ロゴコラムLogo column
企業のマネジメント部門に対して、会計ソフトウェアの開発販売、及び会計・経営管理システムの構築やコンサルティングなどを行っておられる、株式会社ビジネストラスト様。今回、新しく開発されたソフトウェア製品「BTrex(ビーティーレックス)シリーズ」をリリースするにあたり、そのロゴデザインをビズアップに依頼されました。
「こちらに具体的なイメージがまったくなくて、最初は曖昧な指示しか出せなかった」というご担当者さまですが、最終的には「まさにこれだ!」という”グッとくる”ロゴマークが完成したとおっしゃいます。その経緯を詳しくお聞かせいただきました。
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グローバル化の波を予見したソフトウェア開発
――御社は元々、経営コンサルティングのお会社だったそうですが。
前身はそうですね。当社の社長は公認会計士ということもあり、税務や経営のコンサルティングを行うというミッションのもと、1990年に会社を立ち上げました。やがて会計システムのソフトウェア開発・販売を始めたのは94年頃。それから現在に至っています。
もちろん今でもソフトウェアの販売だけでなく、コンサルティングというマンパワーの部分も行っています。コンサルティングという領域と、開発したソフトウェアをお客様にご利用いただくという領域。この二本立てで現在もビジネスを展開しています。
――どういったソフトウェアを開発してこられたのでしょうか?
開発を始めた当初、社長が会計業務におけるこれからのニーズとして思い至ったのが、「連結決算」というキーワードでした。当時、上場企業の財務諸表の開示において、個別決算から連結決算への移行という一つの世界的な潮流がありましたが、当時の日本ではまだ厳密な義務化などがなされていなかったのです。
しかし社長は、この流れはいずれ日本にも来るであろうと読み、連結決算システムに特化したソフトウェアの開発を推し進め、発売しました。それが今回の新製品「BTrexシリーズ」の前身にあたる、96年発売の「連結大王シリーズ」です。
――確かに、現在では連結決算がほぼ当たり前になっていますよね。
連結大王が初めてリリースされた頃は、グループ会社を束ねるという概念自体、企業側にもまだほとんどなかったようですね。しかし2000年頃に会計ビックバンと言われた会計制度の国際化が日本ですすみ、連結決算が日本でも本格導入されると、そのあたりをきっかけとして一気に需要は高まりました。
当時は財務諸表をまとめるソフトウェアはいくつもありましたが、連結決算に対応するソフトウェアはほとんどなく、当社のライバルは限定的でした。まあ”先見の明”というと言いすぎかもしれませんが(笑)、当社が考えてきたグローバルスタンダード的な思想が、まさに結実したといえるかもしれません。「連結決算」は現在も当社のビジネスにおいて、一番コアなキーワードとして位置づけられています。
新しい国際会計基準に対応する、
新ブランドの誕生
――続いてリリースされた今回の「BTrex(ビーティーレックス)シリーズ」とは、どういった製品でしょうか?
その後も会計の世界におけるグローバルな標準化は進んでおりまして、現在「IFRS」という国際財務報告基準が世界的に導入されつつあります。世界共通の会計基準としてすでに100ヶ国以上で採用されており、日本ではまだ強制適用にまでは至っていませんが(2011年7月時点)、これもいずれは制度化されるだろうと。
そこでこれまでの連結決算に加えて、さらにその国際財務報告基準にも対応するソフトウェアをお客様に提供しようということで開発されたのが、今回の「BTrexシリーズ」 です。操作性の面でも、新たにフローチャート形式を導入し、連結大王シリーズに比べると大幅にレベルアップしています。
――どのようにして「BTrex」というネーミングになったのでしょうか?
元々、連結大王とは一線を画して、ビジネストラストとしての新たなブランドイメージを確立したいという思いがありました。また製品のコンセプト上、「連結大王」という日本的な製品名ではなく、もっとグローバルなイメージを与えるものにしたかったというのもあります。
そういった課題の下、当社の今後を担う柱ブランドとして非常に重要なネーミングですから、社内の全部署からネーミング案を公募し、20点以上もの案の中から役員会で厳重に審査を行いました。で、最終的に決定したのがこの「BTrex」です。
ちなみに「BT」はビジネストラストの略で、「rex」はラテン語で「王」を意味します。つまりグローバル性というベクトルを持ちつつも、ベースとなる連結大王の思想は受け継がれているということですね。
1回目のデザイン案を見て、
オーダーの曖昧さを反省
――製品名も正式に決まり、いよいよロゴ制作となったわけですが、まずビズアップを知ったきっかけは?
WEBサイトですね。とりあえずデザイン会社を検索してみたら、2~3社候補が出てきまして、どこにしようかなと。ビズアップさんが目に留まったポイントはやはり料金体系ですね。それと最終的にOKが出なければ無料でよいというあたりにも正直惹かれました(笑)。
実をいうと、他にも似たような料金体系のデザイン会社があったので、最初はそこと同時に進めようと思っていたんです。そしたらビズアップさんから「それはやめてください」と。で、いろいろ話をお聞きすると「自信がありますから」と。じゃあそこまでおっしゃるならということで、ビズアップさんにお願いしてみることにしました。まあ「どうせダメでも無料だから」という安易な思いは、こちらとしても正直ありましたが(笑)。
――1回目に提示されたデザイン案はいかがでしたか?
それがですね、実はピンと来なかったんです。正直どうしようかなと・・・(笑)。 で、よくよく考えたんですが、これは我々の伝え方がダメだったんじゃないかということに気づいたんですね。「グローバル感があって、シャープな感じ」というような、あまりにも曖昧でぼんやりとしたオーダーしか出せていなかったのです。恐らくデザイナーさんのほうも困られたんじゃないでしょうかね。ビズアップさんのホームページでそのデザイナーさんの作品を拝見しましたが、決して悪くない。社内でも話し合って、これはたとえ別のデザイン会社に替えたところで同じことだな、という結論に至りました。
――それから具体的にどうされたのですか?
最初の打合せには津久井社長にも来ていただいてましたし、また一から説明しなくても基本的なことは理解していただいているだろうから、とにかくもう一度ビズアップさんにお願いしようと。で、ビズアップさんのホームページをもう一度よく拝見したところ、ある作品に目が留まり、「このロゴをデザインした人にお願いしたい」ということで、再度コンタクトをとりました。
そしたらビズアップさんは素直に受け入れてくださり、そのデザイナーさんと津久井社長とでまた打ち合わせにお越しいただきまして。今度はこちらとしてもできるだけ具体的に要望をお伝えしなければと思い、そのデザイナーさんの作品も参照しながら、かなり詳しくご相談させていただきましたね。
商談がスムーズに進む!
強いインパクトのあるロゴマーク
――そうして出された2回目のデザイン案はいかがでしたか?
先の1回目はロゴタイプのみだったのですが、2回目の際にはロゴマークとロゴタイプのセットでご提案いただきました。
とにかくこのロゴマークを見た瞬間に、本当にもうグッときまして(笑)。我々の言うグローバルなイメージを表現してくださったのですが、何よりも非常にインパクトがあったんです。
つまりそれはお客様が見ても印象に残るということ。例えばお客様にお渡しする製品資料にこのマークが入っていれば、「このマークの製品」と覚えておいていただける。それって商談をスムーズに進める上で非常に大きなメリットですし、これはぜひとも入れたいということになりまして。社内でも役員クラス全員に見せたところ、全会一致で「OK」。このマークはその後も一切修正を加えず、そのまま採用させていただきました。
我々は当初、漠然と「ロゴをつくりたい」という思いしかなくて、文字だけなのかマークも入れるのかということも特に考えていなかったのですが、その中でこういったデザインを提案していただいたのは本当にありがたかったです。
――ロゴタイプの部分は?
書体のバリエーションとしてA、B、Cの3案出していただいておりまして、そのうちのC案をベースにして若干の修正はお願いしました。本当に細かいツメの部分のやり取りでしたが、そこでもまたこちらのオーダーとは別のバリエーション案を出してこられたので悩みましたよ(笑)。 まあ最終的に今のデザインに落ち着きまして、本当にいいものができたと感謝しています。
リーフレットやパッケージの
デザインもビズアップに依頼
――完成したロゴはどのように展開しておられますか?
本格的な展開はまだこれからですが、この製品について社外に伝えていくツールについては、極力このロゴを露出していく方針です。今のところ完成しているものでいうと、リーフレットとホームページ 、それとパワーポイントによる製品資料ですね。
リーフレットについては、ビズアップさんにデザインをお願いしました。それと製品パッケージ自体にももちろんロゴが入っておりますが、そちらのCDラベルやCDフォルダといったパーツのデザインも、ビズアップさんによるものです。
――ロゴ以外のデザインもかなり依頼されているのですね。
たとえばパッケージのデザインひとつとってみても、ヘタに我々素人が手を出すべきものではないんですよね。ビズアップさんはデザインのプロであり、プロにおまかせしたほうが確実にいいものができるというのは、今回のロゴ制作で本当によくわかりました。そのデザイン技術を他にも応用していただけるのであれば、我々としては非常にありがたい。プロの技術が必要で、かつおまかせできるような部分については、これからもぜひお願いしたいと思っております。
――では最後に、これからビズアップに依頼される方々にメッセージがあれば。
今回、我々は最初のオーダーがうまくいかなかったという反省がありましたが、まああまり杓子定規にならず、いろいろ深くコミュニケーションをとって思いを伝えようとすることが大切なのかなと思います。 お互い遠慮してしまうと、たぶん欲求不満を溜めた状態で終わってしまいますからね。ビズアップさんは親身になって相談に応じてくださいますから、依頼側も思うところを正直に申し上げること。それがいいものをつくることにつながるんじゃないかと思います。
――本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。
※ ビジネストラストさまのWebサイト ※ 取材日時 2011年7月 ※ 取材 カスタマワイズ |
投稿者プロフィール
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ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。
かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。
2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。
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