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2018年06月01日 ターゲティング デザイン ブランディング メールマガジン 心理学 【第432回】モテる会社とモテない会社の違いは「〇〇〇」を表現できているか

こんにちは。





ロゴ作成専門ビズアップ 津久井です!
https://www.biz-up.biz







最近、
ハマっているネットTVの番組があります。



テレビCMを見て知ったのですが、
アマゾンプライムビデオの
「バチェラー・ジャパン」という番組です。



ひとことで言えば
とんでもない番組です。



ひとりのイケメン独身セレブ男性を
25人の女性が奪い合うという、
ある意味下品な番組です(笑)。



およそ2ヶ月に渡り
さまざまなイベントで女性たちと
過ごすイケメンセレブ(バチェラー)。



バチェラーは25人の女性から
自分にふさわしくないと思う人を2ヶ月の間に
少しずつ脱落させていかなければなりません。



これを聞いただけでも下品だと思います(笑)。



なので下品な気持ちで見ようと思ったのですが、
エピソードが進むうちに意外にもバチェラーにも
女性にも感情移入していき、



最終的には
「なにこれ!めっちゃ面白い!」
と感じる番組でした。。。



それにしても
バチェラーは本当にイケメンで
性格も良くて爽やか。



イケメンじゃいと番組が
成立しないということを考えると、



やはりここでも
人間にとって見た目がいかに
重要かを考えさせられます。



ちょっと思ったのは、
バチェラーは基本的には



・イケメン
・セレブ(お金持ち)



の両方を兼ね備えていますが、
もしもどちらかだけだったら、
どんな女性がどんな反応をするのか
実験してみたい気持ちになりました(笑)



では今日のお話です。



バチェラー・ジャパンの話をしたのは
番組を見ないと実感がわかないかもしれませんが



「見た目」がいかに大切か
というお話をしたかったからです。



そしてこれは人間だけでなく、
会社やその会社の商品でも
まったく同じことが言えます。




人間は



・買ったことのない商品
・会ったことのない(初めて会った)人
・行ったことのない店



などの印象のほとんどを
「見た目」で決めています。



なぜかというと、
はじめは単純に見た目しか
情報や判断基準がないからです。



買ったことのない商品は
その善し悪しを体験していないので
判断できません。



なので、
限られた時間の中で正しい判断ができる
だけの情報をほしいと感じるわけですが、



実は



「この商品は良さそう」
「この営業マンは信頼できなさそう」



などの見た目に影響されて
その後の情報をポジティブに受け取るか
ネガティブに受け取るかが決まってきます。



当然ですがポジティブな印象を
はじめに感じてもらえれば
購入の可能性は高まります。



ファーストインプレッションは本当に大事で
その後の評価を決めてしまうということが
往々にしてあります。



心理学ではこれを「初頭効果」と言い、
ファーストインプレッションが
ポジティブかネガティブかで、
その人の言動がどう受け取られるか決まります。



たとえば、
あまりおしゃべりが得意ではない人がいて、
ファーストインプレッションがポジティブならば
「寡黙でクール」と受け取られますし、



ネガティブな第一印象であれば
「根暗」「つまらない」と取られます。



バチェラーのような
イケメンで身だしなみも整えている人は
「寡黙でクール」という印象になりますし、



爽やかで明るい性格でも
身だしなみが悪ければ「ヘラヘラした人」と
取られてしまう可能性もあるわけです。



これは前述の通り人だけではありません。
お客さんは「見た目」で会社や商品を判断しています
(口コミ、紹介の場合はまたちょっと違います)。



とにかくここでは、



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
会社、商品、サービスにはじめて接触する場合、
人は見た目しか判断基準がないケースがほとんど
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



だということを覚えておいてください。



ということは、
会社や商品、サービスの身だしなみを
おろそかにするとどういうデメリットがあるか。



会社や商品、サービスの身だしなみを
おろそかにするデメリットは



★機会損失



です。



機会損失とは、



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
見た目さえきちんとしておけば
得られた売上・利益を捨てている
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



ということです。



たとえば、
Aという商品とBという商品があったとして、
商品Aは見た目をきちんと整えている、
商品Bは見た目を整えていないとした場合、



価格、スペックなどがまったく同じならば
どちらを購入しますか?



当然ですが商品Aですね。



これは極端な例ではありますが、
せっかく良い商品を開発しても、
「商品力さえあれば売れる」というのは
甘い考えだと言わざるを得ません。



ライバルがまったく同じスペックのものを
御社よりも安く、そして見た目を整えた状態で
真似してきたら、完全に負けます。



見た目をきちんと整えておけば、
そんな参入の仕方はされなかったかもしれない。



これ、
デザインで売上・利益が上がったというよりも、
本来得られていた売上・利益を捨てていた、
という状態です。だから「機会損失」なんです。



採用のシーンを考えてみましょう。



採用の合同説明会か何かにブース出展し、
同じ業種、給料の会社が横並びになったと
仮定しましょう。



左の会社は見た目をきちんとしていて、
右の会社は見た目をおろそかにしている、



就職活動に来た人は
どちらを選ぶと思いますか?



これも言わずもがなですね。



つまり、
会社や商品、サービスの身だしなみを
おろそかにするということは、



その時点ですでに
「マイナススタート」の可能性が高い
ということなんです。



身だしなみを整えていないということは
加点されないどころか減点されている
「マイナススタート」だということを
まずは認識しなければなりません。




つづいて、
身だしなみを整えるメリットについて
お話しましょう。



ここでお話したいのは



・美的・ユーザビリティ効果
・魅力バイアス
・期待効果



という3つの心理的な効果です。



・美的・ユーザビリティ効果



デザインが美しいものは、
美しくないものに比べて



「使いやすい」



と認知されやすく、
これを美的・ユーザビリティ効果と呼びます。



そしてデザインが美しいものは
より効果的に人々から肯定的な
気持ちを引き出しやすくなります。



前述の
第一印象がポジティブかネガティブかで
その後の相手の印象や言動が決まってしまう、
というのもここから来ていると思われます。



また
問題が生じても許容されやすいらしいです。



つまり、「身だしなみ」を整え
美的に優れたデザインを目指すことは、



単に外観を飾ることだけではなく
人々の支持や許容、満足を
得ることができるんですね。



・魅力バイアス



見た目が魅力的な人ほど、
知的で、有能で、礼節をわきまえ、
社交的だと受け取られやすい傾向があります。



これを「魅力バイアス」といいます。



スーツを着るなどはまさにこれ。
魅力バイアスを相手に感じてもらうためです。



よく、



「ロゴをつくってもらったら
信頼度が上って初対面の営業が楽になった」



という声をお聞きしますが、



これは「会社の身だしなみ」を整えたことで
魅力バイアスが効いているということです。



魅力バイアスについての
よもやま話をふたつほど。



アメリカの過去の大統領選で、
ケネディとニクソンの討論会が行われた時のこと。



ラジオを聞いた人々の大半は
ニクソンの勝利を確認し、



テレビを見ていた人々の大半は
ケネディの勝利を確信したそうです。



なぜなら
ケネディのほうがイケメンだったからです。



私は当時のことはわかりませんし、
両者の主張がどのようなもので
どう違ったかもわかりませんが、



テレビの普及も重なり、
結果はケネディが大統領となりましたね。



これがひとつ目。
そしてもうひとつ。



・経営者で
・仕事ができて
・お金持ちで
・いろいろな事業をしていて



などなど、
まさに冒頭のバチェラー・ジャパンの
バチェラーのような人、



こういった人の外見を
なんとなくイメージしてみてください。



社会的なステータスが
高い人のことをイメージする時、
実は大半の人が「高身長」の男性を
思い浮かべるそうです。



どうでしたか?
バチェラーは高身長のイメージでしたか?



これも
魅力バイアスの一種だと考えられます。



・期待効果



何かを期待した(させた)結果、
相手の認識や行動に変化が起きる現象を
「期待効果」といいます。



これは良い意味でも悪い意味でも
発生する心理効果です。



たとえば
先生に優等生だと思われている子は
そのように振る舞いますし、



問題児だと思われている子は
本当に問題を起こすような子に
なる可能性が高いです。



子どもにかける言葉は
本当に注意が必要ですね。



これが
我々のデザインの仕事だとどうなるか?



たとえば、
同じワインをパッケージだけ変えて
飲み比べした時の印象がどうなるかを
実験した話があります。



簡易な紙ボトルに入ったワインと
高級感漂う瓶のボトルに入ったワイン。
中身はまったく同じ。



答えはおわかりと思いますが
後者のほうが美味しいと評価されるそうです。
同じワインにもかかわらず、です。
これも期待効果のひとつです。



お客さまの期待値が高まるように
会社の身だしなみを整えるということは、
おのずとサービスも良いと判断されることに
つながるわけです。



いかがでしょうか。
先ほどの「機会損失」は
マイナスをゼロにするというお話でした。



この3つの心理効果は
ゼロをプラスにするお話です。




さて、
会社の身だしなみを整えることの重要性は
理解いただけたのではないかな、と思います。



では、
なんでもかんでも美しければ
それで良いということなのでしょうか?



たとえば
こんなケースはどうでしょうか?



先ほどの合同会社説明会の例で、
A、B、Cという競合関係にある
3つの会社が出展していたら。。。



しかも3社とも
会社の身だしなみを整えているとしたら。
そうしたら差がないように感じますよね。



ここで重要になってくる考え方があります。
それは「らしさ」というものです。



たとえば



・上戸彩
・長澤まさみ
・北川景子



の3名を美人だと思いますか?



おそらく
「美人か美人でないか」と聞かれれば
「美人」と答えると思います。



では、
この3人では誰が好きですか?



これは人によってバラバラに
別れることが想像できますよね。
それは人それぞれ好みが違うから。



超カンタンに言えば、
これが「らしさ」です
(美人であることは「強み」)。



「らしさ」は
「好み」をつくりだします。



ここで重要なのが



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
人は、目にしたものから
必ず何らかの印象を受けてしまう
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



ということです。
これを「デザインの無拒否性(C)」
と名付けています。



つまり、
会社、商品、サービスの身だしなみを整えた時、
必ず見た人は何かしらの「らしさ」を受け取り、



それが自分の好みかどうかを判断している、
ということです。



合同会社説明会の例で言えば、



A社の身だしなみが好みの人が興味を持つし、
B社の身だしなみが好みの人が興味を持つし、
C社の身だしなみが好みの人が興味を持つ、



ということなんです。



人間でもそうですよね。
同じスーツでもその人に合うスーツ、
合わないスーツがあります。



これは
その人らしいスーツがその人に合うスーツであり、
その人らしくないスーツがその人に合わない
スーツだということです。



「らしさ」について考えさせられる
面白い話があります。



先ほどから
身だしなみを整えることの
重要性をお話しましたが、



個人宅のお庭を手入れしているような
「植木屋さん」の場合は、



スーツで見積りを提出しに行くと
成約率が落ちるという話があります。



逆に植木屋さん「らしい」服装のほうが
成約率があがるということなんですね。



また、
次の画像をご覧ください。



身だしなみを整えているのはどっち?
→ http://bit.ly/2sjmDnZ



一見すると、
「いちごパイ」のほうですよね。



しかし、
右側のお漬物のほうが
売れるケースがあるとしたら?



たとえば
景色が素敵な山の上のほうに
ドライブにいったときのドライブインで、
この2つの商品を見たときにどうなるか。



いちごパイから感じるのは、
「見た目を整えている」と同時に



・どこでも買えそう
・工場で大量に生産されている商品



という印象ではないでしょうか。



逆にお漬物は



・ここでしか手に入らなそう
・地場の野菜で手作りされていそう



ではないでしょうか。



これが
「デザインの無拒否性」から感じる印象で、



シチュエーションによっては
身だしなみを整えていないほうが
「らしさ」を感じられよく売れてしまう
というケースもあります。



したがって、
「身だしなみを整えていないのはダメ」ですが



「どう整えているのか」も
とても大切だということです。
美しければ良いとは限らないということです。



「結局どっちなの?美しいほうがいいの?違うの?」



と感じられるかもしれませんが、
答えは明確です。



「ターゲットは誰か?」



に尽きるということです。



ターゲットが



・不快感を感じない(美しいと感じる)
・それ以上に「らしさ」を感じる
・その「らしさ」に好意を持ってもらう



ということが本当の意味での
「身だしなみを整える」ということなんですね。



さて、
今回のお話をまとめますと、



人は、
はじめての接触では見た目しか
判断基準がない場合がほとんど。



見た目をおろそかにするということは、
「ゼロ」ではなく「マイナス」(機会損失)。



身だしなみを整えると信頼や好意が増し、
通常よりも評価が高くなる(プラスになる)。



身だしなみは「らしさ」を出すことで、
他者(他社)との違いを生むことができ、
反応してほしい人に反応してもらうことができる。



「誰に(ターゲット)」が一番大切。



こんなお話でした。



今から移動しながら、
そしてお昼を食べながら
バチェラー・ジャパンのシーズン2を見よう(笑)




今回はここまでです!





津久井




好評いただいてます。
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投稿者プロフィール

津久井 将信
津久井 将信
ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。

かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。

2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。

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