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8月も終りが近づいています。ここから2022年もあっという間に終わると予言しておきます(笑)。
ほんと、8月が過ぎてからってあっという間なんですよね。特に10月に入ったらもう年末という感じ。なんででしょうね。
そんなビズアップは8月末で15期が終わり、9月から16期に入ります。創業時は個人事業で1年間やりましたから、創業からは16年が丸っと終了することとなります。
会社の寿命は10年もつのが3%と言われています。実際にはペーパーカンパニーや吸収合併などもあるので、そういうのを加味するともう少し高いと思います。でも10%と仮定しても10社に1社しか10年つづかない。そう考えるとありがたい話です。
社会にとって必要な会社かどうか。これが企業存続のポイントだと思っています。社会というのは決してお客さまのことだけではありません。
我々であれば協力デザイナーにとって必要かどうかなど、ステークホルダー(利害関係者)にとって必要か、もちろん社員にとっても、ひいては利害関係者じゃない人にとっても必要と感じてもらえるか。
そんなことを考えながら16期も成長していきたいなと考えています。
そしてこのコラムも永くつづけられるようにがんばります。ちなみに今号でコラムは丸13年書きつづけたことになります。まあまあな文章量のコラムを毎週書きつづけて13年。なかなかやるやんけ自分。
さて、今週のコロコロニュースです。
イベルメクチンは私も持っています。この薬は日本では2002年に腸管糞線虫症、2006年に疥癬(かいせん)の内服薬として承認された(Wikipedia先生より)そうです。いわゆる抗寄生虫薬です。
この薬がコ□ナに効くのではというのは2020年のわりと早い段階から言われていました。ここで違和感を持たなければなりません。
すでに承認された薬です。副作用がないとはいいませんが圧倒的に少ないはずです。コ□ナが本当に世界中の人々を恐怖に陥れ命を奪うような病気ならば、承認された薬であればまずは試してみようとなるはずです。同様にアビガンという薬も効果が期待されていました。
しかしこれらの薬は実際には試されることがほとんどなく、WHOは「飲むな」といい、他所の国のよくわからない薬やさらにはお注射が出てくるわけです。おかしいと思いませんか?
ちなみにインドのゴア州では、イベルメクチン投与により多くのコ□ナ患者が回復しました。これにより、インドの弁護士協会だったかなんだかが、イベルメクチンを飲むなと言っていたWHOを訴えています。こんなことも日本ではニュースになりませんね。
これらの研究結果を発表したのは日本の企業「興和」ですし、このニュースはみんな大好きメジャーメディアのロイターから出ています。都市伝説でも陰謀論でもないですね。
勇気を持って顔を出してインタビューに答える遺族の方に敬意を表します。本当に頭が下がります。
ちなみにヨメの両親はお注射の予約をしていたので、ヨメが必死に止めました。「よかったよかった」と思っていたのですが、先日お盆でヨメの実家に帰った際、ヨメの両親が実は私たちに内緒で打ったということが発覚しました(しかも3回!)。これ、けっこうあるあるのようですね。twitterでよく見かける。
幸い何事もなかったようです。副反応すらなかったようなのでおそらくプラセボを打たれたのだと思いますが、こんなのはロシアンルーレットでしかないので本当にやめていただきたい。
それにしてもあれだけ言ったのに信用してもらえなかったのは少し悲しい。簡単に言えば私やヨメよりもテレビを信じたということなのでしょう。残念ながらこれが現実。何を言ったかより誰が言ったか。これにより調べることや考えることを省略してしまうのが今の日本人です。
誰が言ったかより何を言ったか、もっといえば何を言ったかより何をやっているかを見極めなければなりません。言っていることよりやっていることにその人の本性が現れます。2回打てばコ□ナが終わると言っていたヤツらは今何をしていますか?4回目打たせようとしてますよね。おまけに重症化しない子どもにまで。
CDCっていうのは「アメリカ疾病予防管理センター」のことですね。今回のコ□ナ騒動の主犯格と言っても良い組織。それがこんな発表をするなんて、少し潮目が変わってきたのでしょうか。
ちなみにこの騒動の主犯格どころか主犯のひとりと言ってもよいドクターファウチというクソジジイ(失礼)が辞任を発表しました。秋のアメリカの選挙で民主党の負けがほぼ確定的と言われている中で、共和党の追求から逃げるためではないかと言われています。やはり潮目が変わってきたか。あとは「ういんどうずおじさん」を退治できないものか。。。
というわけでコロコロニュース終わり。本日のお話です。今日は世にも恐ろしい「写真の効果」について。
●写真をちょっと細工すれば、人は勝手にイメージを持ってしまう
突然ですが、こちらの写真をご覧ください。数年前、私が500人の学生の前でセミナー講師をしたときの写真です。私もかなり若い。。。
ちょっと話は飛びますが、ここで「コンセプト」について少しお話させていただきます。
コンセプトは「少ない文字数で圧倒的な情報量を含んだ、イメージを言葉にしたもの」と私は定義しています。もっと言えば、見た人、聞いた人の頭のなかに画(え)を浮かべられるものです。
なぜ画(え)が浮かぶかというと、「相手がすでに持っているイメージの力を利用している」からです。「補完の原理」というやつです。勝手にイメージを補完してしまう。
たとえば「料理の鉄人」は優れたコンセプト兼ネーミングなわけですが、そもそも「鉄人」を知らない人には何もイメージできません。これが「相手がすでに持っているイメージを利用する」ということなわけです。
さて、冒頭になぜ1枚の写真を見ていただいたかというと、実は「相手が持っているイメージを利用する」ということは写真でもできるんですよ、ということを伝えたかったためです。
逆に、気をつけないと見る人がイメージを持っているがゆえに、伝えたいことと違うことが伝わってしまう場合もあります。
ちなみに冒頭の写真に引きつづき、こちらの写真をご覧いただけますか?
はい、同じセミナーの写真です。おわかりになったかと思いますが、500名の学生の前でセミナーをしたというのは真っ赤なウソでございます(汗)。おそらく、せいぜい50人くらいかと思います。
では、冒頭の1枚目の写真ではどんなトリックを使ったかというと・・・
この写真をご覧ください。
これは、冒頭の写真と同じもので加工前のものです。どのように加工したかというと、まず左端と上端を大幅にカットしています。なぜかというと、元の写真を見てお分かりのとおり少しスカスカした感じがあります。ここを削るとどうなるか。
スペースが狭くなることで、密度が濃くなる=そこに人がいっぱいいるように感じます。すると盛況感が出ます。そして、魔法の言葉「500人」と伝えると、多くの人が写真の外にも人がいるイメージを持ててしまいます。
つまり、写真ではそこまで写っていなくても人が大勢いるイメージを持ててしまいます。というわけで「あ、500人の前で講演したんだ」と感じられてしまうわけです。
また、「学生」としたのは写真の中の人が後ろ姿で私服だったから、その私服が学生っぽい雰囲気だったからです。実は「学生」かどうかは知りません(汗)。しかし、私を含め多くの人の頭のなかにある「学生っぽさ」を利用したわけです。
●なぜ季節が「冬」だとわかるのか?
さて、ウソはついてはいけませんが(汗)、頭のなかのイメージとアウトプット(この場合は写真)がどれだけ強力に結びついているかを少しでも感じていただけたらうれしいです。
次にこんな写真を見てもらいたいと思います。これは何っぽい写真ですか?
はい、多くの方が「ビジネスっぽい」写真だと感じられたはずです。その通りです。
ここでよく考えてみたいのは、なぜボールペンと革のペンケースと銀の時計でビジネス感を人は感じてしまうのか、ということです。
これが、安いシャーペン、布のペンケース、スポーツ系の腕時計だと、はたしてビジネス感を感じるでしょうか?
「当たり前だろ」と思うかもしれませんが、これは人間のすごい能力なんです。
頭のなかにすでにイメージがあるから「ビジネスっぽい」と感じられるわけですが、「ビジネスです」という言葉を使わなくてもビジネス感を感じさせている。
言葉を使わなくても「◯◯感」「◯◯らしさ」を感じさせることができるのが写真も含めたデザインの力です。
ここからは思考実験(仮説)ですが、おそらくアフリカのどこかの国の原住民の人々にこの写真を見せても「ビジネス感」は感じないと思います。頭のなかにビジネスシーンのイメージを持っていないからです。
もう一枚見てみましょう。この写真の季節はいつかわかりますか?
なんとなく冬だと感じたのではないでしょうか?実際のところは私は知りません(汗)。
冬だと感じた理由は2つあると考えます。
- イルミネーションは冬の風物詩というイメージがある
- イルミネーションがついている木々に葉っぱがないことが暗くてもわかる(ライトが枝の輪郭を浮かび上がらせている)
1はそのままですね。多くの人の頭のなかにすでにあるイメージです。
2は少し特殊ですが、葉っぱがない=冬ということを誰もが無意識に理解しているということです。枝だけの木々を見てなんとなく寒さまでイメージする人もいるのではないでしょうか。
こう考えると、言葉を使わなくても多くの情報を人は受け取れるということがわかります。
つづいてはネットの記事から。
ここまでは、写真を見てどう感じるかをお話してきました。見る人がすでに持っている頭のなかのイメージを利用できればさまざまな感情をいだかせたり、シーンを連想させることができる、というお話でした。
今度は逆に写真から何かを感じるのではなく、何かを感じてから写真を撮るとどうなるか、という実験です。
6人のカメラマンがそれぞれ、
- 漁師
- 前科者
- 超能力者
- ライフセーバー
- 百万長者(億万長者)
- 元アルコール中毒患者
を撮影することになりました。カメラマンへの指示はただひとつ、「彼(被写体)らしく撮ること」。
ところが、この6人の被写体は実はすべて同じ人。服装も同じ。
つまり、カメラマンにはニセの情報を伝え、それぞれ「らしく」写してもらったところどうなるか、という実験をしたわけです。
6人のカメラマンの頭のなかにある、「漁師」や「前科者」「超能力者」などのイメージは、写真でどのように表現されたのでしょうか。
その記事はこちらから読んでいただくことができますが、私は「なるほど」「そうだよな、そういう感じだよな」と納得してしまいました。
●8ヶ月間売れなかった家が8日で売れた話
8ヶ月間売れなかった家の話があります。
その家は8ヶ月後に売れるわけですが、何をしたかというと募集広告の写真を変えたのです。不動産屋さんではなくプロのカメラマンさんがその物件の写真を撮ったところ、ついにその家が売れたわけですね。
しかも、写真を変えてから、なんとたった8日で売れてしまったそうです。記事はこちら。
ぜひ記事の写真だけでもみてもらいたいのですが、やったことは、大きく言えば
- 明るく見えるようにする → 明るさ
- 広く見えるようにする → 広さ、高さ
- キレイでステキに見えるようにする → コーディネート
です。はっきりいってたったそれだけです。これも見る人にすでに何らかのイメージがあり、それを元にして明るさや広さ、ステキさを感じてさせていると言えます。
もう少し具体的に説明してみましょう。
- 明るく見えるようにする → 明るさ
不動産屋さんが撮った写真とフォトグラファーが撮った写真では、明らかにフォトグラファーが撮った写真のほうが明るいです。人は暗いものよりも明るいものに好印象を抱くという好例です。特に家は幸せの象徴です。明るい家庭のイメージは暗い写真からはしづらいものです。
明るく写真を撮るためにはカメラの知識か画像加工ソフトの知識のいずれか、または両方が必要です。
- 広く見えるようにする → 広さ、高さ
不動産屋さんが撮った写真とフォトグラファーが撮った写真では、部屋の広さや奥行き、天井の高さの「感じ方」が違います。
実際には同じ家の同じ部屋を撮影していますから、広さや高さが物理的に変わることはありません。でも「感じ方」は変わるんですね。
たとえばリビングの写真。不動産屋さんの写真よりもフォトグラファーの写真のほうが「引き」で撮っていて、フォトグラファーのほうは廊下の突き当りの壁まで入れています。床や天井の面積が大きく写り広さや高さを感じられるようになっています。
キッチンの写真は、不動産屋さんが斜めから撮っているのに対し、フォトグラファーはもっとも奥行きを感じる場所から撮影しています。
また細かいですが、どの写真も上下の角度が違います。
不動産屋さんが撮ったものはおそらく直立(棒立ち)に近い状態で撮影しています。対してフォトグラファーは少し腰を落とし撮影しています。こうすることで、部屋の一番奥がもっとも遠く感じる(=奥行きを感じる)写真になります。
ちなみにこのあたりは私もカメラのプロではないので専門的な知識はありません。プロは知識も技術ももっとすごいです。
- キレイでステキに見えるようにする → コーディネート
明るさや広さの演出としてコーディネートも関係してきます。
不動産屋さんとフォトグラファーで一番違いがわかるのが子供部屋の写真です。フォトグラファーの写真のほうには赤ちゃん用のベッドをはじめいくつか撤去されているものがあります。右側の壁の引き出しも高さが低くなっています。こうして、広さをより感じられる写真にしています。
また、ブラインドが閉まっています。ここは外の景色が邪魔になる(イメージを崩す)ようなものだったのでしょう。
逆にリビングの写真ではブラインドが開いています。
こちらは、緑が見えるため入れたほうがキレイに見え、かつ広さも演出できるとうことだと思います。逆に右端のブラインドは外からの光を入れつつも外が見えない程度に閉められています。
写真の仕上りをイメージして最低限のコーディネートを施すだけで印象がまたガラリと変わってきます。
さて、よく考えてみてください。
もし、販売している不動産屋さんが「この家は明るくて広くてキレイでステキな物件です!おすすめです!」と言ったところで果たしてどうでしょう?あまり信ぴょう性がなくないですか?
もっと言えば「売りたいからそう言っているんでしょ?」と疑われてしまうと思います。
しかし、写真ならどうでしょうか?言葉を使わずに明るさ、広さ、キレイさを感じさせることができたらそれは言葉よりもはるかに強力な説得ツールになります。
こういった仕掛けがあることをご存知でしたか?当然ながら知らなかったと思います。
ポイントは、こんな理由を知らなくても人は感じ方が変わってしまうということ。これはある意味恐ろしいことだと思います。
理屈も知らない、ましてや不動産屋さんの写真とフォトグラファーの写真を両方見て比較したわけでもない。にもかかわらず、8ヶ月間売れなかった家が8日で売れてしまう、という事実がここにあるわけです。
このコラムでは話を盛り上げる意味も含めて前述のようなロジックをお伝えしました。しかし、実際はこのロジックを知っていようといまいとあまり関係がないのです。
電子レンジの原理は説明できないけど使えてしまうし、「あたたまる」という結果をもたらしてくれることを知っているのに近いです。
見る人は直感的です。顕在的な意識がなく、「デザインの無拒否性」で何かを感じています。そして判断をしてます。だいたいが判断した後に後付けで理由がつきます。
そしてなにより、これは写真に限った話ではありません。ホームページしかり、名刺や封筒しかり、看板や店舗の入り口しかり、見た人に何らかの印象を与えてしまっています。
それがポジティブな印象であればいいですが、ネガティブな印象であれば、8ヶ月間売れなかったこの家のようなことが起こってしまいます。
デザイン料金や撮影料金をケチる人がいますが、では8ヶ月間売れなくても(場合によっては一生売れなくても)我慢してください、という話です。
これが、私がいつもいう「機会損失」ということです。
表現をしっかりすれば本当は売れるかもしれないのに売れないなら、それはもはや機会をみすみす逃しているだけだと。「得ができない」のではなく「損をしている(本来得られるものを得ていない)」ということなんだと。プラスにならない、ではなくマイナスになる、ということなんだと。
ちなみにこれは「写真詐欺」ではないかという声もありそうです。最近だと出会系アプリで横行しているようですね。会ったら「ぜんぜんちゃうやんけ!」みたいなのが(笑)。
これは、写真の「ツールミッション©」が何かを明確にすることで答えが出ます。
「ツールミッション©」とは私が考案した言葉ですが、「そのツールにどんなミッションを持たせるか」ということです。ミッションは1つに絞り、かつハードルを上げすぎない(なるべく下げる)のがポイントです。
たとえばビズアップのホームページのツールミッションは「ロゴ無料提案の申し込み」です。ホームページで「ロゴを採用してください」というメッセージは出さず、「無料で提案を受けてみませんか?」というメッセージを発信しています。
名刺のツールミッションであれば、たとえば「第一印象を最高のものにする」というミッションになるかもしれませんし、はたまた「もらったら絶対忘れない名刺交換にする」かもしれません。「名刺を見ただけでその会社の商品を購入したくなる」というミッションではハードルが高すぎますね。
洋服屋さんの店舗のファサード(入口付近)デザインであれば、そこの洋服を買わせることをミッションにするよりも、「なんとなく入ってみたいと感じさせる」をミッションにすべきです。
では今回の不動産物件の写真のツールミッションは何だったのでしょう。
これも同様で、「まずは問い合わせしてみようと感じさせる」がツールミッションです。間違っても「写真を見て購入したいと思わせる」ではありません。
そして、本当に購入につながるかは「商品力」の問題となるわけです。
なので、出会系アプリで「写真とぜんぜんちゃうやんけ!」と思われても、見た目以外に自分の魅力を伝えて相手を楽しませることができれば、つまり自分という商品力を磨き、それをしっかり理解してもらえれば「写真詐欺」にはならないわけですね。
まあ、人間には高い期待を持たされてそれが下がるとすべて悪く感じるという別の心理もあるので難しいんですけども。。。
最後は何だかマッチングアプリの攻略法みたいになってしまったな(笑)。ちなみに私はやったことがありませんので(本当です!笑)
今回はここまでです!
津久井
投稿者プロフィール
-
ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。
かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。
2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。
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