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  • 【第615回】サッカー日本代表をW杯に導いた、経営にも役立つ「チーム理念」とは?

2022年03月11日 インナーブランディング メールマガジン 経営 【第615回】サッカー日本代表をW杯に導いた、経営にも役立つ「チーム理念」とは?

今、長野県の諏訪市に来ています。

諏訪は私のおかんの実家があった街で、じいさんばあさんの墓があります。超じいさん子だった私は、年に1〜2回、ひとり合宿も兼ねて諏訪に来ます。

本当は今週の頭からひとり合宿のためにスケジュールを空けておりました。が、どこに行こうかとモタモタしているうちに水曜日になり、急きょ決断して水曜日の夕方諏訪入りしました。

結果、ZOOMでの打ち合わせやコラムの執筆をしていたため、ほとんどひとり合宿的なことができておりません。本日午後にやっと少し時間が取れるかな。。。

出張といえば、やはりその土地々々の美味しいごはんが醍醐味です。が、ワタクシ、今好きな食べ物を好きなだけ食べるということができません。

実は、ボディメイクの大会に出ることを友人に誘われ、安請け合いしてしまいました。これがけっこう大変。

パーソナルトレーナーの方に指導いただいていますが、その方に言われたのが、

  • 液体油をつかった料理はNG
  • 粉ものNG
  • 麺類も当然NG
  • 一品ずつ食べきる(三点食いとかNG)
  • 朝ごはんも食べる(1食も抜かない)
  • お酒は今はまだいいけど大会前1〜2ヶ月からNG
  • お酒を呑んで良い期間も、お酒を呑んだら糖質はNG

ということで、食べられるものがなかなかない。。。何が大変って食事のマネジメントが大変。食事を考えるのに時間を取られます。でも、油を抜いてからちょっと体調が良いような。。。頭のかゆみとかぜんぜんないし。人間てすげー。

さて、今週のコロコロニュースです。というかもはやコ□ナの話だけに収まっていませんが。。。まあ、こんな情報もあるんだ程度に受け取ってください。

多くの人が「ロシアがウクライナを侵略しようとしている、ウクライナ完全被害者」と感じているけれど、それは本当なのでしょうか、という問いかけはここ数回しています。

私はどちらが正しいか間違っているかをいうつもりはありません。が、あまりにも偏った報道が多いため、あえてその逆の情報を出してみたいなと思います。

こちらにたくさんまとまっていますのでご笑覧ください。

こんなのがいっぱい載っています。
ウクライナVSロシアの侵略戦争のデマ・フェイク集♪

ちなみに、ウクライナと武漢って、鉄道でつながっているって知ってました?そしてウクライナにはアメリカの生物化学研究所が15ヶ所あるというのは先週お伝えしたとおり。武漢の研究所もアメリカがお金出してます。

実はウクライナと武漢が鉄道でつながっていた

記事も2020年7月という微妙な時期に書かれていますねー。「ういんどうずおじさん」は次のパンデミックはウクライナから起こそうとしていたのではないかと囁かれています。ロシアがそれを止めているとも。

ウクライナの生物化学研究所がどんな状況かわかりませんが、もしウクライナのネオナチ(ウクライナ政府はすでにネオナチに支配されていると一説では言われている)などによってとっくに破壊されてウイルスがばらまかれていたら、ウクライナ難民の受け入れによって世界中でまたパンデミックが起こりますね。それが狙い?

信じるか信じないかはあなた次第です(笑)

というわけで、ここまでくると私はウクライナ側が正義という可能性は相当低いと踏んでいます。あり得るのは

  • ロシア側が正義
  • ロシアもグルで世界中を戦争→全体主義に持っていこうとしている

のどちらかかなと。あくまで私の予想ですが。

ここで私の尊敬する先輩経営者のFacebookの投稿より引用させていただきます。

”戦争という行為”に反対する事と、どちらかの”国”を支持するという行為の間には、大きな差があると考えます。

何度も言いますが、私はロシアが正しいとかウクライナが間違っているとかを言いたいわけではありません。私が言いたいことは唯一つ。

  • メディアを信じちゃいけないよ。ウララウララでウラのウラまで読みましょう。

ということです。この世をコントロールしているのはメディアです。メディアがウソをついているとしたら、自ずとコ□やわくわくする注射についても。。。これ以上は自粛します(笑)

それにしても、最近コラムを書くのに異様に時間がかかる。それはコロコロニュースのせいだな。ちょっと本気で一旦辞めてみようかと思っています。

さて、やっと本題。

実は今年はサッカーのワールドカップイヤーだということをご存知ですか?本日は、私の大好きなサッカーの話から。サッカーに興味がない人でも思うところ、感じるところがあると思います。

特に経営者であれば、かなりの学びがあるのではないかと思います。決断、組織づくり、腹のくくり方などなどの理解を深めてもらえるのではないかと。。。

通称「岡ちゃん」こと、元日本代表監督の岡田武史さん、ご存じの方も多いと思います。

岡田監督がかなり前に講演会で話した内容を抜粋してお届けしたいと思います。メチャメチャ長いですが、本当にしびれる話ばかりです。

 

●代表監督の知られざる世界

岡田監督は、日本がはじめてワールドカップに出場した1998年のフランス大会と、2010年の南アフリカ大会で指揮を取りました。

フランス大会のときは、その直前まで務めいた加茂監督が成績不振から更迭され、コーチから急きょ監督、という突然の人事でした(ちなみに加茂監督が選ばれたのは、サッカー協会のおえらいさんたちと加茂監督が麻雀をしているときに「ユー、やっちゃいなよ」的な感じで決まったというウワサがあります)。

おとなしそうな雰囲気で、本当に指揮官として選手とともに戦えるのだろうか、というのが失礼ながら私の第一印象でした。

しかし、実際にはワールドカップへの切符を日本代表がはじめて獲得するという偉業を成し遂げました。直前でキングカズこと三浦知良選手を代表から外すなどの英断も、私からしたら「さすが!」という感じでした。今の三浦知良選手は尊敬していますが、当時はやはり代表にいるべきではないと私やまわりのサッカー好きは考えていたからです。

そして、2010年のワールドカップでは、本田圭佑選手や長友佑都選手をはじめとしたメンバーで日本代表を予選通過、決勝トーナメントまで導いています。

ところが、この華々しい実績のウラではかなりの苦悩があったそうなんですね。

ひとつは、メディアやサポーターの評価。国際試合で負けようものなら、批判殺到です。「本当にのた打ち回るほど苦しんだ」と語っています。

1997年、フランスワールドカップに出場できるかがかかった予選で黒星がついてしまったときには、スタジアムに押し寄せたサポーターたちがイスを投げてきたりと狂気じみて攻撃的になり、国立競技場を出るのにパトカーに押し込まれたそう。

また、そのころは急に監督になったので、有名になるなんて思っておらず、電話帳(タウンページだと思われる)に自宅の住所や電話番号を載せてしまっていたせいで、脅迫状や脅迫電話が止まらなかったそうなんです。直接変な人が家に来たり。。。

もうひとつは選手との関係性。

以下は岡田監督が横浜Fマリノスで指揮を取っていたときの話のようですが、経営者なら共感するところがある話だと思います。

サッカーは、相手のゴールへの最短距離である中央突破が花形だし醍醐味です。しかし、相手チームもそれをわかっているから中央の守備は固める。監督は、サイドにボールをだすように指示します。ところが選手はなかなか出さない。何度もしつこく言っていると、やっとサイドにボールをだすようになる。そうすると、試合に勝ててしまう。

この結果、何が起こったかというと、選手が「何も考えずロボットのようにサイドにボールをだす」という現象が起こったんだそうです。中央が空いているときですら。

これは仕事でもけっこうあるあるではないでしょうか?物事の本質ではなく表面だけしか捉えないから、杓子定規に一度言われたことだけを繰り返して失敗する。プロのサッカー選手として試合に出ている人ですらこういう人がいるんですね。

また、サッカーは11人しか試合に出られません。日本代表は控えの選手を入れても20〜25人です。その選出をすることにも大きな責任とプレッシャーがかかると岡田監督は言います。

元ブラジル代表のジーコが日本代表の監督を努めたとき、久保竜彦というストライカーが代表に呼ばれました。久保竜彦は当時の横浜マリノスのエースストライカーでした。ところが、久保竜彦はワールドカップ直前で代表から外されてしまいます。

岡田監督がマリノスの監督をしていたあるとき、練習場の駐車場に久保竜彦の家族がいたそうです。当時まだ小さかった久保の娘さんは、大声で「ジーコ、大っキライ!!」と叫んでいたそう。それを聞いて、「ああ、おれもああなるんだな」と岡田監督は思ったと言います。

ほかにも、スタジアムに試合を見に行ったら、じーっとにらんでいる女の人がいて、「身に覚えがないなあ」と思って聞いてみたら、岡田監督がメンバーから外した選手の奥さんだったそう。

岡田監督も人間ですから、好かれたいとか嫌われたくないという感情はある。けれどそれでは代表監督は務まらないと語ります。これも社長あるあるです(というかリーダーあるある)。

そしてそのときに大切なのが、「おれがこう思われたい」「おれがこうなりたい」という私心ではなく、「チームが勝つために」ということにどれくらいフォーカスして「腹をくくれるか」なんだそうです。

 

●「腹をくくる」とは?

岡田監督はメチャメチャ勉強熱心な方です。

マリノスの監督をしているときに監督としての限界を感じ、その後監督業を一時期辞めます。その期間に「指導者としての自分の限界を破りたい」と思ってさまざまな勉強をされたそうです。

勉強といってもサッカーの勉強というより指導法の勉強、人間としての勉強ということで、いろんな経営者のセミナーに出たり、会いに行って教えを請うたり、脳や心理学などいろんなことを勉強したりしました。怪しいこともいろいろやりました。空手や古武術、気功とか、占星術師のところまで行きましたが、ともかく何でもやりました。でも分からなかった。「自分が指導者としての殻を破るための“秘密の鍵”があるはずだ。それが何なのか見つけたい」と思って勉強したのですが、この秘密の鍵は見つからなかった。

「秘密の鍵」。これも共感できないでしょうか。私はバッチリ共感しました。

経営者に限らず、人はすべての問題を一発で解決する「何か」があると思いたがる傾向があるように感じます。「決定的な何か」がきっとあるはずだ、と。すごいよくわかるんですよね。

でも、そんなものは見つからずに、這いつくばってなんとかそれでも生き延びてやろうと思っていると、自然となんとかなってしまう。「なんとかなった」あとに、じゃあ「なんとかなった決定的な何か」があったかというと、私はほとんど見つかったことがない気がする。

岡田監督もそのようですが、どうやら講演会の文脈でいくと「開き直る」というのがある種の「秘密の鍵」だったとも読み取れます。

2008年に行われたワールドカップ予選でバーレーンに負けた際、まわりにも叩かれるし、自分自身も苦しんだと岡田監督は語ります。でも、その後に「腹のくくり方が足りなかったのではないか?」と自問し、開き直ったようです。

「よく考えたら自分自身の腹のくくりがなかったから当たり前だ。W杯予選が大変だと知っているのに、何て俺は甘いんだ。しょうがない。俺はもう自分のやり方でやるしかない。秘密の鍵もくそもない。誰がどう言おうが今の俺にできること以外できねえんだから、俺のやり方でやるしかねえんだ」とその時に開き直った。

責任あるポジションの人が「開き直り」というと、ちょっとイメージが悪いかもしれません。でもこれは、ある意味でどんな仕事でもトップやリーダーになったらいちばん重要な要素ではないかと岡田監督は言います。

監督の一番の仕事は「決断する」ことだと岡田監督は定義づけます。まさに経営者も同じではないでしょうか?

「この選手とこの選手、どちらを使うか」
「この戦術とこの戦術、どちらを使うか」

こういった場合に、答えなどほとんどありません。しかも、コーチなどを集めて「どっちがいい?」なんて多数決をとっても、「3対2だからこっち」みたいなことには絶対にいかないそうです。たったひとりで全責任を負って決断しなければならない。

これがW杯出場が決まるかどうか、優勝が決まるかどうかという試合だったらとても怖いです。「この決断1つですべてが変わる」と思うと滅茶苦茶ビビります。考えに考えます。論理的に考えても答えは出ないのですが、必死に考えます。「相手がこうしたらこうだ。こうなったらこうだ」と考えても答えは出ません。

じゃあどうするか。実は最後は「勘」なんだそうです。これもすごいわかるわー。

「相手のディフェンスは背が高いから、ここは背が高いフォワードの方がいいかな」とか理屈で決めていたらダメ。最後は「こいつ(を使うん)だ」という勘なんだと。

じゃあ全部勘が当たるかというと、そう当たりはしないとのこと(苦笑)。でも、当たる確率を高くする方法があるらしいです。

それは何かというと、「決断をする時に、完全に素の自分になれるかどうか」ということなんだそうです。どういうことか。

「こんなことをやったら、あいつふてくされるかな」
「こんなことやったら、また叩かれるかな」
「こんなこと言ったらどうなるかな」

こういう余計なことを考えていたら勘は当たらない。本当に開き直って素の自分になって決断できるかどうか、これがポイントなんだそうなんですね。

他人の目など気にせずに開き直ってしまうことが、岡田監督にとっての「素になる」ということで、つまりこれが本当の意味での「腹をくくる」なんだと。そしてこれが「勘」という決断の精度を上げると。

ここまでくると、これ、十分「秘密の鍵」何じゃないかと感じますね(笑)。でも、これもよくわかるというか、思い当たる節があるんだよなー。

岡田監督は遺伝子学の勉強などもされた様子で、生物学者の村上和雄先生という方は、これを「遺伝子にスイッチが入る」と言っているそうです。

経営者でも「倒産や投獄、闘病や戦争を経験した経営者は強い」とよく言われるのですが、どん底に行った時に人間というのは「ポーンとスイッチが入る」という言い方をします。これを(生物学者の)村上和雄先生なんかは「遺伝子にスイッチが入る」とよく言います。我々は氷河期や飢餓期というものを超えてきた強い遺伝子をご先祖様から受け継いでいるんですよ。ところが、こんな便利で快適で安全な、のほほんとした社会で暮らしていると、その遺伝子にスイッチが入らないんです。強さが出てこないんですよね。ところがどん底に行った時に、ポーンとスイッチが入るんですよ。

 

●日本代表にも活用された「インナーブランディング」

完全に開き直った岡田監督。それからは「自分の思った通りやる。秘密の鍵もくそもねえ。自分の今やれることをやるんだ」ということで、「何とか3次予選を突破しました」と語ります。

ところが、当の岡田監督が腹をくくっただけでは団体競技はうまくいかない。そしてこれは会社が組織である以上、ビジネスもまったく同様です。

ある時、Jリーグの連戦の最中にも関わらず、日本代表の国際親善試合(ウルグアイ戦)がありました。札幌に2日前に集合して、パッと試合して解散するというものだったそうです。

この試合、全然ベストメンバーが呼べなかったそう。たしかにすでに日本人も海外のサッカーリーグで活躍していましたから。

なので、急きょ呼ばれた選手は「ベストメンバーが集まらないから呼ばれた」「ワールドカップのメンバーにはどうせ選ばれない」みたいなモチベーションだったようです。

代表チームというのは難しくて、みんな自分のチームがあるので逃げ道があるわけです。代表でダメでも、自分のチームに帰ればいいよと。この試合は3対1で完敗しました。ところが選手は、「呼ばれましたから来ました」「試合出ろと言われましたから出ました」「こういうサッカーやれって言われたからやりました」「はい負けました。帰ります、さようなら」と淡々と帰っていったんです。

「負けるのは仕方がない。でも、このままだと何回やっても同じことの繰り返しだ。どうしたらいいんだろう」と悩み、岡田監督はある2つの施策を行います。

  • 明確な共通した目標を持つこと → ワールドカップベスト4
  • “フィロソフィー(哲学)”をつくること → 「このチームはこういうチームなんだ」

これらはどちらもインナーブランディングだと私は考えます。「インナーブランディング」とは何か?

通常、「ブランディング」というと多くの人が「見栄えを良くする」というイメージをもつと思います。これは便宜的には「アウターブランディング」であり、外部に向けての視覚的な発信となります。対して「インナーブランディング」は見た目ではなく中身、というイメージです。

人間に例えるとわかりやすいです。「アウターブランディング」は「身だしなみ」です。「インナーブランディング」は「人格(心・性格)」です。どちらも大切です。まさに両輪です。

サッカー日本代表の場合は、いわゆる「ブランディング(=アウターブランディング)」は監督の仕事ではありません。岡田監督は、日本代表の「人格」づくりに着手しはじめました。

まずは目標について。

目標もないまま成長しようとすると、時間がかかると岡田監督は言います。ひとつずつ積み上げていくしかない。しかしワールドカップ本戦も含めると、与えられた時間は4年しかない(結果を出すには短すぎるという人もいます)。

しかし、そこに「目標」が加わるとガラッと変わる、まるでオセロのよう、と語る岡田監督。

「お前、そんなことでベスト4行けるのか?」
「お前、その腹でベスト4行けると思うか?」
「夜、酒かっくらっていて、お前ベスト4行ける?」
「しょっちゅう痛い痛いと言ってグラウンドに寝転んでいて、お前ベスト4行けると思うか?」

目標が加わっただけで意識が変わるわけです。

ちなみにビズアップもこの「目標と重ね合わせて行動を見つめ直す」ということはよくやります。それだけでなく「在り方を重ね合わせて行動を見つめ直す」ということもやります。具体的には「私たちは日本一のロゴマーク専門デザイン会社だ」という在り方を社員に提示しています。

こうすることで、「日本一の会社にふさわしいサービスを提供する」という意識を社員のみんなに持ってもらうことができます。

またそれだけでなく、「これはやるべきか、やるべきでないか」の判断に迷わなくもなります。「日本一の会社だったらこんなことはしない」、「日本一の会社だったらやるべきだよね」。こういう判断基準ができるわけです。

つづいて「フィロソフィー」について。

経営理念や行動指針、はたまたフィロソフィーやクレドなどなど、言い方はさまざまあります。これについては語りたいことが多すぎてここには書ききれませんが、ひとまず言えることは、これらがある組織とない組織では、その強度が違う、ということです。フィロソフィーがなかったときの日本代表がそれを物語っています。

その上で、岡田監督が制定した日本代表のフィロソフィーを見てみましょう。

1.enjoy
2.our team
3.do your best
4.concentration
5.improve
6.communication

ひとつずつかんたんに見てみましょう。

1.enjoy

日本代表クラスになると、子どものころはだいたいが「お山の大将」。いつも「おれにボールよこせ!」といってでしゃばるタイプの人がほとんどらしいです。

これ、サッカーのコーチをしているとよくわかります(別に日本代表クラスを教えているわけではないですが)。こういう子たちがなんだかんだ活躍する。

ところが、大人になると「いまちょっとボールいらない」「相手のプレッシャーが強いし、ミスりたくないからパスしないで」となり、腰が引けたプレーばかりになる。そんなんじゃダメだと。

「enjoy」というのはただ単に「楽しもう」ということではなく、ミスしてもいいからリスクを冒せ、子どものころの「オレにボールよこせ!」を思い出せ、という意味が込められているそうです。

Enjoyの究極はどういうことかというと、自分の責任でリスクを冒すことなんです。日本の選手は「ミスしてもいいから」と言ったら、リスクを冒してチャレンジをするんです。ところが「ミスするな」と言ったら、途端にミスしないようにリスクを負わなくなるんです。

これ、仕事でも同じことが言えません?自分の責任でリクスを冒すから、うまくいったときにこれほど楽しいことはないと感じる。しかし、多くの日本人は「怒られたくないから」=「余計なことはしない」となり、結局配慮が足りなくて怒られるという、なんともな人が多いですね。

「自分が感じたことを信じて、勇気を持ってプレーしなさい」、それがEnjoyです。

2.our team

これも印象としては「みんなで助け合おう」というきれいな意味合いのように感じるかもしれませんが、ちょっと違います。

「お前がやるんだ!」
「お前がチームを引っ張るんだ!」

これの集合体が「our team」なんですね。

岡田監督は言います。ウォーミングアップの体操のとき、チームで声を出そうといっても実際に出しているのは3分の1だと。残りは「誰かが出すから、自分が出さなくても大丈夫だろう」と思っている。

これもよくわかるなー。自分のサッカーのコーチをしているチームも同じだし、会社の朝礼もまったく同じ!この風潮がはびこるとどうなるか。

残り時間10分くらいで0対1で負けている時、ベンチの前を通ったサイドバックの奴が、ベンチの僕の顔を見て走っているんです。「何でこいつ見てんのかな?」と思ったのですが、分かったんです。「今、チームは負けていますけど、僕は監督に言われた役割はしっかりやってまっせ」とアピールしているんです。
「チームはちょっと負けてるけど、俺は一生懸命やってるからまあいいや」ということで、だんだんみんなが引いてくるのが分かるんです。

こういうことが起こるんだそうですね。

また、スランプになった選手というのはだいたいものほしげに、つまり答えをほしそうにこちら(監督やコーチ)を見てくるそうです。でも、そこで下手に手を差し伸べると、その選手に嫌われることは避けられても、その選手がそのまま戻ってこれないことが本当によくあるそう。

これについては、「芝生」を例に面白いエピソードを岡田監督がしています。

芝生でもそうなんです。肥料や水をバンバンやると根が伸びないんです。見た目はきれいなんですけど、スパイクでちょっと歩くとグニャっとめくれるような芝生になってしまいます。芝生も大したもので、水をちょっとやらないと茶色くなって枯れたふりをするんです。そこで水をやると、「人間、まだ甘いな」となめてかかられる。さらに放っておくと、「やばい」と思って、自分で根を伸ばして水を探しに行くんですよね。マリノスの時に「この芝生、また枯れたふりしていますから」と言って水をやらなかったら、そのまま枯れたことが1回ありましたけど(笑)。これは難しいところなんです。でもそういうもんでね。「いろんなことを人にやってもらうんじゃなくて、自分でやらないといけない」という意味をour teamという言葉に込めています。

深いですね。ただの「みんなで助け合ってがんばろう!」ではないことがおわかりいただけたかと思います。

3.do your best

これも表面的には「自分のベストを尽くそう」ですが、そう浅い話ではないです。

「チームが勝つためにベストを尽くせ」ということで、「チームが勝つために」という目的が設定されています。

「お前の仕事がやりやすいためにチームはあるんじゃない。チームが勝つことにこだわれ」ということです。

4.concentration

直訳すると「集中する」となります。岡田監督流の解釈では「今できることに集中しろ」ということになるそうです。

できることは足元にある。今できること以外にない。それをやらないと、目標なんか達成できないんです。

たしかに先のことを考えないと不安になったりします。いや、むしろ先のことを考えることも重要。だけど、考えてもわからないことに振り回されすぎるのは、今に集中できていない証拠です。これは経営者自身も身につまされるものがあるのではないでしょうか。私はあります。

私はそんな自分を奮い立たせるために、自分に向けてつくった言葉があります。

  • 今必要なものは、すでにすべて手に入れていると信じろ。未来に必要なものは、これから必ず手に入ると信じろ。

岡田監督は次のように言います。

それでは選手が今できることは何かというと、日ごろのコンディション管理、集中したすばらしい練習をすること、試合でベストを尽くすこと。「この3つをきっちりやらないで、優勝しますとか、ベスト4行きますとか冗談じゃねえ」と言います。小さいことにもうるさいですよ。「100%使え」と言ったら98%じゃダメ、100%なんだと。

また、「今できることに集中する」ことこそ、運をつかむために必要な行動だとも岡田監督は言います。これもよくわかる。チャンスはいくらでも目の前を通っているけど、それに気がつけるかは「今に集中できているか」次第だと。

僕は「勝負の神様は細部に宿る」という言い方をします。試合に勝った負けたといった時には、大上段に構えた戦術論やシステム論が取りざたされます。それは大事ですが、勝負を分けるのは往々にしてそういう小さなことの積み重ねなんです。これはもう僕の信念ですね。concentrationではそういうことを言っています。

5.improve

「improve」は直訳すると「向上」となります。

「今に集中する」けれど、「今を守ろうとせず常にチャレンジする」ということがこの「improve」には込められています。

サッカー好きな人からしたらあるあるですが、試合で1−0とかで勝っているときに守りに入ると結局追いつかれたり逆転されたりするケースがよくありますね。逆にもう1点取りにいくくらいがよい。

チャレンジしていくと必ずそこに壁が現れます。甘い誘いも来たりします。でもその時に、先ほど言ったように遺伝子にスイッチをいれるためにも「絶対簡単にあきらめるな」と。「壁は邪魔をするために現れてきているわけじゃない。本気で目指しているかどうかを試すために出てきている。本気なら必ずその壁を乗り越えられる。本気じゃなかったらあっさり壁に阻まれる」、そう選手に言っています。

6.communication

これも、印象としては「お互いに密に接し合うこと」とか「仲良く良好な関係を築くこと」と感じるかもしれません。

もちろん、それは良いことです。そうなれればベスト。でも岡田監督は言います。

大体、男30人が集まってみんな仲良しなんてこと、今まで1回もないですよ。「どうもあいつそりがあわん」「どうもあいつ好かんな」ということはあります。でも、「どうもあいつ好かんけど、あいつにパス出したら絶対決めよる」「どうもあいつ馬が合わんけど、あいつにあそこ守らしたら絶対止めよる」、こうやってお互いを認め合うのがチームワークなんです。そう認め合ってもらうために、自分を認めてもらう努力をすること。これがcommunicationです。

深い。これも結局「自分」に戻ってきますね。「人に自分を認めさせる」のではなく「認めてもらうために自分と向き合う」ということが、「communication」だということです。めっちゃ刺さる。

そして、「communication」で重要なのが「あいさつ」だと岡田監督は語ります。

あいさつは「自分には認め合う準備がありますよ」という印ですから。あいさつもきっちりできないのにcommunicationなんかとれないです。

僕は毎朝犬の散歩をするのですが、知らない人に会っても必ず「おはようございます」とあいさつをします。

今、若い人がどうのこうのとよく言われていますが、一番知らん振りするのはおっさんです。何も聞こえていないふりして無視していきます。若い人の方がしっかりしています。でも大分前ですけど、小学校低学年の女の子に「おはよう」と声をかけたら、ダーっと走って逃げられましたけどね(笑)。「知らないおじさんに声をかけられたら逃げろ」と言われているんじゃないかな、嫌な社会ですね。

岡田監督は見た目とはウラハラにユーモアもありますね(笑)。でも、今一番ダメな世代が「おっさん」というのもすごく共感できるなー。40過ぎた男は本当にダメな奴が多いと思う。。。

以上が6つのフィロソフィーでした。このフィロソフィーができた後、日本代表は激戦を勝ち抜いてワールドカップ出場権を獲得しています。そして本戦では予選リーグを突破し決勝トーナメントに進んでいます。

さて、かなり長いコラムになってしまいましたが、いかがだったでしょうか。経営者であれば共感する部分、反省する部分が目白押しだったのではないかと思います。

そして、サッカーのプロ中のプロ、日本代表選手の集まったチームですら、「フィロソフィー」というインナーブランディングが重要だということがご理解いただけたかと思います。

今、会社にそれらがない場合はすぐに取り掛かったほうが良いです。かくいう私たちも、それで会社が大きく変わりましたから。

最後に岡田監督の講演会の記事を全文読みたい方はこちらです(会員登録しないと全文読めませんが、お金はかかりません)。

岡田武史氏が語る、日本代表監督の仕事とは

 

今回はここまでです!

津久井

投稿者プロフィール

津久井 将信
津久井 将信
ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。

かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。

2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。

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