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こんにちは。
ロゴ作成専門ビズアップ 津久井です!
https://www.biz-up.biz
よくよく考えると
もう11月なんですね。
ここから年末までは
もはや「光速」のようなスピード感で
過ぎ去っていくと思います。
「光の速さ」ですからね、
これ以上ない速さです(笑)
ちなみに昔、
長男に質問されたことがあるんですよね。
「光より速いもの、何かわかる?」
私が「わからない」と答えると、
長男は言いました。
「想像力」
長男が小学4年生くらいのときでした。
これ、
かなり言い得て妙なところがあると思っています。
ちょっと量子力学とかに通じるんじゃないかなと。
すげーな、と。。。
長男が5歳のときにも
「なぞなぞ」を出されて
こいつすげーなと思ったことがあります。
「見えるけど見えないもの、なーんだ」
5歳の子が
考えるようななぞなぞですからね。
「おばけ?」
と答えましたが
「ブブー!」と言われました。
正解はなんと、
「思い出」だそうです。天才なのか?
一方次男は5歳くらいのころ、
「この世で最も速いものは何?」
という質問に次のように答えていました。
「 リ ス 」
おそらくその前の週に
「町田リス園」というところに
家族で遊びに行ったからだと思います(笑)
さて、今日のお話です。
今日は本をご紹介したいと思います。
帯にこんなことが書いてある本です。
・・・・・・・・・・・・・・・・
戦略の真髄は
思わず人に話したくなるような
面白いストーリーにある。
・・・・・・・・・・・・・・・・
これだけで私は
胸がキュンとなってしまいました。
もはや名著過ぎて
私が紹介するのもおこがましいし、
すでに読んだことがある人も
大勢いるかもしれませんが、
ご紹介するのは楠木建さんの
「ストーリーとしての競争戦略」です。
●
この本は
優れた戦略の条件について書かれた本です。
本のボリュームはなんと
ちょうど500ページ(巻末注記除く)。
ですがかなり読みやすく、
かつ読み応えがあります。
私は一気に読んでしまいました。
名著であり500ページもある本を
ざっくり説明すること自体が
とても失礼な行為の気がしますが、
それでも
この本に少しでも興味を持っていただき、
佐久間さんのビジネスに「役に立った」と
感じてもらえればうれしいです。
「戦略」というと
何かしらの「法則」があるような
イメージですよね。
楠木さんは
「戦略は法則ではない」といいます。
法則というのは
前提が一定であればXならばYである、
ということになるのですが、
この「前提が一定」なんていうことは
そもそもビジネスにおいてあり得るのか、
ということです。
昔お世話になった先輩が言っていました。
Aという店が繁盛した。
なのでそのフランチャイズ店を
つくることになった。
Aがうまくいっているのだから
そのフランチャイズ店であるBもCも
うまくいくはずだ、
こう考えて失敗することが本当に多いと。
同じ業態、ブランドのお店だからといって
うまくいくとは限らないというのです。
一見同じようなエリア、人口動態だとしても
やはり前提がちょっと違えば結果が大きく狂う、
こんなことがあるんでしょうね。
また楠木さんは
「戦略はベストプラクティスでもない」
と本の中で語っています。
ベストプラクティスとは、
Wikipediaによると
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ベストプラクティスは、
ある結果を得るのに最も効率のよい
技法、手法、プロセス、活動などのこと。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
とあります。
簡単に言えば、
うまくいった要因を特定して
それを行うことという感じでしょうか。
たとえばですが、ビズアップは
ロゴの「無料提案」を発明し(大げさですが)、
業界ではじめて導入した会社です(自慢)。
たしかにこの「無料提案」が当たり、
創業当初から比較的たくさんのお客さまから
ロゴのご依頼をいただきました。
そこで起こったのが「模倣」、
いわゆるパクリです。
猫も杓子も「無料提案」。
「無料提案」のサイトが乱立しました。
途中で数えるのをやめましたが、
「出ては消え」で30サイトくらいは
パクリが出たのではないでしょうか。
当時は本当にハラハラしました。
「やばい、うちよりも大きい会社だ」
「まずい、こっちのほうが
サイトデザインがいい気がする」
こんなことばかり考えて
不安になっていました。
ところが、
今あらためて見てみると、
これらのパクリサイトはほとんど消え、
今はせいぜい1~2サイトくらいに
減ってしまいました。
それに気づいたときに
「無料提案」だけパクったところで
うまくいかなかったのだろうと
自分の中で結論づけていましたが、
まさにおそらくそうです。
「無料提案」は成功の主要因であることは
おそらく間違いないのですが、
これこそまさに「ベストプラクティス」で
ここだけをパクったところでうまくはいかない、
ビズアップにはストーリーがあり、
「無料提案」はそのひとつでしかなかった、
ということなんだと思います。
ちなみに本書では
「模倣はそれ自体が差異を増幅させる」
とも書かれています。
つまり、
パクればパクるほど
オリジナルとの差や違いが
浮き彫りになり大きくなる、
ということです。
なるほど、
だから私たちのパクリの会社は
消えていったり鳴かず飛ばずなんだ、
とこの本を読んで納得しました。
御社の競合にパクリがいても
慌てる必要はありません。
それよりも
自社のストーリーに磨きをかけたほうが
結果的にライバルは落ちていくわけです。
●
さて、先ほどから
「ストーリー」を連発している割には
「ストーリー」がどんなものかについて
触れていませんでした。
「ストーリー」と聞くと、
・桃太郎などの童話
・ギリシャ神話
・101回目のプロポーズなどのドラマ(爆)
などを想像するのではないでしょうか。
すみません、最後のは個人的な趣味で
私はこのドラマをたぶん通しで30回くらい見てます
(気持ち悪いですよね)。
ところが、
著者の楠木さんがいうストーリーというのは
いわゆる「お話」ではありません。
何かの記事で読みましたが、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ストーリー」がぜんぜん
「ストーリー(お話)」じゃないじゃないか!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
といったしょうもないクレームが
出版したときに実際に多かったそうです。
では「ストーリー」とは何なのか。
はっきり言ってこのメルマガでは語れません。
だってそれについて
500ページも書いている本なんですもの!!
ただ、先ほどの「ストーリーは法則でも
ベストプラクティスでもない」の話のように、
自分なりに重要だと思ったところを
かいつまみながらもなんとなく全体像が
ぼんやりとはわかるような、
そして最終的には
「一度読んでみて自社に役立てよう!」
と感じていただけるような文章を目指します。
すべてのはじまりは「コンセプト」だと
楠木さんは考えられています。
これは私も同意でして、
ブランディングをする上でまずは
「コンセプト」と「ターゲティング」を
行ったり来たりします。
「このターゲットにこのコンセプトは響くのか」
「このコンセプトはどんなターゲットに響くのか」
ということです。
コンセプトが決まると、
その後の選択基準が出来上がります。
たとえば極端な例ですが
飲食店をやるとして、
「近代文学の文豪たちが愛した老舗料亭」
というコンセプトをつくった場合、
この店にゆるキャラを登場させることは
ありえないというのが誰にでもわかると思います。
「ストーリーとしての競争戦略」では
この「コンセプト」は話の骨子というか
まさに「背骨」のようなものです。
本には
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コンセプトとは、その製品(サービス)の
「本質的な顧客価値の定義」を意味しています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
とあります。
「本当のところ、誰に何を売っているのか」
とも書いています。
たいへんおこがましく、
かつうれしいのですが、
私も似たようなことをいつも
このメルマガで書いています(照)。
中古本のブックオフは当初は
「中古本のコンビニエンスストア」を
コンセプトにしたそうです。
しかしブックオフは
早い段階からあることに気づいていました。
それは、
中古ビジネスの成功の鍵は、
商品を買ってもらうよりも
売りに来てもらうことだということです。
その結果コンセプトは
「中古本のコンビニエンスストア」から
「捨てない人のためのインフラ」となり、
「本を売るならブックオフ」
という「売る」ほうに集中した
キーメッセージを発しはじめたというわけです。
他にもスターバックスコーヒーは、
会社でも家でもない「第三の場所」
というコンセプトで、
お酒を出さない、タバコ吸わせないなどの
コンセプトにあった施策をしています
(だいぶ割愛した説明ですが)。
サウスウエスト航空のコンセプトは
「空飛ぶバス」です。彼らは自分たちを
「航空会社ではない」と位置づけています。
・バスに乗るような気持ちで乗れる安い飛行機
というイメージが一発でできる
秀逸なコンセプトです。
もちろんそれを達成するためには
ものすごい企業努力が必要です。
私の友人の元総合格闘家で
格闘技道場を30店舗経営している
戸井田克也氏(通称トイカツ)は以前、
「ライバルはフィットネス」
と言っていました。
フィットネスの退屈な動きではなく
ミットやサンドバッグを叩いて
ストレス発散しながらも
フィットネスと同じ効果を得られる、
ということで女性客に大人気です。
●
この本はサッカー好き(私)にうれしいのが
サッカーを使った例えが多いということです。
ストーリーにはコンセプトにつづいて
「キラーパス」が必要になります。
キラーパスはストーリーの
起承転結の「転」に当たる
部分だと楠木さんは言います。
キラーパスは
「クリティカル・コア」という
正式名称があります。
このクリティカル・コアの条件は2つで、
・一石で何鳥にもなる
・一見して非合理に見える
ということだそうです。
たとえば、
スターバックスコーヒーの
クリティカル・コア(キラーパス)は
・直営方式
だと楠木さんは考えます。
多店舗展開するときは
フランチャイズの
ほうがキャッシュの確保が
しやすい分スピードが早くなります。
スターバックスのCEO、
ハワード・シュルツは多くの人から
この直営方式をダメ出しされたそうです。
しかし、
この直営方式により店舗のイメージや雰囲気、
働く人たちのサービスクオリティが
高い位置で均一に保たれることとなり、
結果、
「第三の場所」というコンセプトを
成立させる大きな鍵となっている、
というわけです。
つまり、
「コンセプト」と「キラーパス」が
綿密につながっている状態こそが、
ざっくりと
ストーリーの正体だということです
(本当にざっくり、他にもポイントはある)。
こう考えると、
「スターバックスのようにおしゃれな店」
というパクリ店舗は、
ただ一側面だけを切り取った
「ベストプラクティスの模倣」でしかなく、
スターバックスのような成功はできない、
ということがよくわかります。
直営方式が良いかフランチャイズが良いかは、
そのストーリー次第だということもわかります。
「どっちが良い」
という回答を出すこと自体間違いで、
その答えはストーリー次第だということです。
サウスウエスト航空のキラーパスは、
「ハブ空港を使わない」
「ハブ・アンド・スポークを採用しない」
という方針です。
日本のように国土の小さい国は
あまりイメージが湧かないかもしれませんが、
ハブ・アンド・スポークは
一度大きな一箇所に集めてから
再度細かいところに移動する(させる)、
という効率的な手法です。
・B → C
・B → D
・C → B
・C → D
・D → B
・D → C
にそれぞれ向かうと
数がまとまりづらく効率が悪いので、
これを一度すべて「A(ハブ空港)」に
集めてからそれぞれの場所に振り分けよう、
こんな感じです。
サウスウエスト航空がこの方式を
採用しなかった理由はコストです。
ハブ空港の利用料金
(航空会社が払う)が高額のため、
「空飛ぶバス」のコンセプトで
ストーリーを構築する上で一見非効率ながらも
ハブ・アンド・スポークを取り入れなかった
というわけです。
このように、
クリティカル・コア(キラーパス)は
ライバルが
「非効率だからやりたくない」
「なぜそれをやっているのか意味不明」
というものであり、
これを楠木さんは
「賢者の盲点」と呼んでいます。
でも
実はそれにより一石何鳥にもなる、
こういったものだよということです。
さて、
だいぶ長い上に小難しい話に
なってしまったかもしれませんが、
本のほうは
もっと事例も盛りだくさんで
本当に面白いです。
最後に、
この本のどこに載っていたのか
すっかり忘れてしまったのですが、
私が感銘を受けた一節を紹介します。
文面としては正確ではないと思いますが、
それは、
社長というのはどうとか、
経営というのはこうなんだ、
なんていうものは本当はなくて、
経営者は自分で自分だけの
面白いストーリーを考えていけばいい、
そのストーリーこそが唯一無二の「戦略」なんだ、
たしかこんなような文章でした。
これって経営者にとっては
結構うれしい言葉なんじゃないでしょうか。
私はこの言葉に勇気をもらった気がしています。
ぜひ読んでみてください!
ストーリーとしての競争戦略 ー優れた戦略の条件
著:楠木 建
→ https://amzn.to/2yYSk9J
今回はここまでです!
津久井
好評いただいてます。
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投稿者プロフィール
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ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。
かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。
2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。
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