ロゴコラムLogo column
こんにちは。 ロゴ作成専門ビズアップ 津久井です! https://www.biz-up.biz 先週のメルマガでもお伝えしましたが、 親戚のおじさんが死にまして お通夜、告別式のために日曜日から 長野県茅野市に行ってきました。 先週も少し話しましたが、 おじさんは強烈なキャラの人で、 人を呼ぶときの第一声は大声で 「やい!!!」 と怒鳴るだけでした。 名前を呼んでくれないわけです(笑)。 本人は 至って普通のつもりなのでしょうが、 会話の相手はいつも怒鳴られている感じ。 歯もボロボロで たまに何を言っているか わかりませんでした。 また、 歯に衣着せぬ物言いで (というか衣着せる歯がない 笑) 悪気がなくても人を傷つけてしまう、 いわゆる破天荒タイプの人でした。 私自身も中学2年生の夏休みに おじさんの家に遊びに行ったときに おじさんを怒らせてしまい、 雑巾を 投げつけられたことがあります(笑) 体が大きくいつも 怒鳴っていたおじさんも 最後は痩せこけてしまい、 遺体をみても 元気なころのおじさんとのギャップからか リアリティがわきませんでしたが、 あれだけ おじさんとケンカしたりモメていた いとこ連中(おじさんの子たち)が 泣いているところを見て、 「ああ、そうか、 ついにあのおじさんが逝ったか」 と、 そこではじめて実感するようでした。 しかしあれですね。 お通夜とかお葬式は、 悲しみで心が崩れてしまわないために わざといろいろと 忙しくなっている気がしますね。 やることが多いうちは 気を保っていられるというか。 自分含め、 親戚一同よく働いていました。 別れの儀式には 不思議な役割があるもんです。 月曜日の夕方17時過ぎに お客さまもみんな帰ってやっと一段落。 東京に帰れる時間ではありましたが、 疲れ切ってしまったのと 渋滞の時間帯に重なってしまったため、 その日も諏訪市で一泊。 世話になったおじさんなので ヨメもお別れしたいということで、 家族を連れて行ったのですが、 火曜日の朝、 せっかくだから少しだけ 観光するかということで、 ・霧ヶ峰高原 というところを回って帰りました。 三菱エアコン「霧ヶ峰」のアレですね。 霧ヶ峰高原は、 大好きだった祖父が住んでいた 諏訪の山の上にある家の前をさらに進み 山を登りきったところ辺りにあります。 高原は 「ビーナスライン」という ドライブコースが有名で、 新緑や紅葉の季節には とてつもなくキレイな景色が広がります。 諏訪から霧ヶ峰高原に登り、 ビーナスラインを通って蓼科を抜け、 諏訪南インターから中央高速に乗る、 という帰り道を選びました。 中学生のころ、 ひとりで祖父母の家に泊まりに行っては、 霧ヶ峰高原のスキー場に連れて行って もらっていました。 また、 社会人一年目の夏休みには 仕事に病んでいたのか、 入院していた 祖父のお見舞も兼ねて諏訪に行き、 ひとりで車で霧ヶ峰高原に登り、 山奥で独り悲しい歌を ギターで弾き語るという、 なぞのイタイ行動もしてました(汗) それからも何度か 霧ヶ峰高原には登っていたのですが、 高原のサービスエリアで飲む牛乳が 大好きでした。 普段は牛乳はほとんど飲みません。 というかあまり好きではありません。 しかし、 霧ヶ峰高原の牛乳は特別でした。 本当においしい牛乳だったんです。 前置きが長くなりましたが、 今回は実はブランディングのお話です。 ● 今回もその牛乳を 密かに楽しみにしていました。 また、 高原には馬もいて、 1歳半のムスメは喜ぶだろうな、 と思っていました。 ところがですね、 いざサービスエリアについてみると、 死んだように活気がない。。。 あれだけ推していた牛乳は どこで買えるのかわからないように なってしまっていましたし、 平日ということはもちろんあれど、 お客さんもほとんどいません。 馬もいない。。。 カンタンに言えば、 めっちゃガッカリしたんです。 子どもたちにちょっと特別な体験を させたかったのに、と。 晴れていたこともあり、 景色は相変わらず素晴らしかったのですが、 それ以外はとてもガッカリでした。 閑散とした霧ヶ峰高原(写真) → http://bit.ly/2oPRIfn 楽しみにしていた牛乳は 愛想の悪い兄ちゃんが ひとりで突っ立っている売店で 名前を変えて売っていました。 たしか前は 「しぼりたて高原牛乳」 とかだったと思います。 売店では 「ジョッキ牛乳」として 売っていました。 まあ、 しぼりたての牛乳を ジョッキでグビグビ飲むのは アリだなと思ったのですが、 そのジョッキ牛乳は こんな残念な感じだったのです (飲み終わった写真で恐縮ですが)。 ジョッキ牛乳の写真(飲み終わり) → http://bit.ly/2oMTqxb なぜがっかりしたか。 カンタンに言えば、 ジョッキが「Asahi」だったから。 生ビールのジョッキだったからです。 でも、 それはまだ百歩譲れます。 実はその前段もあって、 以前は機械からついでいた 「しぼりたて牛乳」なのに 今回はその愛想の悪い兄ちゃんが スーパーで売ってそうな紙パックを 冷蔵庫から出してきて悪びれもせず 目の前で普通にジョッキに注ぐわけです。 何が言いたいかというと 「その牛乳、 パックに入ってるなら どこでも飲めるやんけ! スーパーで手に入るやんけ!」 と感じてしまったわけです。 他にも、 売店のメニューもいまいち やる気がありません(写真)。 → http://bit.ly/2oPF7sr もっと言えば、 こういう商品とか個人的には あり得ないです(写真)。 → http://bit.ly/2plRFsJ これらはですね、 デザイン会社のポジショントークで 単に見た目の話をしているのでは ありません。 ブランディングの話をしています。 牛乳を飲んでいるときに、 「八十二銀行」という名札をつけた男性2人と、 サービスエリアの責任者?らしき男性に対し 偉そうな話をしているおじさんがいました。 どうやらコンサルタントのようでした。 何か商品開発的な話をしていたようで、 「まあせいぜいりんごジャムとか ブルーベリージャムとかを乗せて プラス50円とか、そんな感じしか ないと思うんですよね」 と指導しているのを聞いて、 うちのヨメが思わずひとこと言いました。 「そういう問題じゃねーんだよ!!」 それを聞いて牛乳を 吹き出しそうになりました。 ジャムを乗せてどうこうなる問題じゃない、 この(さびれてしまっている)問題の 本質がわかってない、ということです。 それをヨメ(素人)にすら 見透かされるという。。。 でも、 ヨメの言うとおりなんです。 ● 霧ヶ峰高原になぜがっかりしたか。 それはさびれてしまっていたからです。 この事象を多くの人は ・さびれてしまった ・だからやる気のない店員や商品になってしまった と感じるかもしれません。 しかし、 これは私から言わせるとちょっと違います。 さびれてしまったのは結果でしかなく、 その原因が他にあると考えます。 しかもそれは 環境などの外的要因は多少はあれど、 発端はもっと内側の問題だと感じるのです。 霧ヶ峰高原は 売り物を間違えてしまいました。 霧ヶ峰高原の売り物は おいしい牛乳でもソフトクリームでも、 ましてや ジャムの乗ったナゾのお菓子でもありません。 霧ヶ峰高原の失敗は 商品を売ろうとしたことです。 モノを売ろうとしたことです。 「は?モノを売るのが商売でしょ?」 と感じるかもしれませんが、 違います。 今の時代は モノを売ってはいけないのです。 その代わりに売らなければならないのは、 モノの向こう側にある「意味」です。 今の時代は「意味」を売るのです。 たとえば 我々ビズアップの売り物は ロゴではありません。 誰もが体験できるわけではない、 体験できたとしても多くが一度きりの 「ロゴをつくる体験」が売り物ですし、 経営者の想いを込めることで ロゴとしてそれが長く受け継がれていくこと そのものが売り物なわけです。 一昔前の時代は意味なんて はっきり言ってどうでも良かった。 だって、 モノがないんですもの。 しかし今は違います。 今は同じような機能の商品の中で 選択肢がたくさんあります。 今が特に ・モノの時代 ・デザインの時代 ・色(バリエーション)の時代 の中でも 色(バリエーション)の時代だということも 影響していると思います(もうすぐモノの時代に戻る)。 人はモノそのものが欲しいというより そのモノを通して得られる意味がほしい。 霧ヶ峰高原は モノを売ってしまっていました。 その結果、 さびれてしまったのだと私は考えています。 家族で楽しい思い出という意味を得るために わざわざ車で30分かけて霧ヶ峰高原に 来ているわけです。 牛乳が飲みたいのではなく、 「霧ヶ峰高原でしか飲めない牛乳」 が飲みたいわけです。 ここでしか手に入らないもの、 感じることができない思い、 切り取ることができない瞬間、 こういったものを 雰囲気や商品から感じたいために 来ているわけです。 そう考えると、 どこでも手に入りそうな柄の牛乳パックから、 居酒屋で使っているビールジョッキに 客から見える場所で牛乳を注ぐことが いかに愚かな行動かわかると思います。 霧ヶ峰高原はおろか、 諏訪や長野県とはなんの関係も感じられない ナゾのソーセージパンを、 無償提供されるPOPのデザインが なんとなく整っているから、 という理由で取り扱うことが愚の骨頂だ ということもわかると思います。 モノ(商品)を売れば またこの高原が復活するだろうと思っている コンサルタントの言うことを聞いてはダメですし、 ましてや そんなコンサルタントの指導を受けたら 銀行が融資をするなんて話、 おそろしくてたまったもんじゃありません。 「おい、長野県、しっかりしろ! 霧ヶ峰高原、しっかりしろ!」 と言いたい。 子供のころに過ごした第二の故郷ですから。 ● ではどうすればよいか。 私も霧ヶ峰高原に足繁く通って 観察したわけではありませんから、 どうやっても仮説の域をでません。 が、 ブランディングとしてやることは ある程度順番があります。 ブランディングは 選ばれるための施策全般です。 具体的には 2つのアクションが必要です。 それは ・価値を高める施策 ・価値を広める施策 です。 このうち、 「価値を高める施策」のほうに 触れてみたいと思います。 まずは、 ターゲティングです。 具体的には、 「誰にとっての価値なのか」を考える ということになります。 次に 「その人たちが手にしたい意味は何なのか」 を考えます。 そして、 その人たちが高い価値を感じる表現は どんなものなのかを考えます。 コンセプトから考えると考えやすい。 さて、 霧ヶ峰高原は誰を ターゲットにすべきでしょう? いろいろな切り口があると思います。 ・県内の人 ・県外の人 ・家族連れ ・デート ・ひとり旅 などなど。 昔は家族連れで 賑わっていた霧ヶ峰高原ですが、 今はさびれています。 しかし、 さびれていても霧ヶ峰高原に来るお客さんは いまだに一定数います。 そんな状況になっても 来てくれているお客さんは 経済環境や流行に流されて 行動する人とは違います。 何かの魅力を 霧ヶ峰高原に感じてくれている コアな人たちのはず。 私であればりんごジャムを乗せるか ブルーベリージャムを乗せるか悩む前に、 そういったお客さんを観察し インタビューをします。 りんごジャムか ブルーベリージャムかではなく、 そんなジャムの乗ったナゾのお菓子を そもそもターゲットの人たちが 欲しがるのか考えます。 今回は仕事で行ったわけではないですが、 ターゲットはちょっと観察するだけで すぐにわかりました。 ・老夫婦 ・バイカー ・ロードバイク(自転車)好き この中で、 できれば誰をターゲットにするか 決めてしまったほうがいいでしょうね。 そして、 その人たちが手にしたい意味は何か考える。 もっと言えば聞いてしまう。 たとえば なんでバイカーの人たちは 霧ヶ峰高原にたくさん来ているのか。 おそらく ドライブコース「ビーナスライン」が 関係していると思いますが、 他にもあるかもしれない。 考える。聞いてしまう。 バイカーの人たちが手に入れたい意味は何か。 そして、 その人たちが価値が高いと感じる「表現」は何か。 どんなコンセプトでまとめられそうか。 こう考えると、 牛乳やソフトクリーム、お土産などの商品は 霧ヶ峰高原全体を表す「表現」のひとつだと わかります。 たとえば 「天国に一番近いドライブコース」 というコンセプトにしたとしましょう (こんなコンセプトがバイク乗りの人たちに 響くのかはちょっとおいておいて。。。) そうすれば、 おいしい牛乳をどんな名前と見た目で 売ればよいかも考えやすくなります。 「ミルク オブ ヘブン」 かもしれません(爆) お土産ならどんなものを どんなパッケージで売ればよいかも 考えやすくなりますし、 どんな人を バイトで採用すれば良いかも 考えやすくなります。 バイカー向けのイベントを 開催するのも良いかもしれません。 そして ジャムの乗ったお菓子(しつこい)が 商品として向いているかどうかも 考えやすくなります。 さて、 御社の商材はいかがでしょうか。 くれぐれも商品を売らないでくださいね。 商品を通して「意味」を売ってくださいね! 今回はここまでです! 津久井 好評いただいてます。 -------------------------------------- どんなことでもお聞きください!! ★デザイン無料相談フォームはこちら! → http://bit.ly/FOETmu ・お客さまの声 映像版! → http://bit.ly/1zoPxPe ・ビズアップFacebookページ → http://on.fb.me/tat0VW ・代表津久井FaceboOK → http://on.fb.me/xw0ezH ・ビズアップtwitter → http://bit.ly/xG4wHW -------------------------------------- ※メルマガやビズアップサービスについての お問い合せはこちらまでお気軽にどうぞ。 雑談レベルで構いません! 【連絡先】 ・お電話:03-5738-8265 担当:津久井 受付時間:平日10:00~18:00 ・メール:support@biz-up.biz 津久井宛 24時間メール受付中
投稿者プロフィール
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ロゴ専門デザイン会社ビズアップを2006年に創業。
かつてバンドで大手レコード会社よりCDリリースするも、大事なライブ当日にメンバー失踪、バンドは空中分解。その後「社長になりたい」と思いすぎてヨメの出産5ヶ月前という非常識なタイミングで、各方面から非難を受けながらも独立、5ヶ月でビジネスを軌道に乗せる。
2009年から毎週書きつづけているコラムでは、ブランディングやデザイン、クリエイティブについてかなり独特な視点で切り込む。レインボータウンFMでパーソナリティも務めている。
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