ロゴコラムLogo column
こんにちは。
ロゴ作成専門ビズアップ 津久井です!
https://www.biz-up.biz
先日、
私たちでロゴを作らせていただいた福島県のお客さまが
事務所に遊びに来てくださいました。
先週のメルマガでご紹介させていただいた菊池と私で
お昼をご一緒させていただきました。
東京にいらっしゃったということで
私たちのことを気にかけてくださり、
連絡をくださりまして。
やはり、
そういうのってとても嬉しくなりますね。
すごくありがたいです。
ぜひ
あなたもお近くにいらっしゃった際には遊びに来てください。
さて、本日のお話です。
先日、
お客さまのところでホームページのお打ち合わせをした帰りに、
西日暮里の駅のホームで「お!」と思わせる看板を見つけました。
とても優れた看板だったので
思わず写真をとってしまったのですが、
本日はその看板を見ながら
デザインについてのお話をさせていただこうと思います。
その看板がこちらです。
http://bit.ly/W44J1R
この看板のどんなところが、なぜ優れているのか、
以下の切り口でお話していきますね。
●とても目立つ
●理解させるための工夫がある
●あえて直すなら
●とても目立つ
まず、とても目立ちます。
写真からではわからないのですが、
この看板は駅のホームにある売店の側面の壁に貼ってあります。
つまり、物理的に距離が近いので
線路越しの看板よりも目に飛び込みやすいです。
また、
線路越しの看板は他の看板と横並びになります。
こんな感じ。
http://bit.ly/XDxHTM
これは相対的に目立ちません。
対して、壁面に一枚だけある看板のほうは相対的に目立ちます
(以前のメルマガでお伝えした「デザイン相対性理論」)。
そして、
真っ青の壁に対してコントラストが強いオレンジで
あえて「枠」を作っています。
この枠がないと輪郭がぼけて締まりがなくなるんですね。
デザインをキュッと締めたい時にはこのような枠をつけると
とても効果的。
締まることにより視線が安定します。
視線が安定するということは、意識が流れづらいということです。
さらにさらに、
メインコピーが「お知らせ」です。
これがアイキャッチになっています。
通常ここは
「一番言いたいこと」≒「わりと長い文章」になります。
最低でも15文字前後にはなるでしょう。
そうすると、限られた看板のスペースでは
自ずと文字を小さくせざるを得ないので、
視線が留まりづらくなり、目立ちづらい看板になります。
「お知らせ」の4文字にすることで
文字の大きさを大きくできますから、
デザインにも強弱のメリハリがつき
アイキャッチ化しやすくなります。
そして
この「お知らせ」には別の効果もあります。
それが次のお話です。
●理解させるための工夫がある
さて、
「お知らせ」というメインコピーは
アイキャッチだけではなく別の効果も生んでいます。
「認知(的)不協和」というものを起こすのです。
認知不協和とは、
「きちんと理解できないと気持ち悪くなってしまう心理」
とでもいいましょうか(正確な表現ではありませんが)。
詳しい説明はWikipediaに譲りますが、
ひとつ例を上げます。
テレビ番組の「CMまたぎ」が好例です。
何かのランキング1位の発表や、
「そのあとどうなるの?」と思わせる結果をCMの後に回す手法です。
なんとなく結果はわかっていても
どうしてもCM後の結果を見てからでないと
チャンネルを変えられない、ということがありませんか?
このように、
人間は不可解なものや矛盾、疑問を抱えたままだと不快感を抱くので、
それを解決しようとする心理が働きます。
「お知らせ」
と書かれてしまうと、
なんとなく整体の看板だとわかっていても
その「お知らせ」の正体が何なのかを突き止めたくなるわけです。
ここ(メインコピー)は
普通であれば一番言いたいことを書きたくなってしまいます。
もちろん
引きの強い秀逸なコピーであればそれでもよいのですが、
大抵は広告主が言いたいことであって
読み手が知りたいことではないことが多いです。
この場合のメインコピーのミッションは、
言いたいことを伝えるのではなく「つづきを読ませる」。
結果、看板(「お知らせ」)を見た人に
次の文章を読む、看板全体をよく見てみる、
という行動を起こさせます。
看板をよく見てみようと思わせられれば、
相手に自社(店)をより理解してもらうための
大きな一歩を踏み出せたも同じです。
これが理解されるための工夫のひとつ目です。
次に、
・毎年5,000人を超える方々が利用しています。
・リピート率8割以上
・利用者数3万人突破
などのスペックをきちんと表記して
他院との差別化を図っています。
さらに、
院の場所の表記も秀逸です。
「左うしろ」
「ココから見えます!」
こう書かれてしまうと、
先ほどの認知不協和と同じで
どこにあるかどうしても確かめたくなってしまいます。
結果、見た人は
院の正確な場所を把握することになります
(私は近隣の人間ではないですが確かめてしまいました)。
余談ですが個人的には
「左後ろ」ではなく「左うしろ」としているだけでも
これを作った人は「わかってらっしゃる系」だなと思ってしまいますね。
まとめると、
物理的に近い距離の真っ青な壁に
オレンジ色の枠の看板が1枚だけあるのでものすごく目立つ。
↓
メインコピーが「お知らせ」で短い文章なので
デザイン的にもメリハリを付けられ目立たせやすい(読ませやすい)。
↓
「お知らせ」は認知不協和を起こす。
ライバルはこういうコピーをメインでは使わないのでより興味を引く。
↓
看板をよく見てしまう(理解してしまう)
↓
信頼感を生み出すスペック情報が載っている。
↓
場所を確かめる。
ざっくりですが、
看板を見た人はこんな行動をとることになります。
●あえて直すなら
2点あります。
1点目は、
この整体院に行ったほうが良い、行きたいと
思わせる特徴づけや動機づけが弱いことです。
例えば、
体の疲れや悩みを感じているが整体院に行ったことがない人には
この看板の内容で十分かもしれませんが、
今すでに他の整体院に行っている人が
この整体院に一度でもいいから行ってみたほうが良い、
という理由は薄いです。
もう1点が、
真ん中にある黄緑の吹き出しです。
吹き出しというのは
デザイン的にかなりアイキャッチ効果が高く、
吹き出し内の文章を高確率で読んでもらえます。
しかし、
せっかくの吹き出しの中のコピーが
・この「手」ためします。
という、
なんとなく意味が分かりそうで
実際はよくわからないコピーが入ってしまっています。
本当であれば、
ここに動機づけ、理由づけになるコピーを
入れることができればよりよい看板になったはずです。
例えばですが、
いろいろな制約条件をとっぱらって考えますと、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
他院との違いを感じてほしいから初回無料。
※初回だけで終わってもかまいません。
一度試してみてください。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
という感じでしょうか。
腕に自信がある、本当に他院とは違うスペックやイメージを持っている
といった整体院であれば、初回で患者さんを魅了できるはずです。
※あくまで一例です。
さてさて、
看板だけでなくすべてのお客さまとの接点のデザインは
本当はここまで考えてやらなければならないわけです。
そして
こんなことまで考えてデザインするデザイン会社は
日本にはほとんどありません。
今回の看板が「はじめて出会った」と思うくらい、
こういう仕事をきちんとできるデザイン会社は少ないです。
間違っても
名前と住所と電話番号だけの看板は作らないでくださいね。
いくらキレイにデザインされていてもダメです。
今回はここまでです!
津久井
【連絡先】
・お電話:03-5876-8656
担当:津久井・菊池・林
受付時間:平日10:00~18:00
・メール:support@biz-up.biz
津久井・菊池宛
24時間メール受付中
投稿者プロフィール
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ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。
かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。
2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。
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