよりもあったほうがいいのは当たり前です。
ましてや、なりふり構わない情熱がないと入れない業界なんてたくさんあります。
日本人って情熱を表現するのがあまり得意な民族ではないという贔屓目で見ても、本当にない人が多すぎる。
ただ、「情熱」は1点注意が必要です。「口ばっかり」のヤツのそれは「情熱」ではない場合があります。「情熱もどき」みたいな。
情熱を持っている人の特徴は、「我慢できずにそれをやってしまう」という行動に現れることが往々にしてあります。私たちの業界なら、素人ながらに見様見真似で何らかのデザインをつくってしまう、とか。
こうなっているとわかりやすいんですけどね。もちろん、行動には現れていないけど本当に情熱がある人も中にはいます。見極めが大事。
「自分がどう見られているか考えられない病」の患者は、これ(情熱のない自分)を何の臆面もなく出してきます。逆の意味でブレていない(笑)。
なお、これらの話は相手からの見られ方を気にするあまり「何でもかんでも相手合わせにしろ」という話でもありません。
●募集をしている企業側も悪い
とはいえですね、先週のコラムでお話したとおり、これは私たちの失敗です。Aさんが悪いとかそういう話でもなく。。。
では私たち企業側はどうしたら良いのでしょうか。ここもブランディングの視点で考えてみましょう。
ブランディングは大きく2つのフェーズに分かれます。
- 自社の表現を磨く
- 磨いた表現を拡散する
やはり採用応募者の人には、自分の会社をしっかり調べて面接にのぞんでほしいわけです。しかし、その割には自社の表現をしっかり磨きもせず、採用応募者が調べても何も出てこないような企業があることも事実。
「〇〇業界ならどこでもいい、なんていう姿勢は失礼だよ!」というならば、やはり採用応募者の人たちがその会社に入りたいと感じる魅力を表現することは、企業側の責任でもあります。
自社の表現を磨き、採用応募者に志望動機をきちんと答えられるようにしてあげるということは、非常に重要になってくるわけです。
これに関しては我々はブランディングの会社なのでしっかりやっています。
対して、「磨いた表現を拡散する」というのはなかなか難しい側面もあります。どのように拡散するのか?そこにかけられる資金は?など。
今であればSNSかもしれないし、会社をしっかり成長させてきちんと採用に投資するということも検討しないといけない。上場企業はやっぱり採用が強いですしね。
キーエンスという会社は、採用のためだけにテレビCMを打っていると聞いたことがあります。そういった手段は中小企業だとなかなか難しい。
別の切り口でも考えてみます。マーケティング的な切り口。
いわゆるダイレクトレスポンスマーケティングでは、以下の3つが重要と言われます。
- リスト
- 媒体
- クリエイティブ
このうち、前述のとおり我々は「クリエイティブ」にはそれなりの自信がありました。しかし、「リスト」と「媒体」は。。。
採用の場合、「リスト」≒「媒体」という側面があります。媒体特性によってどんな応募者(≒リスト)が来るかある程度決まってくるためです。
たとえば、ハイクラス人材紹介会社という「媒体」を使えば、「自分がどう見られているか考えられない病」の人は圧倒的に少なくなると予測できます。
逆に、アルバイト情報誌的な媒体であれば、「自分がどう見られているか考えられない病」の人が多くなることは想像に難くないです。
今回、Aさんはいくつか出していた媒体の中でも「Indeed」経由で来た人でした。
もちろん「Indeed」で来る人が必ずしも「自分がどう見られているか考えられない病」を患っているとは限りませんが、やはり媒体特性からそういう人のほうが多いリストになるだろうと考えられます。
とはいえ、我々も媒体の選択肢が昔よりも広がり、ステキな人材からの応募が増えるようにはなりました。だからこそAさんが際立ってしまったのかもしれません。
そう考えると、Aさんのような人は「誰でもできる(取り替えの利く)仕事」でしか採用される可能性がなくなってきます。
そしてそういう仕事は海外の安い労働力やAIに取って代わられるようになるでしょう(もうなってきている)。Aさん的な人は、ますます厳しくなる。生活すらままならなくなる。
なんだか切ない話ですが、「自分がどう見られているか考えられない病」の患者が増えるということは、社会全体でもっと大きな病気を引き起こす可能性があるわけで、これは日本の国力に関わる重要な社会問題なのかもしれません。
学校でセルフブランディングの授業とかやったほうが絶対にいいと思う。私、先生やってもいいですよ。社会性のある有意義なものになると思うんだけどな。
今回はここまでです。
津久井
投稿者プロフィール
-
ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。
かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。
2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。
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